第9回 パトリック・コックス×加藤博照 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」を語る(後編)
Fashion
2015年3月9日

第9回 パトリック・コックス×加藤博照 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」を語る(後編)

第9回 新作ジュエリー「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」を語る(後編)

パトリック・コックス×加藤博照
「エディットする新ブランド」

日英、ふたつの才能が、強力タッグを組み、この春デビューさせたジュエリーブランド 「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」。
対談の場所が青山『Ao(アオ)』1階のパトリック・コックス青山店に移動しても、パトリック・コックスと加藤博照は熱心に語り合う。

Photo by Jamandfix

ファッションのセカンドジェネレーションを超えた店とは

パトリック 日本には、かれこれ40回以上来ているけど、いつも来るたびにショックを受けているよ。
もう、ちがう惑星に来ている感じ。加藤クンは、そんな惑星にいる宇宙人みたい(笑)。

加藤 今回は、どこが気になりました、東京の?

パトリック セカンドジェネレーションであるアンダーカバーやエイプも、すでに落ち着いた感じだよね。
そんななかで、一番気に入ったのが青山にある「リカー、ウーマン&ティアーズ」。
ああいった、ヒップホップとラグジュアリーが混在した店って、ロンドンにはないし。
友人でもあるエルトン・ジョンの誕生日プレゼントにサングラスを買ったし、今回の来日中だけでも3回も行った(笑)。

加藤 あっ、僕も、あの店好きです。

パトリック あと、僕の店が、僕が好きなエリアである青山にできたってことがうれしかった。
新しいチャレンジがスタートした、そんな感じでワクワクしているよ。

加藤 そのスタートに、僕が関われたことは、とてもうれしいし、頑張りがいがあります。

nineSIXty 加藤博照 Photo02

nineSIXty 加藤博照 Photo03

もう愛着が沸くモノしかつくりたくない

加藤 今後は、パトリックさん自身、どんなデザインをしていきたいですか?

パトリック 今までは、靴やジュエリーや服などをデザインしてきたけど、今後はライフスタイル全般をデザインしていきたいね。ファッションって、すごい勢いで変わっていくものだけど、そんななかでもパーマネントなものをデザインしていきたいな。

加藤 僕も同感です。流されるものじゃなくて、永遠のものをデザインしていきたいです。
そういう意味で、レザーって素材は、大切にしてもらえば、何代にも渡って受け継がれていくものだし、大切にされなければ朽ちていくもの。いわば使うひとの気持ち次第でどうにでもなっちゃう。僕は、その大事にされるものをつくっていきたいな、と。

パトリック そうだね、レザーって、使い手によって、いい味に変わっていくから、いいよね。
僕自身、自宅は、アンティークで味のあるもの、たとえば1950年代のムラノガラスやナポレオン時代の家具がミックスしているんだけど、やっぱり使い手、選び手によって味になり、変化していく。いわば編集し直している、って感じ。

加藤 今回、新しく誕生した「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」は、そんな僕らのアイデアを編集したモノ、だと思いますね。それも、ずっと使い込んで味の出ることを想定して。

パトリック もう、モノが溢れているからね、とくに東京は。
だからこそ、愛着が沸くモノしかつくりたくない。

加藤 その通りですね。そんな気持ちをお互い大事にしながら、いいコラボレイトを今後もつづけていきたいですね。

パトリック でも今度は、遅刻しないでね(笑)。

加藤 スミマセン……(笑)。

PROFILE
PATRICK COX

1963年カナダ生まれ。1983年にロンドンに移り、コードウェイズ・テクニカル・カレッジで靴デザインを専攻後、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ジョン・ガリアーノの靴コレクションをコラボレイトしはじめる。
1983年より自身の名前を冠したブランドをスタート。1994年、1995年には英国ファッション協会より、“Accessory Designed of the year”賞、1996年にはニューヨークで“Fashion
Medal”賞など数々の賞を受賞する。
1998年バッグ・ジュエリーの日本での展開を開始し、この春、加藤博照とのジュエリーコラボ「nineSIXty LUXES×PATRICK COX」をスタート。

パトリック・コックス青山店
東京都港区北青山3-11-7 Ao1F
Tel. 03-6427-9335
11:00~21:00 不定休

パトリック・コックスの世界初となるニューコンセプトショップには、バッグ、革小物、アクセサリーが揃う。
ショップデザインは、近年数多くの賞を獲得し、米誌『I.D.magazine』で「世界の新進気鋭デザイナー40人」に選出されるなど、海外からも高い注目を集めている建築家の大野力氏を起用。

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