2015 ミラノサローネ 最新リポート|Experimental Creations

Experimental Creations|2015 ミラノサローネ 最新リポート

MILANO SALONE

Experimental Creations|エクスペリメンタル・クリエイションズ

特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015

8組の日本人若手デザイナーの作品を出展

マテリアル実験やクリエーションのプロセスにフォーカスした、日本のクリエイターたちによるプロジェクト「Experimental Creations(エクスペリメンタル・クリエイションズ)」がミラノサローネに作品を初出展。8組の日本人若手デザイナーが、作品を発表した。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

素材を一(いち)からデザインし、プロセスを見せながらアウトプットする

「エクスペリメンタル クリエイションズ」は2013年に立ち上がった、クリエイターたちのプラットフォーム。完成されたプロダクトをただ発表するのではなく、実験や製作のプロセスにフォーカスした展示をおこない、デザインの幅がもっとも広い、アイデアの段階を示すことで、クリエイター自身の独自性やセンスをプレゼンテーションすることを目的としている。初出展となった本年のミラノサローネでは、「Material Experiments」と「Digital Experiments」のふたつのコンテンツを展開した。

「Material Experiments」では、実験を経て生み出された、あたらしい8つのマテリアルの可能性を示した。さらに、そのマテリアルをプロダクトアウトしたものを7組のデザイナーが発表。

村越淳氏の「soup」は、製品の形状を決める型も作品の一部とすること、ひとつひとつに個性が生まれるようなランダムさの余地を残すこと、特別な技術を使用せずに単純な製造工程であることを前提条件としたCMF(※)の実験として展開。

※CMF:すべてのモノにあるサーフェイス(表面)のこと。Color(色)、Material(素材)、Finisih(加工)の頭文字をとったもの

「STUDIO BYCOLOR」の秋山かおりさんによる作品「MW:WW/More Works:With Wood」は、“木は生きている素材” であることを伝えるため、独自の表面加工技術「MW:WW」をベースに建築金物やアクセサリーを展開。木を構成するおもな組織から接着要素を除去し多孔質にすることにより、テクスチャーのおもしろさもさることながら、吸湿性・吸音性などの可能性も広がった。

デジタル×アナログで、あたらしいテクスチャーを提案

もういっぽうの展示「Digital Experiments」では、3次元コンピューターグラフィックを作成するソフトウェア「Rhinoceros」と「Grasshopper」を使って形状を作り出し、3Dプリンターで出力した作品に、染色やめっきなどの2次加工をほどこしたマテリアルを5組のデザイナーが発表。デジタルな制作物にたいしてアナログな加工をミックスすることで、あたらしいテクスチャーを提案した。

村越淳氏の「SO」は、3Dプリンタ特有の積層痕を水平に積み上げるのではなく、同心球状に積み重ねた際にできると考えられるかたちで表面にほどこした。素材に使用された液状のラバーが作り出す意外性のある動きは、一点ずつ異なる趣を生み出している。

秋山かおりさんの「TASTE of CELLS」は、私たちが普段口にする野菜や果物などの植物は膨らんだ形状、尖った形状、凹んだ形状など、さまざまな表面テクスチャーで特徴づけられている。グラフィックソフトのGrasshopperを用いることで、細胞が織りなす形の大きさやバランスをシュミレーションし、スプーンにさまざまな植物の表面テクスチャーを配した。染色には、それぞれの植物からとれた染料を使用している。

Experimental Creations
プロデュース|上野侑美
参加デザイナー|BOUNCE、村越淳、kamina&C、工藤健太郎、福定良佑、STUDIO BYCOLOR、tsukasa goto、小宮山洋
http://experimental-creations.com/