カキツバタの「め」 第二回 「続・暦作成委員会」
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2015年5月15日

カキツバタの「め」 第二回 「続・暦作成委員会」

第二回 「続・暦作成委員会」

東京・中目黒にあるインテリアショップ『燕子花』による新連載【カキツバタの「め」】。
今回は、燕子花・別館にて4月5日に行われたギャラリートーク、「続・暦作成委員会」をご紹介します。

文=白水由紀子(燕子花)Photo by Jamandfix

「今年の『暦ちゃん』発売までに話たりないこと、加筆したいことがまだまだあった」

昨年よりはじまったギャラリートーク「暦作成委員会」は、浅草文扇堂の扇師・荒井修氏、クリエーター・いとうせいこう氏、文字プロ・橘右之吉氏のお三方が暮らしとともに伝承されてきたこと、また各地で見聞きされた情報や知識をふくめ、口頭伝承として多くの方に伝えつづけたい日本の暦とときの移ろい、風土に添った四季の恵みまでを楽しく、面白く、2時間にわたりお話してくださる会です。

昨年末に販売した日めくり読みもの「暦ちゃん」も、この会で1月から12月までお話いただいた内容をもとに、それぞれのお話形式のままをしっかりと文字に残したうえで、さらに多くの方々に読んでいただきたいと制作をした日めくり本なのです。

そのお三方の楽しいお話をまだまだ聞きたい、知りたいと多くのリクエストを受け、現在「続・暦作成委員会」と題して都度、テーマを決めたお話会をつづけています。なかでも江戸っ子気質でせっかちな荒井氏に「今年の『暦ちゃん』発売までに話たりないこと、加筆したいことがまだまだあった」と申し出ていただいたため、このたび1月から今までに出てきていない暦のお話をしてくださいました。

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「一富士・ニ鷹・三茄子」のつづきはご存知ですか?

内容は一部だけをご紹介させていただきます。

昔は、お正月のお年玉に扇子を配る風習があった。
扇子は末広がりとしての縁起物であり、よっぽど親しくなければ会わないままのため、正月の2日ごろから、新年の挨拶まわりに行く際は、謹賀新年の名札に扇用の櫛があり、扇子をさして帰った。
初夢の縁起物とされる、「一富士・ニ鷹・三茄子」には、「無事・高く上がる・成す」という意味がある。そのつづきが、「四扇・五煙草・六座頭」となり、「末広がり・(煙が)上がる・茄子(座頭の髪を刈ると茄子の頭に似ていることから)」となる。
さらに見立ての意味では、一から六までを「富士=扇=末広・鷹=煙草=高く・茄子=座頭=成す」とおなじ意味にて数字の“三”をもとに繰り返した。
“三”は、奇数の最初の数字で、割れない数字であり(縁起)、繰り返すことによりもとに戻り、またはじめからとなるとのことでした。

1月の話より再スタートする予定だったのですが、いつもながらのこの会、話し好きなお三方が、いろいろな方向に話を広げたり、戻ったり、膨らませたり、江戸にタイムスリップしたりで、結局どこまで進んだのかはわからないけれど、2時間を存分に笑わせていただきました。

「続・暦作成委員会vol.4」
次回は、5月10日(日)、要予約
となります。

kakitsubata
東京都目黒区青葉台2-16-7
12:00~19:00
火曜休
※開館時間、休館日は企画展の内容により変動もあり
Tel. 03-3770-3401
www.kakitsubataweb.jp

           
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