PAPIER LABO|パピエ・ラボ
Design
2015年4月9日

PAPIER LABO|パピエ・ラボ

PAPIER LABO|パピエ・ラボ
活版再生──紙にまつわる実験的ショップがオープン

千駄ヶ谷で活版印刷サービスをおこなう「PAPIER LABO」は、アナログでありながらもこれまでにない画期的なショップ。活版職人による、デジタルでは味わえないすばらしい印刷物をオーダーすることができる。

文=加藤孝司

活版印刷の新たなる可能性を探る

千駄ヶ谷の裏道に紙をめぐる小さなお店がオープンした。白いカウンターと白い棚の設けられたこのショップはPAPIER LABO(パピエ・ラボ)といい、紙好きの若手クリエイター3人が中心となって運営されている。紙の質感がさえた古い書籍や、ここでのみ展開されるオリジナルのポストカード、いまではあまり使われなくなった原稿用紙など、この店ではそれらが生き生きと展示され、人の手にわたるときを待っている。

紙というものは不思議なものだ。書くことはもちろん、巻いたり折ったりたたんだり、そこに刻まれるしわや傷が、そこに記される文字以上に意味をもったりもする。

先日行われたオープニングパーティでは、すでに廃業してしまった都内の活版印刷工場から譲り受けたという小型の活版印刷機による印刷のデモンストレーションも行われた。このように、この場所と人を起点にした印刷の、とくに活版印刷における新しい試みが始動した。

まずそれらに対する深い興味があり、憧憬ともいえる感情と、それらにまつわる知識とをもつ彼らには、それを展開していくにはあまりある愛情があふれているようにみえた。だからこそ人と人とのつながりのなかで築いていく、印刷をめぐる新しい事柄における展開が期待できて頼もしささえ感じられる。

今後パピエ・ラボでは紙を通してさまざまな実験的活動をしていくという。それは紙が生まれた長い歴史の果ての21世紀なりの新しい解釈にもとづく、紙との関わりの新しい道を開示することになるのだろうか?

PAPIER LABO
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-5-104
Tel. 03-5411-1696
営業時間|12:00~19:00
定休日|月曜、火曜
http://www.papierlabo.com

           
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