全米最大の酒イベント「Joy Of Sake」レポート

毎年、ニューヨークだけではなくアメリカ国内の日本酒ファンが一同に集まる全米最大の酒イベント「Joy Of Sake」。こちらは、毎年9月末ごろに開催され、全米の日本酒ファンが一同に集まります。このイベントでは300種類ほどのお酒がならび、醸造元の蔵元さんたちもたくさん日本からみえるため、酒ファンにとってはじかに造り手のお話を聞ける素晴らしい機会でもあります。
ニューヨークにいながらにして実際の造り手の話を聞きながら一杯……贅たくですね。

このイベントでは時間内に飲みきれない種類のお酒があるため、むやみやたらに手をつけるのではなく、効率的に自分の好みやタイプをあらかじめほんのちょっとだけ知っておくとより楽しめます。ですので、この時期の私の日本酒講座「オイシクタノシクちょっとカシコク！」も人気。（とくに女子！）

イベントでたまたまお隣にいたニューヨーカーの質問に答えたのがキッカケで酒談義で盛り上がりカップルに!! なんていう事例もこれからは続々出てくるかも！ コンカツに勤しむ方！ いまや日本酒は素敵なキューピッドになってくれるかもしれません。実際、お酒のイベントがキッカケで結ばれたアメリカ人と日本人のカップルを知っています。これぞまさに「SAKE AND THE CITY」!?

福島の銘酒・大七酒造のファンイベント開催！

そして、次は福島県二本松市の銘酒・大七酒造のイベント。こちらは、大七酒造の海外交渉担当であり、日本人以外で唯一、私のもつきき酒師の資格の上のまた上「日本酒学講師」という資格をもつオランダ人のアッツ ブランクスタイン氏がニューヨークにいらしたのを記念し開催。ちなみに、彼は日本在住20年以上で、日本語はペラペラどころか、こちらの日本語が不安になるほどのきれいな日本語を話すので、思わず自分の日本語遣いが気になるほど！

ところで、大七酒造は、ミシュランと並んで世界的に高名なレストランガイド「ゴー ミヨ」の日本企業初の公式スポンサー。オランダ版を発表するイベントでは、すべての賞の発表後、純米大吟醸「箕輪門」にて乾杯をあげるという、まさにイベントの大トリのシーンが日本酒によって行われているのです。世界が日本酒を認めた証拠のワンシーンでもあります！

その大七酒造のファンイベント開催の場所は、今年オープンした隠れ家のお店「Bohemian NY」。オーナーは、旅学やLOVE&FREEで大人気の高橋 歩氏。彼のコンセプトでつくられた仲間たちの「アジト」です（住所非公開）。マネージャーでシェフのKIYOくんとは公私ともに仲良しで、いつも楽しくイベント企画をしています。今回も、その秘密のお店でKIYOくんによる「ジャパニーズシェフが提案するニューヨークスタイル」のお料理と大七のお酒のペアリングディナーパーティーを贅たくに開催。たっぷりの生の雲丹（うに）がソース代わりになったマッシュルームコロッケや香ばしいお醤油の味わいが感じられる和州牛のスライダーなど。ちょっとしたところに日本人だからこそのアイディアがニクいですね～。

うにのコロッケ！

シルビア ワインストックさん（中央）をはさんで

参加したゲストも華やか！ 「Sex And The City」や「Gossip Girl」などにも登場のセレブ御用達ウエディングケーキデザイナー、シルビア ワインストックさんもご主人とご参加。何度も大七のお酒にいかに感動したかを私に興奮して伝えに来てくれました。そのほかにも、ユニオンスクエアカフェやグラマシータバーンなどの有名レストランのオーナーシェフのマイケル ロマーノ氏など、ニューヨークを代表する日本酒ファンが贅たくな大七のお酒とKIYOくんのお料理に大盛り上がりとなりました。

この丸メガネが目印。アメリカでセ
レブ御用達ウエディングケーキと言
ったらこの方。シルビア ワインス
トックさん。http://www.sylvia
weinstock.com

アッツ ブランクスタインさん

大七の最高峰純米大吟醸雫原酒「妙花闌曲」

大七酒造から日本酒学講師 アッツ ブランクスタイン氏と大七の最高峰純米大吟醸雫原酒 「妙花闌曲」。ごくごく限られたお店のみの展開な上、ニューヨーク市場でのお値段は1本＄600以上。

BeyonceやAdam Lambert、最近ではなんとMichael Jacksonの「This Is It」のCDジャケットも手がけているSony MusicのArt Director ふーこちゃん。

ふーこちゃん

Timothy Sullivan氏と橋本由希絵さん

日本酒好きが高じて趣味でつくったウエブサイト「Urbansake.com」が全米で一番人気の酒ウエブサイトとなり、2007年に日本酒増中央会より酒サムライに認定されたTimothy Sullivan氏と、ニューヨークで日本酒と言ったら──の殿堂酒レストラン「酒蔵」の橋本由希絵マネージャー。

これだけ、海外での日本酒への評価は年々高まっているとはいえ、肝心の日本では毎年日本酒の売り上げが落ち込み、経営困難な酒蔵さんは蔵の長い歴史に終止符を打たざるを得ない状況です。海外の方たちの日本酒熱を知り、改めて日本酒の魅力に目覚めた、という海外在住の日本人に出会うことが多々あります。とくに、世界中の人種が集まっているニューヨークでは、欧米人種だけではなく、中国、韓国、アフリカ、インド、数えきれない人種の方たちが日本酒の魅力に驚いています。

日本酒はお米とお水でできています。みずみずしくて優しいお米の旨味たっぷりの日本酒は、日本食だけではなく、フレンチやイタリアン、世界中の食生活のなかにもマッチングする魔法のお水です。彼らが美味しい日本酒を求めて黄金の国ジパングを夢見て来た際に備えて、あなたのご自慢の一杯を見つけてみませんか？ 世界の人たちとの距離が、ぐっと近づくことをお約束します。

SAKE DISCOVERIES
http://www.sakediscoveries.com/