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911 カレラ 2.7 クーペ
Porsche 911 Story─2代目930型|Porsche|01 PORSCHE|ポルシェ
2011.12.14

Porsche 911|ポルシェ911

Porsche 911 Story──2代目930型

70〜80年代のポルシェ黄金時代を支えた花形

 
ポルシェ 911の歴史を振り返る『Porsche 911 Story』。第2回に登場するのは、自動車市場の多様化が進んだ1970〜80年代に、モデルバリエーションを拡充することで訴求した930型。“つねに世界でもっとも高性能で、かつ快適なスポーツカーを”といういまでも使われている枕詞を生み出し、シグネチャーモデルとしての存在価値をさらにアピールしたモデルといえる。
 
Text by OGAWA Fumio
 

カブリオレの登場

車体が大型化して、イメージが大きく変わったのが1974年。新型バンパーを採用したことにより、コードネーム930は「ビッグバンパー」とも呼ばれる。モデルチェンジの背景には、主要市場のひとつであった北米において、車両の衝突安全基準が厳しくなったことと、排ガス規制が強化されたことにある。
 
マイナーチェンジを繰り返しながら、長い期間生産されただけあって、第2世代の911はエンジン排気量にもバリエーションがある。モデルチェンジした1974年には2.7リッターだったものが、76年には3リッターに、84年には3.2リッターへと拡大した。

排ガス規制への対応とともに、広がるユーザー層の一部が求める快適性への要求に応えて操縦しやすさを追求、さらにライバルとの性能競争に勝つためと、排気量拡大の背後の要件は数多く存在した。

911 カレラ 3.2 カブリオレ ターボルック
 
当初、車種バリエーションは、標準モデルともいえるクーペと、ルーフトップだけが外れるタルガの2本立て。1983年初頭に、フルオープンのカブリオレが追加された。
 

量産車初のターボカー


914-6
同時に、1988年には少量生産され、いまもマニアのあいだで人気の高いスピードスターが発表され、より多くのファンを惹きつける狙いは成功した。

もうひとつ、930シリーズを特徴づけているのが、1975年に発表されたターボだ。量産車としてはじめてのターボカーとなる。ポルシェはそれ以前からレースでターボチャージャーを採用していて、当初はコンパクトだがスポーツ性の高い914-6に採用することも検討されたそうだが、その性能からしてシグネチャーモデルの911にこそふさわしいという結論を得たとされる。
 

大胆にフェンダーがふくらんだ個性的なスタイリング

ターボは、高速カーブでのオーバーステアを回避するために幅広のリアタイヤを装着し、それをカバーするオーバーフェンダーと、高速での空気の流れでリア部が浮き上がるのを防ぐための大型リアスポイラーが、世界中に衝撃ともいえるほどの強い印象を与えた。
 
個性的なスタイリングはポルシェ911だからこそ成立したもので、その独特のデザインにある種の正統性が確立したのは、ターボが大きく貢献しているともいえる。

911ではその登場から、独自に開発した4段マニュアルギアボックスを標準で搭載していた。特徴は独特の構造をもったシンクロナイザー。ギアチェンジのとき、受け側と押し込み側の回転を合わせる際に、レバーの手応えがいまひとつあいまいで、ゲート感がわかりにくい点をデメリットとしてあげるユーザーも少なからずいた。

911 ターボ 3.3 クーペ
 
ポルシェにとっては1953年と911が登場するはるか前から採用していたシステムなので、おいそれと変更する気がなかったが、やがてエンジン排気量が拡大していき、トルクが増大してゆくと、ポルシェシンクロと呼ばれた独自のギアボックスでは、ギアオイルの冷却対策などに対応できなくなった。そこで、930型としては最終の1987年モデルから、ボルグワーナーの5段ギアボックスを採用することになったのだった。

911はもちろんスポーティだが、快適でもあった。それゆえ多くのファンを獲得した。ターボもその例にもれず、エアコンもオーディオも標準装備。ブースト圧を低めに抑えることで自然なドライビング感覚を実現し、「世界最速」といわれながら、同時に2,000回転でも気持ちよく運転できるのが、911ターボならではの特徴だ。

1970年代から80年代にかけて、自動車市場の多様化は進んだ。そこにあって、モデルバリエーションを拡充し、つねに世界でもっとも高性能で、かつ快適なスポーツカーを、というポルシェの考えが、911の黄金時代を築いたのだった。
 

 
 
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