マリー・アントワネットに捧ぐ(2)
Fashion
2015年5月20日

マリー・アントワネットに捧ぐ(2)

マリー・アントワネット生誕250周年を記念して

12人の新進デザイナーによるドレスを紹介(2)

映画『マリー・アントワネット』© 2005 I Want Candy LLC.

──(1)の「Lutz(ルッツ)」に続いて、お気に入りはどれですか?

島津:映画の中の衣装もミントカラーのドレスが登場したりかなり現代的な解釈なんですが、リアルクローズという意味では、「ロバート・ノーマンド」のドレスは面白いですよ。装飾がカラーコピーで作っていて、フェイクなアイデアがすごく可愛い。

──カラーコピーなんですか。

島津:あと好きなのは、「レベット・バイ・ヴェロニク・ブランキーノ」ですね。レベットはシャルロット・ゲーンズブールやカトリーヌ・ドヌーヴも愛用していたセクシーな靴を作るバレエ用品メーカーで、そことヴェロニク・ブランキーノのコラボレートから生まれたブランドなんですが、どこか東京っぽいですよね。ニットのコルセットはジーンズの上とかに着こなせる感じです。

──2007年はマリー・アントワネットで盛り上がりそうですね。

島津:この映画はベルサイユ宮殿を借り切って撮影しているのでロケーションもすごいですよ。こういう映画を撮れるソフィア・コッポラは幸せ者ですよね。

──では、残りの6体をどうぞ。

「Robert Normand(ロバート・ノーマンド)」
純粋さ、ブロンド色、フレッシュで甘美なイメージ…。小さな集落の素朴さと、その反対にあたる彼女の没落を早める結果になった有名な首飾りの狂気じみた精巧さとの間の、ドラマティックなコントラストが好きだ。photo by Jamandfix

「Repetto by Branquinho(レペット・バイ・ブランキーノ)」
マリー・アントワネットが着ているのは、現代的なニットのコルセットに、マスキュリンなイメージのウールとレースをミックスしたスカート。photo by Jamandfix

「Gustavo Lins(グスタボ・リンス)」
フランスの女王、マリー・アントワネットは日本からの要人の訪問を待っている。それはフランスの服と“キモノ”の決まりを合わせたような王宮での服を、ローズ・ベルタンが作るのではなく、王の仕立屋に依頼するという名誉を与えるためである。邪魔になるような襟を後ろに返したような(歴史の皮肉)王様のギャッドローブにインスピレーションを受けた服を着るという考えをとても気に入っている。photo by Jamandfix

「Melodie Wolf(メロディー・ウルフ)」
マリー・アントワネットのドレスを作るにあたり、私はどのようなシルエットにすべきかはすぐに頭に浮かんだ。2006/07秋冬コレクションで発表したクロシェのモデルを発展させたもので、体の線が見える短いドレス。“ヤ・ラー”と呼んでいるクロシェで、ボリューム感を出した。このドレスには“偽物のお尻”のような印象を与えたかった。それがマリー・アントワネットのモダンで詩的なイメージを伝えるデザインだと思った。photo by Jamandfix

「Adam Jones(アダム・ジョーンズ)」
マリー・アントワネットが、ヴェルサイユ宮殿の夏の庭を散歩する姿を想って。そよ風のように軽く、淡いライラック色の羽根のようなオーガンジーを使って…。photo by Jamandfix

「Gasperd Yurkievich(ギャスパー・ユルケヴィッチ)」
黒のジャージドレス、デコルテに羽根を付けたもの、チェーンやボンボンが付いた金の飾り紐…。マリー・アントワネットが、私の2006/07秋冬コレクションの中から選んだであろう服を提案したかった。photo by Jamandfix

映画『マリー・アントワネット』

最も愛され、最も憎まれた、世界一有名な王妃マリー・アントワネットに、新たな光をあてた物語。

2007年1月20日(土)、日劇3ほか全国ロードショー
原題:Marie Antoinette/アメリカ・フランス・日本合作/カラー作品/ビスタサイズ/上映時間:2時間3分/字幕翻訳:松浦美奈
提供:東北新社・東宝東和/配給:東宝東和・東北新社
公式サイト:MA-movie.jp

           
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