第2回 山形県のシューズ工場にて
Fashion
2015年5月20日

第2回 山形県のシューズ工場にて

第2回 山形県のシューズ工場にて

ボタニカでは来秋冬用にレザーのサンダルを作っていますが、それ以外は皮革を使用していません。
今回もシューズに限っては食用副産物としてのレザーなら使用しようと思っていました。
工場の人にお聞きしても元来食用なのか確認がとれなかったので、牛などの年齢を聞きました。
デザイナーなのに無知だったのは、僕はキッドレザーがそんなに若い牛だとは知りませんでした。
またハラコがどのように作られるかにいたっては、話を聞くうちに涙がでてきました。

やはり止めました。レザーはすべて。

そもそも食用の副産物などといっていること自体、命を工業製品のようにとらえているということです。
しかし靴の製作は型にはめてソールにつく部分を延ばしたりなど、元来皮を前提に作られているので、レザーを使わないのは本当にハンディーがあります。
でもそこを工夫することで皮を使用しないことが新しいデザインにつながればとも思っています。

あらゆる生き物や土壌を害さないもの作りとは難しいものです。逆にいえば人が生きるとは今まで多くの犠牲の上に成り立っていたということです。

でももう今のテクノロジーや創意工夫、先人の智恵を総動員すれば、人間は他者を利するものになれる気がするのです。
すべての生き物の父であり母であるが如く。

つづく

           
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