第3回 吉川あずささんとnine SIXtyを語る
Fashion
2015年3月12日

第3回 吉川あずささんとnine SIXtyを語る

nineSIXty 加藤博照

第3回 吉川あずささんと nine SIXty を語る

nine SIXtyの加藤博照さんの奥様である吉川あずささんは、さまざまなファッション誌やCMなどで活躍されている人気モデル。
今回はジュエリーを通じてのお二人の出会い、さらにあずささんと共に製作するジュエリーブランドについてお話いただきたいと思います。

文=佐藤太志(グリンゴ)写真=鵜沢ケイ

オーダーリングが二人の縁でした

──まずお二人の出会いについてお聞かせください。

加藤博照 雑誌『LEON』編集長代理の島田 明さんのご紹介です。もともと島田さんがnine SIXtyのリングを気に入ってつけていらして、そのリングを見たあずさがひと目で気に入って……。それで、一緒に食事する機会を設けてもらいましたが、じつは私遅刻しちゃったんです(笑)。

吉川あずさ そうなんですよ。時間にルーズなのは私の仕事的にもちょっと許せなかったので、第一印象は最悪だったんですけど(笑)。
ちょうどそのとき、私のお友達数人の誕生日がちかくて、プレゼントとしてnine SIXtyのリングをオーダーできたらなと考えていて。数にして6~7個。数が多いし、時間的な余裕もなかったので、ワンドットタイプのリングをベースにカラーなどを相談して決めました。

加藤 納期が結構短くてびっくり。徹夜で製作しました(笑)。

吉川 友達みんなに雑誌の取材のふりをしてアンケートメールを流して、ファッション観に関する質問のあいだに「いま、新しいリングを付けるとしたらどこの指?」「その指のサイズは何号?」みたいな質問をはさんだりして、それぞれのサイズと好みなんかを把握して。それでもカラー選びは悩みましたね。
結局、友達みんなにすごく喜んでもらえて、とてもタイミングがよかったなと。このリングのオーダーがあって連絡を取り合うようになったんです。

加藤 当時、私のアトリエは両国にあったんですが、あずさが仕事場に遊びに来たりすることがよくありました。

nine SIXtyでは、マリッジリングなどもオーダーできます

アトリエで素直に感じたことは……

吉川 私はもともと服飾関係の大学で学んでいて、じつは洋服などを製作する側の仕事がしたかったんです。だからモノづくりをしている人にとても興味があって。
仕事柄、ジュエリーはよく目にしているので、実際に普段身に付けることも多く、とても好きなアイテム。「お仕事してるところはどんな感じなんだろう?」 という思いから、アトリエに遊びに行くようになりました。
製作道具を見たりすると、当然なんですが「この人ちゃんとつくってるんだな」と思って(笑)。まわりにモノづくりに携わっている人は多くいるんですが、実際の製作現場を見たのははじめてで、素直に「すごい!」とも思いました。

加藤 遊びに来ているというか、弟子入りというか(笑)。そのうち「こういうのをつくって欲しい」っていうデザインをスケッチブックに描いて見せてもらうようになりましたね。

吉川 私、あんまり絵はうまくないんですけど、彼は私が欲しいデザインを汲み取ってくれるのがとても上手。平面的なイメージだったものを立体的に作り上げてくれ、自分が考えていたものがカタチとなって現れたのははじめてで。完成したときはほんとに驚いて、感動しましたね。とてもうれしかったですし。

加藤 あずさが話した内容や、スケッチなんかの断片をいくつも重ねていくような感じでイメージをつくり上げていき、最終的にそれをジュエリーとしてのカタチとして生み出します。
彼女がアトリエに遊びに来たあるとき、ブレスレットが欲しいと言っていて、どんなデザインのが欲しいのかなどディテールについて話しながら、その場でブレスレットを製作したこともありました。簡単なものなら2時間ぐらいでできるので。

吉川 ライブみたいな感じだったよね。

nine SIXty の作品より

吉川あずささんのデザインを展開する新ブランド

――そういった製作の場におふたりでいられるとき、とくにあずささんが勘がいいとか、波長が合うとか感じられたことはありますか?

加藤 ありますね。モデルの仕事を通じてものすごくいいものをたくさん見てきているので、ジュエリーに対する考え方がやはり違う。新しく製作したデザインは、まず誰よりもはじめに彼女に見せるようにしています。あずさ用に試作品をつくってみたりとか。

吉川 いずれ私自身もデザインできたらなと考えてます。

加藤 いま僕の考え方で製作しているのがnine SIXtyというブランド。今度はあずさが考えているものをカタチにできればいいなと考えていて、nine SIXtyとは別なステージで表現したいと思ってます。

吉川 考えているのは、やっぱり女性用ですね。自分のつけたいと思うような、シンプルな考え方からスタートしたい。もともと、革紐やビーズとかのパーツでつくる簡単なアクセサリーはよく自分でもつくっていて、たとえば「今日のコーディネートはなんかさびしいな」って思ったら、出かける前にその場で単純なものをつくって、それをつけていったりしていました。つくるのがとっても楽しくて。

加藤 あずさが考えてきたデザインをスケッチブックなどで僕がチェックし、手直ししたりして試行を重ね、よりよいデザインに絞っていく感じで製作しています。僕自身、女性の考え方をトレースしたりすることで勉強になることも多いですね。

nine SIXty の作品より

――ブランド名などはもう決まっているんでしょうか?

吉川 まだ内緒です(笑)。ね?

加藤 じゃあ、打ち合わせしましょうか(笑)。

――どうもありがとうございました。吉川あずささんデザインの新ブランド披露が楽しみです。近日中にオウプナーズで報告したいと思います。

nine SIXty

           
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