5人乗りも国内初導入

昨年の東京モーターショーで日本導入が発表された新型「C4 ピカソ」が、10月25日より発売開始される。新型では、本国のラインナップとおなじように、7シーターを「グランド C4 ピカソ」とし、これまで日本未発売であった5シーターのショートボディモデルが「C4 ピカソ」として初めて導入される。

新型「C4 ピカソ」シリーズは、2013年のジュネーブショーにおいて発表されたコンセプトカー「テクノスペース コンセプト」をベースに開発されたモデル。欧州では、昨年4月にデビューを果たしており、日本では昨年末の公開より約1年の期間を置いての導入となった。

日本仕様として導入されるパワートレインは、BMWとPSAプジョーシトロエンが共同開発した、スタート＆ストップ機構を備える1.6リッター ツインスクロールターボエンジンに、第3世代となるアイシン製の6段ATが組み合わせのみ。最高出力は121kW（165ps）、最大トルクは240Nm（24.5kgm）を発揮する。往年のDSシリーズへのオマージュと前席ウォークスルーを実現するという機能面を兼ね備えた、ハンドル奥に設置されたシフトレバーも先代同様に健在だ。任意のシフト操作をおこなうパドルもそなわる。

あたらしいグランド C4 ピカソのサイズは、全長4,600×全幅1,825×全高1,670mm、ホイールベースは2,840mm。従来より導入されていたおなじ7人乗りでくらべると、そのサイズ差は±15mm前後で収まっている。

全体のサイズは変わらないながらも、軽量化や低重心化、高い室内レアウト設計を目指した、PSAプジョー・シトロエンの新世代プラットフォーム「EMP2」（エフィシエント モジュラー プラットフォーム2）採用しており、最新の安全装備などを追加しながらも重量は1,550kgと、50kgの減量を果たしている。

全長を大きく変えずに110mm伸長したホイールベースと、設計自由度の高まった空間レイアウトにより、グランド C4 ピカソの最大積載容積は3列目収納時で645リットル、2列目までフルフラットにした場合は、2,181リットルにもなる。助手席をフラットに畳めば、2.75メートルもの長さのものも収納が可能だ。

“ピカソ”らしく

C4ピカソには、ユーティリティ性が求められるMPVでありながら、芸術家パブロ・ピカソから戴いた名とロゴにふさわしく、アバンギャルドなエクステリアが与えられている。5人乗り／7人乗りの区別をたんにボディの長短のみによらず、全体的に共通性を感じさせながら、それぞれ独自のデザインを施しているのがユニークだ。

フロントマスクでは、アンダーグリルの形状や、シトロエンのコーポレートマーク“ダブルシェブロン”から横に広く伸び薄型LEDヘッドランプまでつながるクロームラインのフィニッシュがことなり、その印象を違えている。

Citroen Grand C4 Picasso

Citroen C4 Picasso

サイドビューはさらに差別化されている。グランド C4 ピカソは、モデルラインの「C」をモチーフとした太いラインが、Aピラーからルーフを経由しテールゲートまで伸びやかに配されているのに対して、C4ピカソではガラスエリアの半周を囲むようにクロームラインがあしらわれている。1999年に登場した（国内導入はマイナーチェンジ後の2004年）直系の祖先「クサラ ピカソ」の特徴であった、たまねぎの断面のように弧を描いて集約する4本のピラーもまた、おなじ5人乗りのC4ピカソには受け継がれている。

もっともちがいがあるのは、3D LEDランプをそなえるリアフォルム。フロントマスク以上にそれぞれキャラクター性が与えられており、グランド C4 ピカソはモデルラインの「C」をモチーフにした異型デザインのもの、C4ピカソはワイドでスポーティなスクエア形状のものを装着している。

パノラミックウィンドウと広いガラスルーフが大きな解放感をもたらす

インテリアは先代よりさらにモダンなものに進化。ロフトをイメージしたというキャビンは、前席乗員の頭上まで伸びる視界良好なスーパーパノラミックウィンドウを採用。それにくわえ、5.7平方メートル（C4 ピカソは5.3平方メートル）という面積をもち、ルーフいっぱいに広がるパノラミックガラスルーフが、室内に明るく開放的な雰囲気をもたらす。

コクピットは大きく刷新され、未来的なものとなった。センター部に配された12インチと7インチのフルデジタルスクリーンによって、ドライビングインターフェイスを直感的に操れるように開発されているという。

上部の12インチモニターには、スピードメーターやタコメーター、フロント及びバックカメラなどの映像を表示。下部に配置されている7インチスクリーンでは、タッチ操作でエアコンやオーディオ、オプションで用意されるナビゲーションシステムの表示、コントロールがおこなえる。

また、アシンメトリック（左右非対称）なデザインのフロントシートはもとより、すべての座席が独立型となっているため、各々が好みのシートポジションをとることができ、MPVとして求められる移動の快適さを向上させる。シートは全車標準でファブリックとなるが、オプションでツートンのナッパレザーシートも用意されている。

最新のセーフティデバイスを装備

新型C4ピカソは、シトロエン車として初導入となる最新のドライビングアシスト＆セーフティが採用されているのもトピックだ。前走車との車間を一定に保つ「アクティブ クルーズ コントロール」、30km/h以上で走行時に前走車との車間距離を計測し、接近しすぎた場合に警告をする「ディスタンス アラート」、車線逸脱を警告する「レーン デパーチャー ウォーニング」、ミラーの死角となる後方から接近してくる車両を表示で知らせる「ブラインド スポット モニター」、車両まわりの360度を鳥瞰図などで表示可能な「360°ビジョン」などが用意される。

パワートレーンが1種類のため、グレードは装備がことなる2つで構成される。エントリーモデルの「セダクション」にくらべ、ラグジュアリーモデル「エクスクルーシブ」はバイキセノンヘッドライトやインテリジェントハイビーム、アクティブクルーズコントロール、そして前述のディスタンスアラートやレーンデパーチャーウォーニングが標準装備となる。また、ナッパレザーシートを選択できるのもエクスクルーシブのみ。

消費税込みの価格はグランド C4 ピカソ セダクションが347万円、エクスクルーシブは378万円。C4ピカソはエクスクルーシブのみが設定され357万円とされた。発売は2014年10月25日から。

シトロエン 新型C4ピカソ 海外試乗記はこちら

Citroen Grand C4 Picasso｜シトロエン グランド C4 ピカソ

ボディサイズ｜全長 4,600 × 全幅 1,825 × 全高 1,670 mm

ホイールベース｜2,840 mm

トレッド 前/後｜（セダクション）1,580 / 1,590 mm　　（エクスクルーシブ）1,575 / 1,585 mm

重量｜1,550 kg

エンジン｜1,598 cc 直列4気筒 直噴 ターボ

ボア×ストローク｜77.0 × 85.8 mm

最高出力｜121 kW（165 ps）/6,000 rpm

最大トルク｜240 Nm（24.5 kgm） /1,400-3,500 rpm

トランスミッション｜6段AT

駆動方式｜FF

ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク ／ ディスク

サスペンション 前/後｜マクファーソンストラット ／ トーションビーム

タイヤ｜（セダクション）205/60R16　　（エクスクルーシブ）205/55R17

最小回転半径｜5.5 メートル

最低地上高｜135 mm

乗車定員｜7 名

ハンドル位置｜右

価格｜（セダクション）347万円　　（エクスクルーシブ）378万円

Citroen C4 Picasso｜シトロエン C4 ピカソ

ボディサイズ｜全長 4,430 × 全幅 1,825 × 全高 1,630 mm

ホイールベース｜2,780 mm

トレッド 前/後｜1,580 / 1,590 mm

重量｜1,480 kg

エンジン｜1,598 cc 直列4気筒 直噴 ターボ

ボア×ストローク｜77.0 × 85.8 mm

最高出力｜121 kW（165 ps）/6,000 rpm

最大トルク｜240 Nm（24.5 kgm） /1,400-3,500 rpm

トランスミッション｜6段AT

駆動方式｜FF

ブレーキ 前/後｜ベンチレーテッドディスク ／ ディスク

サスペンション 前/後｜マクファーソンストラット ／ トーションビーム

タイヤ｜205/60R16

最小回転半径｜5.4 メートル

最低地上高｜135 mm

乗車定員｜5 名

ハンドル位置｜右

価格｜（エクスクルーシブ）357万円

シトロエン コール

0120-55-4106（9:00-19:00、年中無休）