特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」

特集|ロースターは燃えているか?|第2章「マイ・ロースターを求めて」

Behind Good Coffee: The Fine Art of Coffee Roasting

特集|ロースターは燃えているか?

コーヒーは焙煎で選ぶ時代へ

第2章 「マイ・ロースターを求めて」(5)

4. SWITCH COFFEE TOKYO(目黒)

こだわりから生まれたコーヒースタンド

2013年、27歳の若さで、オーナー兼焙煎士として「SWITCH COFFEE TOKYO(スウィッチ コーヒー トーキョー)」をオープンさせた大西さんは、慶応義塾大学中にコーヒーのキャリアをスタートさせ、卒業後、オーストラリア・メルボルンの「The Premises」や福岡の「ハニー珈琲」などの名店で修行を積んだ、異色のキャリアの持ち主。

開店の動機をうかがうと「コーヒーが好きだったので、コーヒースタンドとか、コーヒーを使った仕事だったらなんでもよかったのですが……」と控えめな回答だったが、「プロバット」のロースターや、お店に存在する器具や商品、陳列の仕方まで、ひとつひとつに対するこだわりを見れば、コーヒーへの情熱がすべてに行き届いているのを感じる。

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オーナー兼焙煎士の大西さん。“お客様が自宅でも同じ味を再現できるように”と、店頭ではドリップかプレスを採用

大西さんが「基本は豆屋です」というように、奥に配された焙煎所と、目と鼻の先に試飲できるカウンターだけの小さなお店だが、取材中、常連のお客さんが絶えず訪れていた。「会社が近いので」とカップコーヒーを買って帰ったスーツ姿のサラリーマンや、目の前に車を止めていつも通りの豆を買う男性、ベビーカー片手に豆を選ぶ女性……。開店からわずか1年で“コーヒー豆屋”のスタイルは定着している。

「豆を購入してくださったお客様には、カプチーノかカフェラテなど、カップドリンクをサービスしています。豆を挽いているあいだも、カウンターでは、5~6種類の試飲サンプルを用意しているので、気軽にテイスティングを楽しんでいただいています」

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ブルーを基調にしたファサード。写真右は取材班にも大好評だったコーヒー豆「エチオピア・KONGA」

淹れたてでなくとも、冷めても美味しいコーヒーは自信の表れでもあるのだろう。なかでも、「エチオピアのKONGA」というコーヒーは、フルーティを超えて、ボタニカルな香りまで吸い込んでいるような衝撃を受けた。その美味しさといったら、連日コーヒーを飲んでいる取材班の3人が揃ってこの豆を購入して帰ったほど。

「エチオピアは“野生のコーヒーの故郷”といわれている唯一の場所なので、品種部分にも、MIXED HEIRLOOM(原生種・混合)と記載しています」

朴訥(ぼくとつ)とした口調で、美味しいコーヒーを丁寧に教えてくれる店。気兼ねなくコーヒーの世界に浸りたい人は、ぜひ一度訪れてほしい。

<焙煎士>
大西正紘|ONISHI Masahiro
2010年、オーストラリアへ渡り、メルボルンの「The Premises」に勤務。2011年、福岡の「ハニー珈琲」に勤務。2013年、オーナー兼焙煎士として「SWITCH COFFEE TOKYO」をオープン。2009年、「第二回ブレンズコーヒーラテアート大会」優勝、翌年はニューヨークの「Coffeefest 全米ラテアート大会」に出場し第2位、さらにその翌年には、オーストラリア・ビクトリア州でおこなわれた「Pura Milk AASCA Latte Art Championship」で第2位入賞を果たした。

<焙煎機のある店>
SWITCH COFFEE TOKYO
営業時間|10:00~19:00
定休日|不定
住所|東京都目黒区目黒1-17-23
Tel. 03-6420-3633
http://www.switchcoffeetokyo.com/

<編集メモ>
・常時おいている珈琲豆 6種類
・珈琲豆の価格帯 1950円~2500円/250グラム
・店内での試飲 可(無料)

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