YOHJI YAMAMOTO|19年ぶりに東京でコレクションショー「THE MEN」開催
Fashion
2015年4月14日

YOHJI YAMAMOTO|19年ぶりに東京でコレクションショー「THE MEN」開催

YOHJI YAMAMOTO|ヨウジヤマモト

19年ぶりに東京でコレクションショーを開催

YOHJI YAMAMOTO THE MEN

Text by OPENERS

服というものと再び向き合うひとつの機会となれば──

「服をファッションから取りもどす」――1981年以降、発表の場をパリに移してからも変わらず訴えつづけてきた山本耀司の信念である。母国日本では長らくコレクションショーをおこなっていなかったが、いまあらためて東京に帰り、洋服の価値というものを日本で提示したいという理念のもと、デザイナー山本耀司によるメンズコレクションショー「THE MEN」が19年ぶりに東京で開催された。

「YOHJI YAMAMOTO(ヨウジヤマモト)」が見せる“MADE IN JAPAN”にこだわった“かっこいい”男たち。デザイナー 山本耀司は、72年にY’s を立ち上げ、77年に東京コレクションで発表して以来、今日まで30 年あまりにわたりクリエイション活動をつづけてきた。モノトーンを中心としたカラーパレットに、ボリュームのある独特のシルエット、彼のもつ反骨精神が鮮明に反映された「ヨウジヤマモト」の世界観は、ファッションシーンのみならずカルチャーシーンにおいても絶大な支持を集めてきた。

彼はその時どきにおいてあらゆる事象に対しアンチテーゼを打ちだしてきた。とくにメンズファッションはユーモア溢れる発表の場であり、過去にも体型、年齢、また人種にとらわれることなく自由なクリエイションを見せてきた。ファッションの盛衰はなはだしいこの時代に、いわば必需品とは関係のないもので彼が一生をかけて表現しようとしている無形の価値。

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“MADE IN JAPAN”にこだわった“かっこいい”男たち

クリエイションをとおして服というものと再び向き合うひとつの機会となればと開催された今コレクションショーでは、作家の椎名 誠、音楽シーンからはムッシュ かまやつ、あがた森魚、ジョニー吉長、俳優の石橋蓮司や宇梶剛士、真木蔵人など、それぞれの世界で“無形の価値”を表現しつづけてきた男たちがモデルとして登場した。

くるぶしに届くスタンドカラーのロングジャケットや、ことなるカモフラージュパターンをパッチワークしたセットアップ、そして印象的な真っ赤のロングコートなど、「ヨウジヤマモト」をまとってキャットウォークを歩く彼らの照れくさそうな笑顔や、近藤良平率いるCONDORSによるダンス、フィリップ・トルシエ元サッカー日本代表監督がみせた得意のリフティングなど、個性的なパフォーマンスの数々に会場はわいた。

「服をファッションから取りもどす」――華やかなモードの世界にアンチテーゼを唱えるべく、東京から世界へと羽ばたいていったデザイナー山本耀司。夢のようなショーのフィナーレに登場したその男の姿に、拍手がなり止むことはなかった。

主要取り扱い店

国内|青山本店 Tel. 03-3409-6006
伊勢丹 新宿本店 Tel. 03-3351-3170
マルイシティ渋谷 Tel. 03-3770-8288
マルイメン新宿 Tel. 03-3356-5418
横浜そごう Tel. 045-465-2734
名鉄百貨店本店 Tel. 052-585-7683
静岡伊勢丹 Tel. 054-653-5610

西武百貨店 渋谷店 Tel. 03-5459-9168
西武百貨店 池袋本店 Tel. 03-5950-1513
西武百貨店 有楽町店 Tel. 03-5218-5026
松屋 銀座本店 Tel. 03-3538-3020
大丸 大阪梅田店 Tel. 06-6347-7276
京都伊勢丹 Tel. 075-352-6268
神戸大丸 Tel. 078-325-1020
藤崎 Tel. 022-722-1316

海外|パリ Louvre Tel. +33 01 45 08 82 45
Cambon Tel. +33 1 40 20 00 71
ロンドン Conduit Street Tel. +44 207 491 41 29

ヨウジヤマモト インフォメーションデスク
Tel. 03-5463-1537
www.yohjiyamamoto.co.jp

デザイナープロフィール

山本耀司|YAMAMOTO Yohji
東京生れ。慶応義塾大学法学部、文化服装学院卒業。1969年「装苑賞」「遠藤賞」を受賞。72年ワイズ設立。81年に発表したパリコレクションで当時タブーとされていた“黒”を前面に押し出したショーを発表し、“黒の衝撃”と称され一大旋風を巻き起こす。賛否両論の評価を受けつつも、時代に流されないその反骨精神はモード業界に革命をもたらす。2002年にはアディダスとの共同ブランド「Y-3(ワイ・スリー)」のクリエイティブディレクターに就任、ファッションとスポーツというふたつの世界を融合し、革新的なスタイルを打ち出す。また、1989年ヴィム・ヴェンダースによるドキュメント映画『都市とモードのビデオノート』発表のほか、ワーグナーのオペラ、ピナ・バウシュ舞踊団、北野武監督映画などの衣装制作も手がけるなど、幅広い活躍をつづけている。08年4月には北京にて「Y’s」のショーを発表。『TALKING TO MYSELF』(02年)、『A MAGAZINE』(04年)など関連刊行物多数。94年フランス芸術勲章「シュヴァリエ」受章、05年フランス国家功労勲章「オフィシエ」受章、ほか08年ロンドン芸術大学より名誉博士号を授与される。

           
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