第7回目は「CAUSE」のモノづくり
Fashion
2015年4月9日

第7回目は「CAUSE」のモノづくり

第7回目は 「CAUSE」 のモノづくり

「CAUSE」の春夏コレクションが店頭に並んだと思ったら、秋冬コレクションの展示会が始まりました。
今回もいつも通り、代官山のスペースで3日間行いました。ご来場いただいたみなさんありがとうございました。

生活のなかでのデザインと機能性
「CAUSE秋冬コレクション最速レポート」

最近は、年2回のコレクションに特別なテーマは設定しませんが、ブランドとして大切にしているのは機能性やディテールの追求とクオリティだと思っています。

まずデザイン面では 「履きやすいこと」 を第一に考えていて、機能的なモノづくりに徹底しています。ブーツなら後ろにジッパーをつけて履きやすさを提案していたり、素足にやさしいソフトレザーを使ったりして、服との相性やバランスなども大切に考えています。

「CAUSE」 秋冬コレクションより。良質なスエードとパンチングレザーのコンビネーションを採用。CAUSEオリジナルソールは軽量で、日本人の木型に合ったワークブーツ。日本製

たとえば、家電製品や家具、建築物などのプロダクトデザインを見るのが好きなんですが、家具に合うルームシューズとか、移動用のトラベルシューズも実用性を追求して、生活のなかで必然的に欲しいなと思う場所でアイデアを模索してゆきます。

ワークブーツでもタウンユースという目的を突き詰めて考えれば、軽い方が断然履きやすい。本格的なつくりばかり追求すると、履く目的とは明らかに矛盾してしまいます。
そこを機能性でクリアしたい。軽量でもきちんと踝(かかと)でのホールド感を向上させるとか、履きやすさの目は行き届いています。

キャンバス素材にオリジナルプリントを施し、スエードとスムースレザーのコンビネーションを取り入れたハイカットスニーカー。日本製

良質なスエードを採用し、軽量で履きやすいワラビータイプのブーツ。日本製

シンプルなものが難しい

シンプルなものが好きなんですね。でも、それがいちばん難しい事だと思います。
シンプルなものは構造やバランスが難しいけどそれを考えるのが楽しいですね。

デザインはイラストレーター(PCソフト)で行います。基本的には工場とメールのやり取りで進行しますが、説明が足りないときは出かけて職人さんと話し合います。

ファーストサンプルができてきて、デザイン画では表現しづらいステッチの太さなどの雰囲気や風合いを整えていって、セカンドサンプルを作成してゆきます。

カムフラージュ柄に星型のプリントを施し、サイド部分のゴムが特徴的なローカット。日本製

エクセレントスエードを使用し、オリジナルソール&日本人の木型で履き心地の良さを追求したデザートブーツ。日本製

それで良いなら展示会に並べますが、納得できないものは次の展示会までまた考え続けます。

靴を手がけ始めたときは疑問ばかりでスタートして、試行錯誤していました。製作したいという強い意欲があった事で続けて来られたと思います。
立体と耐久性を兼ね備えたデザインワークなのでとても難しく、また難しいからこそやりがいがあると思っています。

キャンバス素材にオリジナルプリントを施し、サイドのステッチとゴムのシームラインが特徴的なローカット。日本製

最近やっと靴が馴染んできたように思います。
ルームシューズからブーツまでいろんな靴を解体して研究してきて、そのなかで日本人としてのスタンスで、何を取り組めるのだろうと思っています。

海外の文化や伝統と、日本の工場や職人の力が掛け合わさったらもっと新しい物が生まれると思うので、現在はそれらを意識してデザインに取り組んでいます。

今回紹介した「CAUSE」秋冬コレクションは8月から徐々に店頭に並びます。お楽しみに!

           
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