2010年のパリサロンでデビューしたレンジローバー発のコンパクトSUV「イヴォーク」。3ドア、5ドアの2タイプを用意し、エンジンのラインナップも豊富。内外装もこれまでレンジローバーが培ってきた歴史を刷新するかのようなスタイリッシュなデザインになっている。そんな衆目を集める同車に、英国・リバプールにてジャーナリスト 河村康彦が試乗した。
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文=河村康彦
写真=ジャガー・ランドローバー・ジャパン
尋常ならざる背の低さ
オフローダーならではのスクエア基調で背の高いボディに、いかにも機能性の高さが最優先されたかのようなデザインのインテリア
──『レンジローバー』というブランドの響きに、そんなモデルの姿をイメージするひとは少なくないだろう。
モデルチェンジのスパンが押しなべて長いという特徴もあり、いかにも“時空を超えた”かのような流行に左右されないスタイリングこそが、レンジローバーというブランド名を冠した作品の、大きな売り物と受け取って来たひとも多いはず。だからこそ、「えっ! これってレンジローバーなの?」と往年のファンのあいだからはそんな声が上がりそうなブランニューモデルが、2010年秋のパリサロンで公に姿をあらわした『イヴォーク』だ。
それが、イヴォークではよもやの低全高を採用。実際、おとなが余裕をもってくつろぐことが可能なスペースは確保をされているものの、ヴォーグやスポーツのような大きな空間が頭上に残る状況は、こちらのモデルではもはやありえないのだ。
2008年発表の「LRX」をベースに作られたダイナミックなデザイン
しかしどうやら、いまへといたる実際のプロセスはかくも単純なものではなかったようだ。あくまでも見栄えにのみ重点を置いた“デザインスタディモデル”としての『LRX』。これにたいして、量産モデルとして生を受けたイヴォークの低全高プロポーションには、時代を見据えたより深い意味が込められているからだ。