Audi A1|小さなプレミアムカー
CAR / NEWS
2015年4月8日

Audi A1|小さなプレミアムカー

Audi A1|アウディ A1

小さなプレミアムカー

アウディは、同社の全モデルに共通するプレミアム感を、その小型のボディに反映させたニューモデル「A1」を発表した。

文=ジラフ

価格は1万6000ユーロ(約198万円)から

この新型車のターゲットは、今までのアウディでは取り込むことができなかった若い層だという。ヨーロッパでの価格も1万6000ユーロ(約198万円)からというからその本気度は推して知るべしである。

また、今回A1に設定されるのは、3ドアハッチバックボディのみ。サイズは全長3,950×全幅1,740×全高1,420mm、ホイールベース2,470mmと、「A3スポーツバック」よりも一回り小さいという。

エクステリアデザインは、シングルフレームグリルやデイタイムランニングライトといったアウディのトレンドを取り入れながら、小型車とは思えない力強さを感じさせる。AピラーからCピラーへとつづくクロームアーチは、ポップでフレッシュな仕上がりとなっている。

インテリアに目を向けると、航空機の翼をモチーフとしたダッシュボード、そしてそこに設置された4つの空調などが、スポーティな雰囲気を強調。

トリムには、シート色がブラックかチタニウムグレーの豪華仕様「アトラクション」、そしてチタニウムグレーかワサビグリーンが選べるスポーティな「アンビション」が設定される。またアンビションにはオプションでレザー仕様が3色用意される。

欧州では今夏から販売予定

搭載されるエンジンは、ガソリン2種類、ディーゼル2種類の計4種類。ガソリンの1.2リッター直4ターボ(86ps、16.3kgm)は、5速MTと組み合わされることによって、0 - 100km/h加速で12.1秒、最高速は179km/hを発揮。欧州複合モード燃費は19.6km/l、CO2排出量は119g/km。また1.4リッター直4ターボ(122ps、20.4kgm)は、6速MTと7速「Sトロニック」が設定され、0‐100km/h加速9.1‐9.2秒、最高速は200km/h。こちらの欧州複合モード燃費は18.5‐19.6km/lとなっている。

ディーゼルは「1.6TDI」に2種類のチューニングを設定。5速MTとの組み合わせで「105ps、25.5kgm仕様」が、0 - 100km/h加速10.8秒、最高速187km/h、欧州複合モード燃費25.64km/l。「90ps、23.5kgm仕様」は、0 - 100km/h加速12.2秒、最高速179km/h、欧州複合モード燃費26.32km/l、CO2排出量99g/kmを達成。

ガソリン、ディーゼルどちらのエンジンも、すべてが直噴ターボとなり、アイドリングストップ機能が組み込まれていることから、環境性能も高くなっている。ちなみに駆動方式はFFのみとなる。

新型アウディA1は、3月のジュネーブモーターショーで正式発表。ヨーロッパでは今夏から販売が予定されている。

BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーを表しているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。

しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。

1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。

           
Photo Gallery