伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編)

伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編)

Divine of Creation - 創造力の背後にあるもの -

スピリチュアル対談 Vol.17|諏訪綾子

伊藤嶺花が“視た”ゲストの肖像

「“いま”を生きているという幸せに導くライブ・アーティスト」(前編)

さまざまなステージで活躍するクリエイターをゲストに迎え、スピリチュアル ヒーラーの伊藤嶺花さんが、ひとが発するエネルギーを読み解くリーディングと複数の占星術を組み合わせ、クリエイターの創造力の源を鑑定。現世に直結する過去生や、秘められた可能性を解き明かし、普段は作品の陰に隠れがちでなかなかおもてに出ることのない、クリエイター“自身”の魅力に迫ります。

Photographs by SUZUKI KentaText by TANAKA Junko (OPENERS)

第17回目のゲストはフードアーティストの諏訪綾子さん。人間の本能的な欲望、好奇心、進化をテーマに、美食でもグルメでもない、栄養源でもエネルギー源でもない、あらたな食の価値を提案している。彼女の代名詞といえるのが、2006年にスタートした活動「フードクリエイション」。「そのコンセプト、胃まで届けます」というテーマを掲げ、クリスチャン・ディオールやヴーヴ・クリコなど、多数のブランドとコラボレーションをおこなっている。今年4月には、初の作品集『フードクリエイション 感覚であじわう 感情のテイスト』(青幻舎)を刊行。さらに来年の3月まで、金沢21世紀美術館で個展を開催中と、ますます精力的に活動をつづける諏訪さんのクリエイションの源とは?

能登半島の自然のなかで培われた原体験

伊藤嶺花(以下、伊藤) 作品集読ませていただきました。諏訪さんの素敵な世界にだんだんと惹きこまれていくというか、じっくりと堪能させていただきました。

「あじわう」というキーワードが何度も出てきますよね。諏訪さんはどういうきっかけで、「あじわう」という感覚に注目されるようになったのでしょうか?

諏訪綾子(以下、諏訪) わたし、いまとおなじようなことを、小さいころからやっていたんです。

伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編) 02

伊藤 へー! 早熟ですね(笑)。

諏訪 まったくおなじではないんですけど、いまと近いことをやっていて。なので最初は理性でやったというより、すごく感覚的に……。

伊藤 こう湧き上がってくる感じ?

諏訪 はい。物心ついたときには、自然とやっていたという感じなんですよね。「なんで自分がこういうことをはじめたんだろう」っていうのは、あとになって考えてみたり、答えを探っていくような感じだったんです。

だけど食べ物って、食べることもそうですけど、食べなかったとしても想像であじわったり、あじを想像したりという意味で、表現の媒体としてすごく可能性がある、ということは前々から感じていて。その可能性を追及してみたいという思いで、いま活動しています。

伊藤 じゃあ行動が先にあったという感じなんですね。感覚的というか、直感的というか。

諏訪 はい。

伊藤 そのときの感覚って、いまでも覚えていらっしゃいますか? 目の前の食べ物が気になって、思わず手に取ってしまったり、混ぜてしまったりっていう感じを。

諏訪 なんでしょう。わたしが幼いころに感じていたのは自然の驚異。石川県・能登半島の自然のなかで、野生人みたいに生まれ育ったので、周りには自然しかないという状況だったんです。ですから、その驚異みたいなものを、つねに身近に感じていたんですね。

たとえば一見すると可憐に見える花も、よく見るとなかに花粉がびっしり詰まっていてすごかったり。あちらこちらに死んでしまった虫の死骸が落ちていたり。セミの抜け殻を見たときに、その美しさと構造の素晴らしさに驚いたり……。そういうものにインスピレーションを受けて、最初は遊びですけど、いろいろ組み合わせてはお料理ごっこをしていました。

伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編) 03

伊藤 食材ではなくて、自然のなかで見つけたものを使って“料理”していたんですね。それを口にすることはあったんでしょうか?

諏訪 基本的にはなかったですね。でも匂いを嗅いだり、食材に例えて「これはあじわったら、どんな味だろう?」というのを想像しながら、ある意味あじわうような感じで作っていたのを覚えています。

伊藤 そういった幼いころの原体験が、いまのフードクリエイションの活動に繋がっているのでしょうか?

諏訪 まさにそうだと思います。フードクリエイションというのは、わたしが幼いころからずっとつづけてきた、あじわうことについての表現を形にする活動。もともと美術大学では、広告とかデザインが専門だったんです。広告なので、メッセージとかコンセプトとかテーマを、あらゆる方法で人に伝えたり、コミュニケーションする方法について学んだんですね。

ひと言で広告と言っても、グラフィックデザイン、映像、音楽、テキスト、いろいろな方法があるのですが、わたしはそのなかで食べることとか食べ物とか、あじわうという体験を通して、コンセプトを伝えることができないかなと考えるようになりました。それではじめたのが「そのコンセプト、胃まで届けます」というフードクリエイションの活動なんです。

伊藤 すごくユニークなコンセプトですよね。それは学生時代に思いつかれたことだったのでしょうか?

諏訪 卒業してからでしたね。ただ学生のころも、食材を使って表現をしたりという活動ははじめていました。

伊藤 フードクリエイションの活動には、美術館で作品を展示したり、実験的なパフォーマンスをおこなうアート的な側面と、ブランドとタッグを組んでメッセージを発信する、広告やデザインの側面がありますよね。諏訪さん自身は、アート、広告、デザイン、そのどれを作っている感覚なのでしょうか?

諏訪 アートをやろうとか、デザインをやろうとか、広告をやろうとかいう風に決めて、はじめたわけではないんです。自分のやりたいことやできること、したいことをやっていくうちに、いまのような状況になったので、そこがちょっと曖昧ではあるんです(笑)。

伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編) 04

「taste of GUCCI」 Photograph by Hiroshi Iwasaki

伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編) 05

「scent of woman」(with Christian Dior haute couture) /commons&sense ISSUE45(河出書房新社)/2013年 Photograph by Hiroshi Iwasaki

伊藤嶺花×諏訪綾子|スピリチュアル対談(前編) 06

「scent of woman」(with Christian Dior haute couture) /commons&sense ISSUE45(河出書房新社)/2013年 Photograph by Hiroshi Iwasaki

伊藤 曖昧というか、特定の分野に属されていないというか、だからこそ次々とユニークな活動に繋がっているのかもしれないですね。作品集のなかでもうひとつ印象に残ったフレーズが「失われた五感」。いまの都会生活では失われがちな五感を、食べることやあじわうことを通して揺さぶり起こすという……。

諏訪 ええ。フードクリエイションでは、コラボレーションする企業とかブランド、わたし以外の方のコンセプトを、食べ物とかあじわうことを通して伝えます、という活動を展開しています。そういう意味ではデザインに近いんです。

それとは別に、個人的な活動としてやっているのが、わたし自身のメッセージとかコンセプトを形にすること。「失われた五感」を揺さぶり起こすというのも、そのひとつです。というのも、わたしが幼いころ、感覚の赴くままに自然のものを使ってあじわいを作っていたことって、よくよく考えるとすごく原始的だなと思っていて。

いま、こういう時代に都市で生活していると、基本的にこれがなんだというのをわかったうえで、ものを食べたりあじわったりしているじゃないですか。これはどこで作られたなにで、こういう料理でという。

でも太古の人たちはきっといろいろなものを食べたと思うんです。木になっているものを採ったかもしれないし、落ちているものを拾ったかもしれないし、捕獲したものを食べたかもしれない。しかも最初にそれを口にした人は、それがなんだかわからない状況で、ときには死のリスクを冒しながら、あじわったり食べたりしてきたと思うんですね。神経を集中させて、五感を研ぎ澄ませて、あじわってきたことによって、いまの進化があると考えています。

そういうことを考えると、いまの私たちって進化の最先端にいるような気がしているけど、太古の人たちとおなじ感覚をもっているのに、使っていなかったり眠らせているんじゃないかと思うんです。わたしのこういう活動を通して、いろいろなものを食べたりあじわったり、体験する方が、自分のなかに眠っている感覚とか欲望、感情に気づくことができたら、次の進化に繋がるんじゃないかなって。そんな風に考えているんです。

ABOUT
ITO Reika

株式会社ディヴァイン代表/スピリチュアルヒーラー 服飾雑貨系の企業にて商品企画、広告宣伝、経営企画の仕事に従事したのち、天界とのチャネリングと潜在意識のリーディングをおこなうライトワーカーとして活動開始。相談内容によってヒーリングや催眠療法、複数の占星術を組み合わせた宿命鑑定もおこなっている。自由が丘にて個人セッション、満月&新月のワークショップを開催中。著書に『シンクロニシティ』、『運命好転術』、『開運ビジネス風水虎の巻』。www.divine-msg.com