新作「ラナ」開発秘話インタビュー|STOWA

新作「ラナ」開発秘話インタビュー|STOWA

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STOWA|ストーヴァ

孤高のウォッチビルダーとデザインの巨匠のコラボが実現

ドイツの老舗ブランド、ストーヴァの新作「ラナ」(2)

――商品名の「ラナ」とは、どんな意味があるのでしょうか。

「rana(ラナ)」は、ラテン語で蛙という意味です。もうおわかりですね。フロッグデザインの社名にちなんで名付けられました。お互いに意見を出し合ってデザイン案を検討。プロトタイプをいくつもドイツからアメリカに送りました。そうしていくうちに、デザイン案は集約されていったのです。

――「ラナ」の特徴的なポイントをいくつか教えてください。

文字盤のインデックスを見てください。5分おきに配置されたアワーマーカーが時計回りに少しずつ大きくなっていくのは、おわかりでしょうか。時間の流れを文字盤で表現しました。「ダイナドット」と名付けたインデックスは、ダイアルのドット部分をレーザーで抜いて表現しています。

文字盤には、夜光塗料が塗布されていて暗闇での視認性を確保。

サイドから見ると、二層構造になっているのが、よくわかる。

ウッドペッカー緩急針を搭載する自動巻きムーブメントを採用。

――なるほど、文字盤上に数字がないにもかかわらず、時間がひと目でわかるんですね。

そうなんです。次世代のバウハウスデザインにもチャレンジしました。もっとも苦労したところは、ケースでしょうね。デザイン案をもとにケースのサンプルを作った結果、二層構造にすることでこれまでにない均整のとれたデザインにすることができました。

――しかし、これは制作にとても手間のかかるケース構造だったのではないでしょうか。

そうですね(笑)。世の中にない時計を作るわけですから、とてもチャレンジングな試みでした。とてもシンプルなデザインに見えるのですが、いままで見たことのないデザインやディテールを発見していただけるとおもいます。

――ところで、裏蓋がシースルーになっていますが、とても変わったムーブメントが搭載されていますね。

今回特別にドイツのマニュファクチュールブランド「ミューレ・グラスヒュッテ」からムーブメントを供給してもらいました。ウッドペッカー緩急針を持つ独特のメカは、ずっと眺めていたくなるほどです。

――今回デザイン界の巨匠、エスリンガー氏とタッグを組んでみていかがでしたか。

さまざまな制約を回避し、これまでにないアイデアと情熱に膨大な時間を費やしましたが、多くのみなさんに楽しんでいただけるあたらしいデザインに仕上がったとおもいます。おなじブラックでも、世の中には本当に数多くの黒があります。そうしたなかから厳選に厳選を重ねた色、形をチョイスして完成したのが、この「ラナ」なのです。この質感を実際に多くのみなさんに体感してほしいですね。

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ラナ
ケース|ステンレススチール
サイズ|H43×W37mm
ムーブメント|ETA-2824 クロノメーター認定 自動巻きムーブメント
パワーリザーブ|40時間
ストラップ|ラバー
防水性|10気圧
価格|62万6400円


Jörg Schauer|ヨルク・シャウアー
1968年生まれ。ドイツのフォルツハイムの学校で彫金師の専門教育を受け、宝飾加工と時計組み立ての技術を習得。その後、27歳で自らの名を冠した時計ブランド「シャウアー」を設立。現在に至る。

Hartmut Esslingen|ハルトムット・エスリンガー
1944年生まれ。フロッグデザイン創始者。1980年代から90年代初頭にかけて初期のアップル製品のデザイン「スノーホワイトプロジェクト」を支えたプロダクトデザイナーのひとり。そのほかソニー、ルフトハンザ、ルイ・ヴィトンなど多くの企業のデザインに貢献。

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vol.2|建築家 谷尻 誠 × ライター 柴田 充 新作「ラナ」にみるジャーマンプロダクトの魅力