フォルクスワーゲン、パサート オールトラックをフルモデルチェンジ|Volkswagen
CAR / MOTOR SHOW
2015年3月4日

フォルクスワーゲン、パサート オールトラックをフルモデルチェンジ|Volkswagen

Volkswagen Passat Alltrack | フォルクスワーゲン パサート オールトラック

フォルクスワーゲン、パサート オールトラックをフルモデルチェンジ

フォルクスワーゲンは、ジュネーブモーターショーにおいて「パサート ヴァリアント」をベースにしたクロスオーバーモデル「パサート オールトラック」の新型を公開した。

Text by SAKIYAMA Chikako(OPENERS)

フルタイム4WDの「パサート オールトラック」が第2世代に進化

フォルクスワーゲン「パサート オールトラック」は、「パサート」のワゴン版「パサート ヴァリアント」をベースに、高めの車高と4WDシステム、そして精悍なエクステリアをまといクロスオーバーとして仕上げた派生モデル。昨年7月にパサートが第8世代へモデルチェンジしたことをうけて、このオールトラックも一新。ジュネーブモーターショーでワールドプレミアを果たした。

パサート オールトラックとしては第2世代となる新型は、パサートやゴルフ同様、モジュラー化されたプラットフォーム「MQB」を採用。悪路での走破性を向上させるために、オーバーハングを短くとり、車高が27.5mm高められている。

Volkswagen Passat Alltrack | フォルクスワーゲン パサート オールトラック

Volkswagen Passat Alltrack | フォルクスワーゲン パサート オールトラック

全モデルがフォルクスワーゲンの四輪駆動機構「4MOTION」を採用しており、通常は燃費向上に有利な前輪駆動を基本とするが、前輪がトラクションを失いそうなシーンになると、エレクトロニック スタビリティ コントロールシステム(ESC)に統合されたエレクトロニック ディファレンシャル ロック(EDS)が、第5世代のハルデクスカップリングを作動させ後輪にトルクを配分する。また、上級グレードでは標準、そのほかでもオプションで「XDS+」を前軸、後軸ともにそなえる。これは左右輪を監視し、コーナリング時には内輪に軽くブレーキングかけ回頭性を向上させる、いわゆるトルクベクタリングと呼ばれる機能にあたる。

搭載するエンジンは、アイドリングストップ機能「ストップ・スタート」、ブレーキエネルギー回生システムなどをそなえ、欧州の排出ガス規制のユーロ6に準拠した全5種をラインナップ。ガソリン1.4リッター4気筒ターボ(TSI)は、110kW(150ps)と162kW(220ps)の2種。ディーゼル直噴2リッター4気筒ターボ(TDI)は110kW(150ps)、140kW(190ps)と176kW(240ps)の3種類のことなる出力で用意される。トランスミッションは、150psのTSIおよびTDIには6段MTを組み合わせ、それ以外の上級モデルにはデュアルクラッチのDSGを搭載する。

Volkswagen Passat Alltrack | フォルクスワーゲン パサート オールトラック

フォルクスワーゲン、パサート オールトラックをフルモデルチェンジ (2)

オフロード専用の走行モードを設定

オフロード走行も前提としたオールトラックならではの機能として、ベースとなったパサートにそなわる「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「インディビジュアル」にくわえ、「オフロード」という走行モードが用意される。このモードに設定すると、トランスミッションのプログラムやアクセル レスポンス、ABSの挙動をはじめ、あらゆるドライビングアシスタンス機能がオフロード走行向けに設定される。

日本ではあまり機会がないものの、新型オールトラックではトレーラーなどのけん引のアシスタンス機能が充実した。とくに難しいとされるけん引中のバックの際には「イノベーティブトレーラー アシスト」が操縦をサポート。また、けん引能力も、ブレーキ付のトレーラーであれば12度の斜面で最大2,200kg(150ps TSI モデルは1,800kg)まで可能とする。

Volkswagen Passat Alltrack|フォルクスワーゲン パサート オールトラック

Volkswagen Passat Alltrack|フォルクスワーゲン パサート オールトラック

エクステリアは、先にフルモデルチェンジしたパサートをベースにしながらも、ステンレス製のアンダーボディガード付バンパー、ホイールアーチからサイドシルまでつづく墨色の樹脂製モールディング、酸化コーティングされたシルバールーフレールなど、SUVらしい意匠が与えられ、独立したモデルであることを意識したものとなっている。

インテリアも外装同様、オールトラック専用となっており、コンフォートシートは中央にファブリックの装飾を施したアルカンターラのものを採用。オプションで本革にも変更ができる。

最近のフォルクスワーゲンの新型モデルに倣った、各種のドライバーアシスタンスも搭載。パサートで採用された、アクティブ インフォ ディスプレイと呼ばれる全面デジタルディスプレイのインパネをはじめ、ヘッドアップディスプレイ、タブレットで楽しめる後席向けのメディアコントロール、車線逸脱を防止するフロントアシスト、緊急時に自動停車するエマージェンシー アシスト、トラフィックジャム アシスト、駐車場などからの後退時にリア左右を監視するリアトラフィックアラートがふくまれる。

インフォテイメントもあらためられ、ネットワーク機能を強化。全部で5種類のヘッドユニットが用意され、Apple Car PlayやGoogle Android Autoに対応したインターフェースもふくまれている。

パサート オールトラックは9月末からヨーロッパ市場に投入される予定だ。

           
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