ランボルギーニの最新フラッグシップモデルとして昨年3月のジュネーブモーターショーでデビューし、昨年末、日本上陸を果たしたアヴェンタドール。21世紀の“キング・オブ・スーパーカー”ともいえる同車の真価を探るべく、モータージャーナリスト、西川 敦氏が試乗した。
Text by NISHIKAWA Jun
Photo by ARAKAWA Masayuki
カウンタックの子孫
日本において、「スーパーカー」というカテゴリーを確立したクルマは何か……。ランボルギーニ カウンタック(本当はクゥンタッチと発音する。カウンタックと海外で言ってもまったくもって通じない)だったとみて、まちがいない。
大きなV12エンジンをドライバーの背後に縦置きにしたミドシップカー。おどろくほど平べったいスタイリングと、上方に跳ね上がるスィングアップ“シザー”ドアが、正に、クルマの常識を超えていた。今でも、そのカタチは奇跡的であるし、40年前に登場したときには、それこそ超未来的なトランスポーターにみえたことだろう。
最高時速300キロ(出る出ないは別にして)を競ったライバル、フェラーリ365GT4BB(ベルリネッタ・ボクサー)と並べてみても、カウンタックの“異様”さばかりが目立って、BBなど美しいただのクーペ(=ベルリネッタ)にしか見えないほどである。
エンブレム以外はオールニュー
ムルシエラゴの最終車両(4099台目)がラインオフしたのは2010年末のこと。翌2011年の2月には、新フラッグシップのアヴェンタドールLP700-4の生産がはじまった。ランボルギーニにおける最近のモデル命名法にのっとった車名の意味をよみ解けば、エンジン縦置き(LP)、700馬力の4WDモデル、となる。もちろん、アヴェンタドールという名前もまた、ディアブロやムルシエラゴ、ガヤルドと同様に、“闘牛”由来のネーミングだ。
ファイティングブルのフラッグシップは、ほぼ10年に1度、フルモデルチェンジする。今回、特筆すべきは、100パーセント新開発、新設計という点である。ムルシエラゴはディアブロをベースとして開発された、言わば“ビッグマイナーチェンジ”モデルだったし、ディアブロにはミウラ&カウンタック由来のエンジンが積まれていたわけだから、エンブレム以外に一切の流用パーツがなく、何から何まで完全にあらためられたというのは、大げさに言うと、創業以来、今回がはじめてだった、と言っていい。99年にアウディ傘下となってからでは、ガヤルドにつぐ完全オールニューモデルで、それゆえ親会社以下入魂の一作、というわけだ。