Chapter 1|Audi RS6のすべて|インテリジェンス溢れるアスリート
CAR / FEATURES
2015年4月23日

Chapter 1|Audi RS6のすべて|インテリジェンス溢れるアスリート

Audi RS6|アウディ RS6

Chapter 1|Audi RS6のすべて
インテリジェンス溢れるアスリート

アウディのレーシング部門たるクワトロ社が手がけるハイパフォーマンスモデルのみに与えられる「RS」の称号。その名を冠した最新モデルたるアウディRS6とは、いかなるクルマなのか。その圧倒的なパフォーマンスの背後にある魅力を紐解く。

写真=五十嵐隆裕

世界最速のサルーン

Vorsprung durch Technik──ドイツ語で「技術による先進」を意味するこの言葉をブランドフィロソフィーに掲げるアウディ。それを裏付けるように、同社は100年にも及ぶ歴史のなかで、つねに既成概念にとらわれず、革新的なテクノロジーに果敢にチャレンジし、新しい価値を創造しつづけてきた。

たとえば、1937年には520psを発揮するハイパワーマシン「Type C」で人類史上初となる400km/hオーバーを記録。また、1980年には、量産乗用車として世界初のフルタイム4WDシステムを搭載した「アウディ・クワトロ」をデビューさせ、世界ラリー選手権を席巻する。記憶に新しいところでは、世界一過酷なレースと称されるル・マン24時間レースにおいて2006年、世界ではじめてディーゼルエンジンでの優勝を獲得。つづく07年、08年も制覇し、3連覇を達成した。

そうした100年にもおよぶ輝かしいチャレンジングスピリットの歴史を、最高のかたちで結晶化したのがRSシリーズであり、その最新モデルが世界最速のサルーンたる「RS6」だ。

最新のモードをまとったアスリート

「羊の皮を被った狼」という言葉がある。外観は地味目なデザインながら、ハイパワーなエンジンを搭載し、スポーツカー並みの走りを披露するクルマを形容するものだ。

だとしたら、さしずめRS6は「最新のモードをまとったインテリジェントなアスリート」である。なぜなら、アウディのデザインセンターが生み出したその研ぎ澄まされたフォルムはきわめてスタイリッシュで、エレガントでさえあるからだ。そして、その一級のスーパーカーをも凌駕する圧倒的なパフォーマンスを、誰もが、いついかなるときでも発揮できる懐の深さを、同車は備えているからだ。

まず、緻密に計算された曲面や直線が織りなす洗練されたフォルムは、高いデザインクオリティでカーデザイン界を牽引してきたアウディの真骨頂ともいうべきファクターだ。弧を描くルーフは流麗なクーペのような印象を見るものに与え、アグレッシブなデザインがほどこされた専用のバンパーやエアインテーク、ヘッドライト下端に沿って並べられたLEDのポジショニングランプ、そして鍛え抜かれたアスリートの筋肉のごとく力強く張り出したブリスターフェンダーは、スポーツカーのようなダイナミックな空気を醸し出す。そして、そのエレガンスとダイナミズムが、ひとつの造形として完全に調和しているのが、RS6というモデルの意匠の最大の美点である。

インテリアデザインも同様である。最上級のレザーが張り巡らされた上質な空間を、各部に配されたアルミニウムやカーボンパネルが、レーシーな雰囲気で引き締める。最高級のシルクナッパ製スポーツシートに身を委ねれば、誰もが、このクルマがもつエレガンスと、背後にあるスポーツスピリットを体感できるだろう。

圧倒的な加速性能とジェントルな立ち振る舞い

アウディRS6の心臓をつかさどるのが、5リッターV型10気筒ツインターボFSIである。アウディ史上最強のパワーユニットと形容されるそれは、最高出力426kW[580ps]、最大トルク650Nm[66.3kgm]という途方もないアウトプットを発生すると同時に、ル・マンをはじめとするレースの場で培われた直噴テクノロジーにより、高い環境適合性も誇る。また、2100kgのボディをわずか4.6秒で100km/hの世界へ導く、その圧倒的な加速性能を発揮しながらも、立ち振る舞いは極めてジェントルだ。市街地からサーキットでの走行にいたるまで、丁寧につくられた、精緻な機械のみが有する上質な手触りを、ドライバーは等しく五感を通して感じることができるだろう。

RS6がもたらすその洗練された走りには、アウディがレーシングフィールドをはじめとする最先端の場で育んできた電子制御技術も貢献している。たとえばそれは、走行状況に応じて前後輪のトルクを自在にコントロールする最新鋭のクワトロシステムであり、群を抜いた駆動力を極めてスムーズに伝達する電子制御6速ATであり、そしてアウディ独自の油圧メカニズムが組み込まれたサスペンション「DRC(ダイナミックライドコントロール)」である。

ちなみにRS6のクワトロシステムは、“非対称ダイナミックトルク配分”と「EDS」(エレクトロニックデファレンシャルシステム)との組み合わせで、580psの強烈なパワーをあますことなく路面に伝えると同時に、車両制御システム「ESP」との連携により、ウェットや荒れた路面であっても、つねに最高のパフォーマンスを発揮する。

アウディ100年の歴史がもたらすもの

一方「DRC」は、走行状態に応じてショックアブソーバーの減衰力を瞬時に変化させ、ボディの傾きを極限まで制御。あらゆる状況で最高のロードホールディング性能を約束する。また、オプションの「DRCプラス」は、「コンフォート」「ダイナミズム」「スポーツ」の3つのモードを備え、走行するステージや速度域に応じて最適な乗り心地を提供する。市街地や高速道路では極めて快適に、サーキットやワインディングロードでは、スポーツカーのようにシャープに、といった具合である。

つまりRS6は、その内外の意匠と同様に走りにおいても、エレガントな高級サルーンのごとき上質さと、スーパーカーをも打ち砕く孤高のパフォーマンスを、完璧なる調和のもとに両立させた、インテリジェンス溢れるアスリートのごときサルーンである。そしてそれを可能たらしめているのは、アウディが100年という歴史のなかで蓄積してきたテクノロジーであり、つねに既成概念にとらわれず、新しい価値を創造しつづけてきた同社の「Vorsprung durch Technik─技術による先進─」という企業哲学そのものなのである。

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Audi RS6|アウディ RS6
ボディ|全長4930×全幅1890×全高1455mm ホイールベース2845mm
車両重量|2100kg
エンジン|4991cc V型10気筒DOHC ツインターボ
最高出力|426kW[580ps]/6250-6700rpm
最大トルク|650Nm[66.3kgm]/1500-6250rpm
駆動方式|フルタイム4WD
トランスミッション|電子制御6速AT(ティプトロニック)
最高速度|250km/h(リミッター作動)
0-100km/h加速|4.6秒
価格|1645万円

アウディコミュニケーションセンター
0120-598106

伊勢丹新宿店メンズ館にて、アウディのレーシングテクノロジーを
結集したスポーツサルーン、Audi RS6を展示します。
この機会に、孤高のパフォーマンスをエレガントな装いで包み込んだ、
同車の魅力に触れてください。

展示期間|10月28日(水)~11月3日(火・祝)10:00~20:00
場所:伊勢丹新宿店メンズ館入り口前

           
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