三原康裕「オウプナーズ宣言」
Fashion
2015年3月9日

三原康裕「オウプナーズ宣言」

三原康裕「オウプナーズ宣言」(1)

このたびオウプナーズでスタートする三原康裕さんの新連載"MEANING MADE IN JAPAN MIHARA YASUHIRO"は、
世界的ファッションデザイナーである三原さんが日本の優れた職人やファクトリーを訪ねてリポートし、
その出会いから生まれるメイド・イン・ジャパンをオウプナーズと連動するショッピングサイト"rumors"と"SOSU MIHARA YASUHIRO"で限定販売する画期的なコラボレーションの連載です。

本格的なスタートを前に、連載への思いを三原さんに語っていただきました。

構成=竹石安宏(シティライツ)Photo by JAMANDFIX

rumors|通販サイトへ

日本人は勤勉で真面目であり、
だから良いモノがつくれるとよく言われるが、
果たして本当にそれだけなのか

――連載タイトル"MEANING MADE IN JAPANA MIHARA YASUHIRO"についてお聞かせください

“MEANING”という言葉を使ったのは、メイド・イン・ジャパンの意味を再認識したいと思ったからです。
欧米のブランドや中国からの安価なものなどインポート製品が大量に輸入されるようになった現在、付加価値として逆に日本のモノ作りが見直されることも多くなっていますが、その現場まで足を運んで紹介されることはまだまだ少ないと思います。

僕のような立場の人間はもちろん現場にある程度行きますが、一般の方々にもぜひ見てほしいし、僕自身ももっと見てみたい。
そしてメイド・イン・ジャパンの意味をもっと知ってみたいんです。

日本人は勤勉で真面目であり、だから良いモノがつくれるとよく言われますが、果たして本当にそれだけなのか。
もっと別の精神的な面だったり、仕事の姿勢だったり、言葉が通じるゆえに解り合える感覚があるのではないか。
毎回ではないかもしれませんがこの連載のための製品を企画し、モノづくりを通してそんなメイド・イン・ジャパンの本当の意味をみなさんに知ってほしいと思っています。

――この連載企画を思いついたキッカケのようなものはあったのでしょうか

ひとつの例ですが、あるときイタリアにすばらしいニットの工場があると聞いて、仕事を依頼するために現地へ行ったことがあったんです。
でも、そこで実際に見てみたら、編機は日本製のもので、シルクの糸も日本製だった。
もちろん技術者や職人さんの経験、実力の差もあると思いますが、メイド・イン・イタリーのなかにもこうした製品は少なくありません。

このような海外での経験から、日本のモノづくりを見つめ直したいと思ったのは確かですね。
だからといって、日本と海外、どちらが良いという尺度ではなく、イタリアにはイタリアの、中国には中国の良さがあると思っています。
そして日本にも独自の良さというものがあり、見落としている部分も多いと思う。
僕が知りたいのはそういった部分なんです。すべてメイド・イン・ジャパンがすばらしいと思っているわけではないし、日本ならではの良い部分を探り出し、伝えていければいいなと思っています。

――連載を通して今後さらに探求されていくと思いますが、日本のモノづくりならではの良さとはなんでしょうか

やはりモノづくりに対する謙虚さだと思います。
これまで日本の職人さんと仕事をしていて、仕事ぶりを自慢されたことはあまりなかったんですね。
その一方海外では、自己をアピールする国民性もあると思いますが、自慢されることが多いんです(笑)。
そこにはある種のエゴを感じるし、それが製品に出たモノは好きではないですよ。

逆に日本の職人さんがサラリとつくったモノには、謙虚さが表れており、すごくいいなと感じるんです。
高度なテクニックを使っていながら、それを気付かせないようにモノをつくるのは難しいはずだし、すばらしいことだと思います。
そういった職人さんの謙虚さはカッコいいなとも思いますね。

――そういった日本のモノづくりはどこから生まれたのでしょうか

着物などの伝統工芸品は別ですが、風土だけが育んだものではなく、やはり人が育んだものだと思います。
この連載で紹介していくメイド・イン・ジャパンは、日本という国ではなく、日本で育った日本人がつくるモノという意味になるでしょう。

――連載を進めるにあたり、現場には毎回足を運ぶ予定ですか

モノをつくる際も、見に行くと現場の人にはイヤがられたりするんですけどね(笑)。
でも、たとえば短距離走が得意な人に長距離走をやらせてもダメだし、バレエが得意な人に社交ダンスをやらせてもダメなように、同じジャンルの工場や職人さんだったとしても、話しをしていくうちに「この人は短距離が得意なのかも」とか「ひょっとしたらこの人はブレイクダンスが好きなのかな」というように感じることがあるわけです。
それによってデザインや進め方も変わってくるんですよ。
ミシンなどの機械を介すにしても、やはり人間同士で考えあい、コミュニケーションしながらつくるモノですからね。
やはり会ってみなければ分からない部分がある。電話一本でモノが作れる時代なのかもしれませんが、それはちょっとおかしいと思います。

           
Photo Gallery