エキスパートが指南 初心者のための東京国際映画祭入門(1)
LOUNGE / MOVIE
2015年6月10日

エキスパートが指南 初心者のための東京国際映画祭入門(1)

今年こそはあなたも国際映画祭デビュー!
いよいよ第27回東京国際映画祭が10月23日(木)に開幕

エキスパートが指南する、初心者のための東京国際映画祭入門(1)

今年も10月23日(木)から東京国際映画祭(TIFF)が開幕する。SAMURAI賞の授与式に登壇予定の北野武監督とティム・バートン監督をはじめ、レッドカーペットを歩く豪華ゲストを間近で見られるまたとないチャンスが目白押し。興味はありつつも、これまでなかなか会場に足を運ぶまでには至らなかったOPENERS読者に向けて、コンペティション部門のプログラミング・ディレクターを務める矢田部吉彦氏が映画祭デビューの心得を指南。ジャンル別に矢田部氏が厳選した10作品の見どころを紹介する。

Text by YATABE Yoshihiko
Edited by WATANABE Reiko(OPENERS)

気になる1本を選んだら、普段見ないジャンルにもあえてチャレンジ

何事も事前準備と心得さえあれば、はじめてだって安心して取り組める。今年こそは映画祭デビューを目指したいと考えているOPENERSの読者に向けて、矢田部氏はこんなアドバイスを寄せてくれた。

「東京国際映画祭は、ありとあらゆる種類の映画を上映しています。エンタメからアート系まで、日本映画はもちろん、欧米からアジアに至る、世界中から作品を集めています。公式ホームページでラインナップをじっくり見てもらえれば、必ず気になる作品が出てくるはずです。

アドバイスとしては、まず最低2本は見てみること! 最初は気になる作品を1本見て、そしてもう1本は、普段ならまったく見ないようなタイプの作品や、まったく知らない国の作品をあえて見てみる。すると、そこに新たな発見が必ず待っています。映画祭は、あらたな発見の場でもあるので、是非自分の引き出しを増やしてみて下さい。

そして、映画祭では、作品の監督や役者たちが、上映前に直接登場して挨拶をしたり、あるいは、上映後に観客からの質問に答えるQ&Aの時間が設けられていたりします。これは普段の劇場公開作品にはない、映画祭ならではのことなので、ぜひ、この特別な雰囲気を味わって下さい」

MOVIE|エキスパートが指南する東京国際映画祭入門 02

コンペティション部門の日本代表!宮沢りえ主演作品 『紙の月』

MOVIE|エキスパートが指南する東京国際映画祭入門 03

北欧から届いた、心あたたまるヒューマンドラマ 『1001グラム』

OPENERS読者に向けて、矢田部氏があらゆるジャンルから10作品を厳選!

映画祭に参加するための心得につづいては、「コンペティション」「アジアの未来」「ワールド・フォーカス」の各部門から、OPENERS読者に向けてジャンル別に矢田部氏が厳選した10作品を紹介しよう。

「コンペティション部門からは、初心者の方でしたら、『1001グラム』がお勧めです。ノルウェーの作品で、内気な研究者の女性が、パリへの出張を通じて心の殻を破っていく過程を描く、温かいヒューマンドラマです。背景が独特で、思わず笑ってしまう描写も多く、デートでも、女性同士でもおすすめです。

アクション好きでしたら、フランスのギャング対検察の事実に基づくドラマを映画化した『マルセイユ・コネクション』がお勧めですし、スリリングな心理ドラマが見たい方は『メルボルン』が絶対気に入るはず。

アート系が気になる向きには、非常に美しく個性的な映像が光る『草原の実験』に驚くと思います。また、宮沢りえさんの演技が素晴らしい『紙の月』も日本代表として必見です。

アジアの期待の才能を集める、アジアの未来部門では、近年勢いのあるフィリピンの『雲のかなた』や、カンボジアの激動の現代史をなぞる『遺されたフィルム』などがお勧めです。この部門の日本代表である『マンガ肉と僕』の独特の世界観にも注目して下さい。

ワールド・フォーカス部門では、『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』が絶品のラブコメディーで、老若男女楽しめます。絶対に映画祭でしか見られないものが見たい、という方は、『昔のはじまり』にチャレンジしてみては? 上映時間、5時間半です!」

MOVIE|エキスパートが指南する東京国際映画祭入門 04

老若男女が楽しめる絶品ラブコメ 『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』

MOVIE|エキスパートが指南する東京国際映画祭入門 05

これぞ映画祭の醍醐味!? 5時間半の超大作『昔のはじまり』

今回お届けした矢田部氏のアドバイスをもとに、まずは映画祭の公式ホームページで上映作品を熟読の上、“国際映画祭”というあらたな冒険に足を踏みだしてみてはいかがだろうか。

次回は、10月23日(木)の東京国際映画祭開幕に合わせて、特別提供企画の「MoMA ニューヨーク近代美術館映画コレクション」にフォーカス。再びエキスパートの指南をもとに、特に注目すべき5作品を取り上げて紹介する予定だ。お楽しみに。

矢田部吉彦|YATABE Yoshihiko
フランス・パリ生まれスイス育ち。日本興業銀行(現みずほ銀行)に勤務。退職後、映画の配給、宣伝を手がける一方、ドキュメンタリー映画のプロデューサー及びフランス映画祭の運営に携わる。その後、東京国際映画祭に入り、上映作品の選定をおこなう作品部の統括を担当。同時に「日本映画・ある視点」部門のプログラミング・ディレクターも務める。映画祭の生え抜きスタッフとして、2007年から「コンペティション」部門のプログラミング・ディレクターに就任。

第27回東京国際映画祭
日程|10月23日(木)~10月31日(金)
会場|TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ 日本橋、歌舞伎座
上映部門|コンペティション、特別招待作品、ワールド・フォーカス、アジアの未来、国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA # 魅惑のタイ、日本映画スプラッシュ、庵野秀明の世界
特別提携企画|MoMA ニューヨーク近代美術館映画コレクション
※チケットは、ticket boardにて発売中
詳細は公式サイトhttp://2014.tiff-jp.net/ja/まで

           
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