デザイン界の巨匠とウォッチビルダーが挑んだドイツウォッチの新作|STOWA
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2015年2月19日

デザイン界の巨匠とウォッチビルダーが挑んだドイツウォッチの新作|STOWA

STOWA|ストーヴァ

バウハウスの流れを汲んだ前衛的なデザイン

「ラナ」ウォッチの造形に心を奪われる

ドイツ・シュワルツバルト地方の伝統的なメーカーで、ヨルク・シャウアー氏が経営を継承するストーヴァ。現在は、20世紀前半の製品を復刻した時計が好評を博すストーヴァから、新コレクションが登場。初期のアップル製品を手がけた世界的なデザイナーが手がける最新モデルに注目だ。

Text by KAWADA Akinori

複合的で建築的な構造にも目を見張る

ストーヴァの新製品「ラナ」ウォッチには、まさに目が釘付けにされる。時計を正面からみると、実にシンプル……とは言え、ケースの左右を断ち落としたようなオーバルケースは、現代ではなかなかみられない形状で、“流れる時間”を形容したという。ベゼルは曲線美にあふれ、ボリューム感がある。

一方、文字盤は装飾性を排した、ドイツ時計らしいバウハウス調。だが、インデックスのドットが、1時から12時に向かうにつれ、徐々に大きくなる。時刻を判別しやすく、デザイン的なアクセントにもなっている“ダイナドット”は、ダイヤルのドット部分をレーザーでくり抜いて表現している。

時計のサイドビューをみると一段と驚かされる。正面からみえたオーバルケースと、その下のラウンドケースが重なった複合的な“フローティング”構造となっている。

この建築的なデザインは、高名なプロダクトデザイナー、ハルトムット・エスリンガー氏が手がけたものだ。彼はフロッグデザインというデザインエージェンシーを立ち上げ、1980~'90年代にスティーブ・ジョブズの良きパートナーとして、初期のアップル製品のデザインをいくつも誕生させてきた。「形態は機能に従う」というバウハウス流のデザイン哲学を継承し、数々の世界的企業のデザイン面でのイノベーションを推進してきた立役者だ。ストーヴァを経営するヨルク・シャウアー氏と同様、エスリンガー氏もシュワルツバルト地方の出身で、バウハウス流のデザインへの共鳴から、「ラナ」ウォッチをはじめ、ストーヴァとのパートナーシップが実現した。

ムーブメントは、精度調整機構に、ミューレ・グラスヒュッテが独自に製作するウッドペッカー緩急針を採用。グラスヒュッテ認証(ドイツ・グラスヒュッテ天文台で認証されるクロノメーター規格)も受ける高精度を誇る。

シンプルにして前衛的な時計に、ドイツのクラフツマンの魂が詰まっているのだ。

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ラナ
ケース|ステンレススチール
ムーブメント|自動巻き(ETA-2824 ウッドペッカー緩急針)
パワーリザーブ|40時間
風防|サファイアクリスタル
ストラップ|ラバー
防水性|10気圧
税込価格|62万6400円

TiCTAC 恵比寿店
Tel. 03-3449-8462
http://www.tictac-web.com/german_watch_2015

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ハルトムット・エスリンガー/1944年、ドイツ生まれ。世界でも知られるインダストリアルデザイナー。初期のアップルコンピュータのデザインを担当したことでも知られる。

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インデックスには、蓄光塗料のルミノヴァを使用。通常は白い塗料が、暗闇ではグリーンへと変化。外周の白いインデックスまで流れる時間がデザインされている。

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ミューレ・グラスヒュッテ社独自のテクノロジーを持つムーブメントを採用。ウッドペッカー緩急針と呼ばれるユニークなパーツが採用されている。

           
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