USM|丸の内のUSMショールームが日本の冬景色を表現したディスプレイに
DESIGN / FEATURES
2015年1月23日

USM|丸の内のUSMショールームが日本の冬景色を表現したディスプレイに

USM|四季を演出するプログラム「USMカラールネッサンス」

丸の内のUSMショールームが日本の冬景色を表現したディスプレイに

スイスを代表するシステム家具メーカー「USM」の直営店、東京・丸の内の「USMモジュラーファニチャーショールーム」が、オープン5周年記念のアニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」を開催中。3月からスタートした本企画の集大成として、12月6日(土)より冬仕様のディスプレイに入れ替わる。

Text by TAN Miho(OPENERS)

「無限の可能性を持った色への、あらたな挑戦」の集大成

「美しい家具とは、その機能がシンプルにデザインされ、人と空間に心地よさを与えるもの」──その理念のもと、1960年代、建築家フリッツ・ハラーが開発した鉄骨モジュラー建築システムをベースに誕生したのが「USMモジュラーファニチャー」だ。コネクトチューブ、ボール、パネルの3つの基本部品から成るシンプルな構造のため、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、キッズルーム、ライブラリーなど、スペースや用途に合わせ、さまざまなサイズや形状のパーツを組み合わせてデザインできる。

特筆すべきもうひとつの特徴は、その豊富なカラーバリエーションだ。キャビネットタイプの「USMハラー」のパネルは全14色展開。シンプルな機能と色へのこだわりが徹底されたシステム家具は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で永久コレクションにくわえられるなど、世界中から支持されている。

USMカラールネッサンス 02

USMカラールネッサンス 03

そんな家具ブランド「USM」が、「無限の可能性を持った色への、あらたな挑戦」をと展開しているのが、東京・丸の内のショールームで開催されているアニバーサリープログラム「USMカラールネッサンス」だ。四季を慈しむようなディスプレイをほどこし日本の美を表現することで、自身の家具の重要なファクターである色を改めて見つめている。

本企画は今年の3月にスタートした1年間のプロジェクト。伝統文化を現代に表現する「丸若屋」のディレクションのもと、春期夏期秋期につづく第四弾の冬期のディスプレイは、この1年の集大成でもある。

今期のテーマは「冬景色」だ。「USMハラー」は、京都・桂離宮の茶室、松琴亭の襖にインスパイアされたという市松模様の配色はそのままに、アントラサイトとマットシルバーへとチェンジ。そして、しんしんと雪が降るような情景を思わせるモノトーンのキャビネットの奥では、草木でモノトーンに染めた「染司よしおか」の布が舞う。

この空気感に込められたのは、春、夏、秋それぞれがもつ色鮮やかな色と同じように、冬景色のなかに存在する多彩な色を見つけた先人たちを敬う心。白や灰、黒といったモノトーンのなかにひそむ奥ゆきを、存分に感じられる機会となる。

USMカラールネッサンス 04

さらに今回は、石川県の代表的な伝統工芸である九谷焼を作りつづける「上出長右衛門窯」の作品「FORMA」もレイアウトするという。ハイメ・アジョンとコラボレートした本シリーズは、あえて絵付を削ぎ落とすことで淡い白を引き立たせた磁気。モノトーンの静けさのなかにある奥深さや情緒感を引き出すとともに、「USMモジュラーファニチャー」のシンプルさに宿るデザインの美と、深く共鳴することだろう。

USMカラールネッサンス
開催時期|12月6日(土)~2015年2月28日(土)
場所|USMモジュラーファニチャーショールーム
東京都千代田区丸の内2-1-1 丸の内 MY PLAZA 1・2F
営業時間|10:00~19:00(土・日曜11:00~19:00)
祝日定休 月曜日のみ予約制
Tel. 03-5220-2221
http://www.usm.com

丸若屋
日本とフランスを拠点に、伝統ある物の内に潜む、本質的かつ絶対的な美しさを的確に捉え、伝統工芸から最先端工業に至る、幅広い分野における最高峰の技術に無限の可能性を見出した革新的な取り組みを通して、21世紀を生きる人々の生活に、驚きと喜びの提供を行う。パリ・サンジェルマンにて、美しき日本の品々の展示販売を行う"NAKANIWA"をオープン。2016年に創業400年を迎える有田焼の海外プロジェクトも始動。
www.maru-waka.com

染司よしおか
1200年程前の日本では「季(とき)にあいたる」という言葉が褒め言葉だった。
自然が生み出した四季を、身に纏う色のかさなりで表現できる人が教養とセンスのある人だったのである。
秋に色づく紅葉も「青紅葉」「初紅葉」「紅紅葉」「黄紅葉」「散紅葉」と移り変わるさまを繊細にとらえ、使い分けてきた。その紅葉が散り、山々の稜線には低く雲がかかり、雪が舞う色なき季節がくる。
私共の植物から色を生み出す仕事は古きを温ねるものだが、新しいものと出会った瞬間にそれが更新された美意識として現代に生きる人々に伝わり、季節を感じて頂きながら生活に彩りが加わることを非常に喜ばしく思っている。
www.sachio-yoshioka.com

上出長右衛門窯
1879年、石川県寺井村(現・石川県能美市寺井町)にて創業。以来135年、昔ながらの手仕事で日々の食器から茶陶まで一点一線丹精込めて先人の伝統を現代まで守りつづけている。彩り鮮やかな上絵付けと深い発色の染め付け、丈夫で美しい生地が特長。
www.choemon.com

           
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