新型911の特徴はなにか。ひとことで表現すると「インテリジェント・パフォーマンス」だとポルシェではいう。低燃費とハイパフォーマンスを両立させるため、高い水準のエンジニアリング技術を使ったのが特徴とされている。具体的に、デザインから環境性能にいたるまで、新型911の魅力のすべてを、ここで紹介しよう。
文=小川フミオ
DESIGN
コードネーム991と呼ばれる新型911の特徴は、水平対向6気筒エンジンをリアに搭載した、2ドアクーペというメカニカルレイアウト。つまり、基本的なコンセプトは1963年以来、不変だ。
これについて、現在ポルシェのデザインディレクターを務めるミヒャエル・マウアーはポジティブだ。「911はプロポーションだけで他車と見わけがつく唯一のスポーツカーであり、余計なことをやらずとも、すぐに911と気づいてもらえるのです」と語る。
「トレッド幅を拡げたこともあり、技術的な要件からホイールベースを最低100ミリは長くする必要がありました。サイドビューをご覧になってください。とくにフロントのオーバーハングが短縮されているのがおわかりになりますか」(ポルシェの広報誌「クリストフォラス」のインタビューからの抜粋)
歴代ポルシェ911を手がけたデザインディレクターはわずか4人。フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ、アナトール・ラピン、ハルム・ラガーイ、そしてミヒャエル・マウアーだ。
メルセデス・ベンツやスマート、それにサーブを経て、2004年にポルシェにはいりパナメーラなどを手がけたマウアーは、スポーツカーのデザインにおいて重視しなくてはならないことは3つある、と語る。プロポーション、スタイリング、そしてディテール。
プロポーションにかんしては、現行の911(コードネーム997)後期型より全長で56mm長くなっている新型911だが、印象的にまとまり感が強いことで、ルーフラインの高さなどが適切に決められていることがわかる。スタイリングは、997からのイメージを継承しつつ、リアフェンダーのふくらみなどに、現代的なマッチョ感が表現されている。
そしてディテールも911のファンには大事だ。たとえば、ヘッドランプ。楕円だが、角度によっては伝統的な正円に近く見えることにデザイナーは心を砕いたそうだ。ドアミラーの形状をふくめ、911に興味をもつひとが微視的に重視するポイントがきちんとおさえられている。