FERRARI 458ITALIA|新世代のV8フェラーリ、ヴェールを脱ぐ
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2015年2月27日

FERRARI 458ITALIA|新世代のV8フェラーリ、ヴェールを脱ぐ

FERRARI 458ITALIA|フェラーリ 458イタリア

新世代のV8フェラーリ、ヴェールを脱ぐ

フェラーリはフランクフルトモーターショーにおいて、ニューモデル「458イタリア」の実写を初公開した。

文=ジラフ

0-100km/h加速3.4秒、最高速325km/h

この「フェラーリ 458イタリア」は、エンジンをはじめエアロダイナミクス、ハンドリングなどすべてを完全新開発したロードゴーイングカーで、現行モデルであるF430クーペの後継モデルとなる。

搭載されるエンジンは、伝統のV8ベルリネッタ。フェラーリのミッドシップモデルとしては初の直噴ユニットが採用され、4499ccの排気量から570ps/9000rpmの最高出力、55.1kgm/6000rpmの最大トルクをたたき出す。1リッターあたりの最高出力は127psと世界トップクラスの数値を誇るが、直噴化によって環境性能も向上。欧州複合モード燃費では7.3km/ℓ、CO2排出量は320g/kmを達成している。

トランスミッションにはアルミ素材を積極的に使った、7速デュアルクラッチ2ペダルMTの「F1マチック」を採用。パワフルなエンジンとのマッチングで、0-100km/h加速3.4秒、最高速325km/hというパフォーマンスを実現している。

200km/h走行時に140kgのダウンフォース

サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンクを採用。電子制御デファレンシャルの「Eデフ」と車輌姿勢制御システムの「F1トラック」を組み込むことによって、快適な乗り心地とクイックなステアリングレスポンス、そして優れたコントロール性を高い次元で実現している。

ボディサイズは、全長4527×全幅1937×全高1213mm。F430クーペと比較すると15mm長く、14mmワイドで、1mm低い。ホイールベースは2650mmで、F430から50mm延長。

スタイリングはピニンファリーナが担当し、F1で培ったノウハウがそのデザインにあますことなく注入されているという。その結果、エアロダイナミクスは大きく向上し、フロントノーズの小型ウイングレット、アンダーフロアのフラット化などから、200km/h走行時には140kgものダウンフォースが生み出されるという。

この 「フェラーリ 458イタリア」。実車は初公開ということもあり、会場に訪れた人びとの注目度も高い。

BRAND HISTORY
“カヴァリーノ・ランパンテ”、日本では“跳ね馬”と称されるエンブレムに胸躍らせるファンは少なくない。サーキットではその激しい走りに観衆は熱狂し、ストリートでは端麗なシルエットと甲高いサウンドで人々を魅了するクルマ、それがFERRARI(フェラーリ)だ。F1、市販車のいずれにおいても、スピードを極めるこのブランドは、創業者であるエンツォ・フェラーリの情熱がいまなお強く息づいている。

1898年にイタリアのモデナで生まれたエンツォは、10歳のときボローニャで見たレースに感激し、いつしか自分もレーシングドライバーになろうと思うようになる。一途な思いは着々と実現へ向かい、1920年、エンツォはついにアルファ・ロメオのテストドライバーとなった。そして、同じ年のタルガ・フローリオではアルファのドライバーとして参戦、見事2位の記録を残している。

しかし、やがてエンツォの興味はレーシング・チームを運営することへと移り、1929年にスクーデリア・フェラーリを立ち上げて、アルファのレース活動を引き受けることに。その手腕を発揮するにもかかわらず、1939年にはアルファとの関係は解消され、第二次大戦後の1947年、自前のV12エンジンを積む「フェラーリ125」を引っさげてレース活動を再開。ここからスポーツカーブランドとしてのフェラーリが歩みはじめた。

その後、フェラーリはフィアット傘下に入り、現在はフィアットグループの会長を兼任する社長のルカ・モンテゼーモロのもとで、ブランドの魅力を高め続けている。ラインアップは、V12エンジンを積む「599」と「612スカリエッティ」、V8のミドシップスポーツ「F430」「F430スパイダー」、そして、スポーティさを極めた「430スクーデリア」の5モデルである。

           
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