特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」

特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」

Behind Good Coffee: The Fine Art of Coffee Roasting

特集|ロースターは燃えているか?

コーヒーは焙煎で選ぶ時代へ

第2章 「マイ・ロースターを求めて」(7)

6. ONIBUS COFFEE(奥沢)

東京のコーヒーカルチャーを牽引

今回取材したなかでも、客席から一番近い距離で焙煎工程を見ることができるのが、「ONIBUS COFFEE(オニバスコーヒー)」だ。落ち着いた朱色のロースターは、「ディードリッヒ」というメーカーの、半熱風タイプの3キロ釜。自店以外でも20軒くらいにコーヒー豆を卸しているため、毎日約20回もの焙煎をおこなっており、店内はつねにコーヒーの香りで満ちている。

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修行先の「Paul Bassett」(新宿)で現オーナーと出会ったという、橋本さん。昔に比べて豆の品質が格段に良くなり、個性が際立って表れるようになってきたので、浅煎りの需要が増えてきたという

焙煎を担当するのは、名店「Paul Bassett」で修行し、焙煎の道へ進んだ橋本さん。「深煎りの豆は、香りやコクなどのボディがよりでてくるので、じっくり淹れるドリップをおススメしますが、浅煎りの豆であれば、エアロプレスでの抽出もおすすめです。口当たりがまろやかになって香りがフワッと広がりますよ」

ここ最近、ドリップにかわる抽出方法として見かけるようになったエアロプレス。軽くてコンパクトゆえに持ち運びも楽で、掃除も簡単なため、最近はアウトドアに持参して本格的なコーヒーを楽しむ人も多いようだ。

「当店では、エアロプレスなら、コーヒー14グラムにお湯210ccで、1分半抽出しています。ドリップと違って、圧力をかけることで、豆の油分とお湯が混ざり合って乳化現象を起こし、やや白濁し、まろやかな口当たりになるのが大きな特徴ですね」

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エアロプレスの場合は、お湯を注ぎ、スプーンで混ぜているときに、“蒸らし”が起きているそう。やや白濁しているのが、乳化現象が起きている証

いただいた「コスタリカ」のコーヒーは、アプリコットのような甘酸っぱさが特徴で、酸味が程よく、後味も甘さが残るので飲みやすい。美味しい紅茶に近い感じもするけれども、コーヒー独特のコクもあるから心地よい。また、アーモンドのような甘みがあって、シトラス感も感じられる「ボリビア」や、ベリーワインのような深みがある「エチオピア」も気に入った。

料理にも通ずることだが、「乳化」によって引き出される旨みは未知数だ。こればかりは、お店に直接行って、コーヒーを見て、飲んでいただくしかない。だが、それだけの価値はきっとあるはずだ。

また、今回取材した自家焙煎の店は、少なからず横のつながりもあるようで、第1章で特集した「TORIBA COFFEE」の焙煎士・滑川さんが「ONIBUSさんの渋谷店(2014年5月オープン)にはよく行きます」と話していたり、その「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」では、やはり取材した「AMAMERIA ESPRESSO」(武蔵小山)と「SWITCH COFFEE TOKYO」(目黒)の豆も販売されていたり……と、あたらしい東京のコーヒーカルチャーが発信されるのを間近で感じた。

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<焙煎士>
橋本貴弥|TAKAYA Hashimoto
2012年、「ポールバセット」新宿店勤務。同年9月、オーストラリア・シドニーのコーヒーショップで2カ月間修行。同年11月より「ONIBUS COFFEE」に勤務。2013年から、焙煎のトレーニングを開始。

<焙煎機のある店>
ONIBUS COFFEE
営業時間|9:00~19:00
定休日|火曜
住所|東京都世田谷区奥沢5-1-4
Tel. 03-6321-3283
http://onibuscoffee.com/

<編集メモ>
・常時おいている珈琲豆 7種類
・珈琲豆の価格帯 380円~
・店内での試飲 可(無料)

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