特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」

特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」

Behind Good Coffee: The Fine Art of Coffee Roasting

特集|ロースターは燃えているか?

コーヒーは焙煎で選ぶ時代へ

第2章 「マイ・ロースターを求めて」(6)

5. Gentle Belief(外苑前)

技術と知識が生み出すオンリーワンの味

外苑前というひらけた場所にあって、ビルの奥に入口を構える隠れ家的なお店、「Gentle Belief(ジェントルビリーフ)」。小さなトビラの向こうには、焙煎前の生豆が40種類もディスプレイされていた。店頭にこれだけの生豆を揃えるお店は、全国的にもなかなかお目にかかれないため、コーヒー好きにとっても圧巻である。

第1章で、“生豆×8段階の煎り具合”を掛け合わせると、コーヒーの味わいはどんどん広がっていくことを知ったように、「Gentle Belief」では、常時40種類ある生豆を目の前で焙煎してくれて、約300通りの味わいを生み出すことが可能だ。そこで、好きな生豆を好きなような焙煎してもらえる“オンデマンド焙煎”を実現するのが、こちらのマイクロロースターだ。

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“好きな豆を、好きな焙煎で”オーダーできるのは、1ロット250グラムから

「昔は、小さなロースターはテストロースターとして使用されることが多かったのですが、いまのマイクロロースターは、能力的にもその域を完全に出ています。長年、焙煎士として向き合ってきて、高レベルの焙煎テクニックさえあれば、マイクロロースターを使いこなすことができると確信し、“オンデマンド焙煎”のお店をクリエイトする決心をしました」

名だたる自家焙煎の名店で修業し、焙煎歴30年というベテランならではのテクニックと知識の集大成だ。

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「たとえば、『タンザニアの豆を浅煎りで』といわれたら、通常は酸味が出てしまうため深煎りをおススメしますが、浅煎りでもテクニックで美味しく飲めるようにすることも可能です」という、まさにオンデマンドな焙煎

そんな焙煎マスターへ、現在の潮流「サードウェーブ」に関してたずねると、「彼らのおかげで、コーヒー焙煎自体にも光があたったので、僕自身はとてもいい傾向だと思っています」と応えてくれた。

深煎りの魅力も教えてくれて、浅煎りのサードウェーブにも理解があって、コーヒーを美味しく飲める術はすべて試したい、という前衛的な焙煎士、浅野さんにならば、初心者も臆せずオーダーしやすいのではないだろうか。

浅野さんが話してくださる横で、小さなロースターが鳴らす音は、高温で繊細な金属音から、チャッ、チャッ……と少し柔らかい音色に変わっていた。大きな焙煎機も迫力あるが、小さな変化まで愉しめるマイクロロースターの魅力をじっくり味わうなら、ランチの混雑を避けて、15時以降をおすすめする。

<焙煎士>
浅野嘉之|ASANO Yoshiyuki
1980年、都内屈指の有名自家焙煎グループに所属し、珈琲の本質的なところを享受。1985年より、自家焙煎店「珈琲倶楽部」や、サロン・ド・テ「KAIAN」、ビストロ「KAIAN」、「カフェ・リコ」などを開業。2014年、「Gentle Belief」開業。

<焙煎機のある店>
Gentle Belief
営業時間|10:00~22:00(L.O.21:30)
定休日|第2・第4日曜
住所|東京都港区南青山2-22-14フォンテ青山
Tel. 03-6438-9252
http://gentlebelief.com/

<編集メモ>
・常時おいている珈琲豆 生豆40種類、焙煎豆12種類
・珈琲豆の価格帯 550円~2000円/100グラム
・店内での試飲 不可(飲食メニューあり)

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