♪1 PUNK ROCK LIFE
Fashion
2015年5月20日

♪1 PUNK ROCK LIFE

写真集『Sex&Seditionaries』

島津由行 Photo01

PUNK LOVER!

──面白い本が発売になるそうですね。

島津由行 まだ実物はないんですけど『Sex&Seditionaries』という写真集です。

──おっ、パンクですか。

島津 Vivienne WestwoodとMalcolm McLarenが1972年から1979年頃までにデザインしたアパレルとアクセサリーをはじめとする独自のコレクションをまとめた写真集で、初版は通し番号付きの箱入り限定版500冊のみです。

──世界中で500冊?

島津 日本では税込6万3000円らしいです。まだどうやって売るか、何冊が日本に入荷するのか正式には決まってないみたいですけどね。

Sex Pistolsのファーストアルバム

──島津さんは関係しているんですか?

島津 これの著者のPunkPistolって人は、ヴィヴィアンとマルコムのブランド「Let it Rock」「SEX」「Seditionaries」「WorldsEnd」のコレクター兼ディーラーで、確かキュレーターもしていて、出版の企画段階で相談されたんですよ。それで僕が彼から買ったこのパラシュートシャツ(写真上)も含めて何点か写真集に出てるんです。

島津由行×オウプナーズ

© Sex&Seditionaries

──すごいですね。

島津 上のパラシュートシャツは、SIOUXSIE AND THE BANSEESのギターのスティーブが持っていた1977年のもので、「SEX」と「Seditionaries」のダブルネームという珍しいアイテムです。情報によるとこの写真集の序文はマルコム本人が書いているそうですよ。

島津由行×オウプナーズ

© Sex&Seditionaries

──島津さんはパンクど真ん中なんですか?

島津 Sex Pistolsのファーストアルバム『Never Mind the Bollocks』が発売された77年が高2ですね。熊本にいて、ロンドンで今何が流行っているかという情報は『ミュージックライフ』とか、西新宿のレコード屋のカタログからでした。「パンクというのが盛り上がっているらしい」とか。ブランド「Seditionaries」を知るのもちょうどその頃でしたね。

島津由行×オウプナーズ

© Sex&Seditionaries

もちろん熊本には売ってません(笑)けど。実際に着たのは東京に出てからです。

ヒッピー文化やパンク精神は“アティチュード”なんだ

──パンクのどんな部分に惹かれたんですか?

島津 ちょうど高校生で、詩人のアレン・ギンズバーグとかジャック・ケルアックとかのビートニクスの文学と出会って、真剣に「これから先の時代はどうなっていくんだろう?」とか「世の中って実は全部ウソなんじゃないか?」とか高校生なりに考えるわけですよ。

そういう時に詩人の存在を知ったり、その詩を読んで、ヒッピー文化やパンク精神というのは“アティチュード”なんだとわかるわけです、“型”というか“武装”というか。

若いときにそういうものに触れたので、そのパンク精神は音楽にはもちろん、芸術にも、ファッションにも感じることができて、世の中の決まったことに対して、「なんで?」って立ち向かえた時代だったんでしょうね。だから見たこともない服に惹かれたんでしょうね。概念をひっくり返されたというか。

島津由行 Photo05

──この「Perv」のTシャツもパンキッシュですね。

島津 これは「Let It Rock」のチキンボーンのTシャツで、sex、fackと並ぶ有名なメッセージです。僕はfackを持ってます。

──リアルタイムで着ていたのは?

島津 当時、原宿の赤富士に「SEX」の黒のボンデージパンツが売っていて、それは東京で履いてましたね。当時で5~6万円だったと思います。日本ではPLASTICSの佐藤チカさんや中西俊夫さんが「Seditionaries」をよく着ていましたね。Melonになってからは「WorldsEnd」をよく着ていた記憶があります。

島津由行 Photo06

島津由行×オウプナーズ

© Sex&Seditionaries

──「WorldsEnd」は売れたんですよね。

島津 本格的なアパレルブランドになったのが80年にスタートする「WorldsEnd」からで、パリコレにも進出したんですよ。81年にパリコレでデビューしたとき、僕はフィッターで実際に手伝っていました。

島津由行×オウプナーズ

© Sex&Seditionaries

──じゃあヴィヴィアンに会っているんですか。

島津 そのとき初めてヴィヴィアンにもマルコムにも会ったんですが、当時、キース・ヘリングのプリントをモチーフに使ったアイデアや、ショーの構成には感動しましたね。

島津由行 Photo09

to be continue……♪2

           
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