田中凜太郎|『My Freedamn!』の発展系イベント「INSPIRATION」開催!(その3)
Fashion
2015年3月13日

田中凜太郎|『My Freedamn!』の発展系イベント「INSPIRATION」開催!(その3)

しっかりとしたコンテンツをもった濃い人たちによる、21世紀の正しいアウトプット

『My Freedamn!』 の発展系イベント 「INSPIRATION」 開催!(その3)

全3回にわたってお届けしてきた田中凛太郎氏へのインタビューも、いよいよ今回が最終回。話は、約7年におよぶ『My Freedamn!』制作体験を通して彼が感じた“次のステップ”へ行くことの重要性や、理想とするコミュニケーションのあり方など、イベント開催を決意したその根源へと遡る。

インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)写真=田中凛太郎

『ダラス・ギターショー』の古着バージョンをやりたかった

──これから始まるイベント『インスピレーション』は、ある種、古着業界を再編成するようなものになりそうですが、こういうイベントってほかのジャンルには存在するんですか?

ご承知のとおり僕はギターが大好きなんですが、ギターの世界には『ダラス・ギターショー』というイベントがあって、80年代の頭からアメリカでギターが好きな人は、毎年4月にダラスに集まると決まってるんです。これも適度な規模ですごく濃度の濃いイベント。僕はいわば、その古着バージョンをやりたいと思ったんです。

──いいですね。本当に古着が好きな人間が毎年一回、心待ちにして集まる場ができるというのは。

この業界も、そろそろこういうことができるようになったのかなぁ、と思います。『My Freedamn!』を作ってきた過程で学んだのは、変な商売っ気さえ出さなければ、いいものはできるということ。そして、いいものでなければ誰も喜ばないということ。だから、このイベントもイベント自体で儲けようとは考えていません。ただ、そんななかでもプロモーターとして、経済がどう成り立つか、どういうビジネスチャンスがあるかは模索していきたいですね。そして、しっかりとしたコンテンツをもった濃い人たちによる、21世紀の正しいアウトプットがおこなわれることを望んでいます。気持ちとしては『My Freedamn! Vol.1』に戻ったかんじです。だから、できるだけパンクなハートでやりたい。大変なのはむしろ2回目以降。『My Freedamn!』のときもそうでしたが、回を重ねるごとに、いろんな意味で厳しくなってきますから。そういう意味では、逆に第一回目の今回は、うまくいきそうだという手応えを感じています。

田中凜太郎 Photo02

田中凜太郎 Photo03

最後は参加者みんながどれだけ“ヘッズ”な気持ちになれるか

──本もイベントも凛太郎さんのなかでは本質的に同じというわけですね。

ええ。僕にとってはイベントの空間は本の台割と同じ。その日一日にすべてがかかってるという意味では、不測の事態も含め恐さはありますが、やってることは基本的に同じです。最終的にはどちらも内容が重要という点も同様ですね。ただ、イベントを今後つづけていく上で、気をつけなきゃいけないのは、時代の流れの速さです。アメリカに渡ってすぐのころは、10年ぐらいでひとつのカルチャーが完成すればいいや、くらいに考えていたんですが、いまはたぶんもっと短い。そこはしっかり考えていかなきゃいけないところです。でも、最後は会場にいる人みんなでどうやっていくか決めるしかないとも思っています。参加している人がこのイベントに対し、どれだけ“ヘッズ”な気持ちになれるか。どう転ぶかはやってみないとわかりませんが、みんながそういう気持ちにさえなれれば、いい方向に向かうと信じています。

──そうですね。イベントって参加している人たちそれぞれが、そこを自分の場だと感じられることが大切ですからね。オウプナーズとしてもその輪のなかに参加すべく、当日は取材にお邪魔しますので、その際には、またよろしくお願いいたします。

オウプナーズ読者の人にも、この世界が好きでさえあれば、3泊4日ぐらいの日程で気軽に遊びにきてほしいですね。

──たしかに、いまやアメリカに行くからといって構える時代でもないですしね。

そうなんですよ。翌日の14日がちょうど『ローズボール』なので、金曜日の夜に出発して、ローズボールが終わったら帰るという日程でも、十分楽しいと思います。

──ちなみに『My Freedamn!』のほうもつづいていくんですよね?

ええ、そちらも引きつづき発行していきます。取り急ぎ『Vol.9』は2010年の初夏ぐらいの発売を目指して、イベント終了後すぐに編集作業に入ります。

──そちらも、とても楽しみにしています。今回は長時間どうもありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

(おわり)


           
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