特集|カフェ 『ON THE CORNER』をつくるクリエイター 第4回 tripster inc. 野村訓市さん インタビュー
DESIGN / FEATURES
2015年3月6日

特集|カフェ 『ON THE CORNER』をつくるクリエイター 第4回 tripster inc. 野村訓市さん インタビュー

カフェ 『ON THE CORNER』 をつくるクリエイター

Vol.4 tripster inc. 野村訓市さん インタビュー

渋谷に7月15日にオープンしたアートラウンジ『SUNDAY ISSUE』と、7月24日(土)にオープンするカフェ『ON THE CORNER』。このふたつのお店づくりに参加する人びとの声を5回にわたって掲載していく特集の第4回は、カフェ『ON THE CORNER』と、日本では珍しいシェアオフィス『partyground』、さらにその運営会社であるpartycompany Inc.のオフィス設計を担当した、tripster inc.の野村訓市さんに話を聞いた。

Text&Photo by SASAKI Naoyuki

重要なのはお客さんが主役になれるデザインをすること

学生時代に世界中を放浪、湘南・辻堂で海の家『sputnik』を開き、2000年に雑誌『SPUTNIK : whole life catalogue』を企画編集したことでその名を広く知られるようになった野村訓市さん。現在は、雑誌の企画・編集・執筆、企業のブランディングやアートディレクション、アート作品の制作、ショップやオフィスの設計など、さまざまな分野で活躍している。partycompany Inc.との仕事は、代々木上原のレストラン『入 iri』以来、2回目となる。

野村訓市さん

――現在はどんな仕事をされているのですか?

tripster inc.ではショップやオフィス、展示会などの設計や内装をメインでやっていて、個人では雑誌の企画を考えたり、企業のブランディングをやったり、いろんなことをやっています。自分のなかで一貫しているのは、好きな仕事しかしないということ。自分がおもしろいと思うことをどうやったらたくさんのひとに知ってもらえるか、どう伝えたらうまく伝わるのだろうか、ということをいつも考えて仕事しています。よく本業はなんなのってきかれるんですが、すべて本業なんです。

――オフィスの設計について今回考えたことは?

今回はpartycompany Inc.さんのオフィスと、シェアオフィス『partyground』の両方を担当しましたが、共通するテーマはできるだけオープンな雰囲気にしたいということでした。しかし、オープンなオフィスにすることで生まれる弊害もあります。360度まわりから自分が見られてしまうので仕事に集中できなかったり、見られてはいけないものが見えてしまったりといったことです。従って、どこをどう仕切るかを決めるゾーニングが重要でした。あとは、拡張性やセキュリティをどう確保するか、ひとり当たりどの程度のスペースが必要かといったことを細かく詰めていきました。

シェアオフィス『partyground』の共有デスクスペース

――カフェ『ON THE CORNER』についてはいかがですか?

角にあるお店の立地条件を活かした、オープンな「街の食堂」になるといいね、という話を打ち合わせでしていました。若いひとだけでなく、ちょっと上の年齢層のお客さんや、子ども連れのファミリー層のお客さんも入ってこられるような懐の広い店にしたいと。あまり敷居の高い感じにはしたくなかったですね。僕らは今回に限らずいつもそうなんですが、流行を意識した派手なデザインはしません。自分がお客さんの立場だったとしても、そういうお店は落ち着かないですから。海外でもいいお店は、とくに変わったことをしているわけではありません。お客さんに愛され、長くつづいていること自体がそのお店の存在理由なんですよ。

――デザインは主張ではないということですね。

カフェやレストランの場合、お店の雰囲気をつくるのはお店側ではなく、じつはお客さんなんですね。だからどうしたらお客さんに楽しんでもらえて、リラックスしてもらえるかを考えてサービスするのがいちばん大事なことです。デザインや設計というのは、それを補強する役割です。だから、僕は自分の手がけた仕事を自らアピールすることもしません。雑誌の特集でも、一般のひとたちはこの特集を誰が考えたか、撮影したかなんて気にしないですよね。お客さんが買う動機になるのは、それがそのひとにとって面白いかどうかだけ。もちろん、「あのお店をつくったのtripster inc.だったんだ、いいお店だね」なんて友人に言われると、それはやっぱりうれしいものですよ。

次回Vol.4は、7月30日(金)公開予定。お楽しみに!

ビジネスに必要な要素がすべて整ったシェアオフィス『partyground』

渋谷駅中心部から地下コンコースでつながる、13番出口より徒歩0分という恵まれた立地を活かしたワークスタイルを実践できるシェアオフィス『partyground』が誕生。開放的でシンメトリー、圧迫感のないナチュラルで清潔感のある色あいのワークスペースで、お互いの気配を感じながらも、個々の仕事に集中して取り組むことができる空間となっている。同フロアにはアートラウンジ『SUNDAY ISSUE』、階下には、カフェ『ON THE CORNER』がスタンバイ。気分転換や打ち合わせにも便利な条件が揃っているのも大きな魅力だ。

シェアオフィス概要
名称|partyground(パーティグラウンド)
東京都渋谷区渋谷1-17-1 美竹野村ビル2F
http://www.partygrd.com/
竣工年月|1962年3月/改装年月|2010年6月中旬
規模・構造|地上10階地下1階建ての2階部分、SRC造
面積|2F全体100坪のうちのシェアオフィス部分約42坪
席数|固定席 20席/オープンデスク 10席
賃料|固定席 5万円~/オープンデスク 2万5千円

アートラウンジ 『SUNDAY ISSUE』

『SUNDAY ISSUE』
東京都渋谷区渋谷 1-17-1 美竹野村ビル2F
Tel. 03-3797-1288
営業時間|13:00~24:00(L.O 23:00)(火~金)
12:00~19:00(土・日・祝)
月曜休
http://www.sunday-issue.com/

『ON THE CORNER』
東京都渋谷区渋谷 1-17-1 美竹野村ビル1F
Tel. 03-6427-7273 (7月24日(土)~)
営業時間|9:00~02:00(L.O 01:00)
http://onthecorner-shibuya.com/
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