TAG Heuer|タグ・ホイヤー|リンク自動巻
Watch & Jewelry
2015年4月1日

TAG Heuer|タグ・ホイヤー|リンク自動巻

TAG Heuer|タグ・ホイヤー

リンク自動巻

Text by OPENERS

腕時計といえば、もともと時計本体にレザーストラップを装着したものが主流だった。それが、現在のようにメタルバンド(ブレスレット)を装着したものが登場し始めたのは、それほど昔のことではない。

現在、タグ・ホイヤーを代表する「リンク」シリーズの前進である「S/el(セル)」シリーズも、1987年の段階で、SSブレスを採用した先駆的なフルメタルウオッチであった。

しかも、S/elシリーズは人間工学を取り入れた曲線基調のフォルムで、最大限フィット感も重視されていた。右の写真はS/elの初代モデルであるが、人間の背骨を意識したいという、独創的なメタルブレスのデザインは、時計ファンでなくとも馴染み深いものではないだろうか。

S/elシリーズは、故アイルトン・セナも愛用するモデルとして、1990年代に大ブレイクを果たす。コンセプトは「スポーティ&エレガンス」で、まさしく“音速の貴公子”と呼ばれた、セナのイメージにもぴったりだった。

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S/elの初代モデル

その後、1999年に大きくリニューアルされた際に、S/elシリーズは「リンク」という名称に変更される。西暦がかわるこの年に発表された「リンク」(『つなぐ』という意味)というシリーズ名には、旧世紀から新世紀へ、―タグ・ホイヤーの哲学でもある『伝統と革新』を、『過去から未来へ』と“つなぐ”という意味も込められていた。2003年にもマイナーチェンジが加えられ、リンクは従来の曲面を強調したグラマラスなデザインから、次第に現代的なモダンなルックスへとブラッシュアップされていくのだった。

再度リニューアルされて2007年に登場した現行のリンクシリーズは、従来からのスポーティ&エレガンスというイメージは踏襲しながらも、直径は42mmという現代的な大型サイズになり、リンク自動巻では初の逆回転防止べゼルを装備している。

機能面が大きく向上したほか、裏蓋にはサファイアクリスタル製のシースルーバックが採用されており、キャリバー5の姿を見渡すことが可能。コレクションも拡充され、3針モデルには4つの文字盤バリエーションが登場するほか、さらに「デイデイト」「クロノグラフ タキメーター」、そして「キャリバーS」など、幅広く機能を搭載したモデルがラインナップしている。

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TAG Heuer LINK|タグ・ホイヤー リンク
自動巻き
42時間パワーリザーブ
ケース経×厚|42×13.05mm
ケース|SSケース
生活防水|200m防水
価格|29万4000円

BRAND HISTORY

タグ・ホイヤーといえば、創業当時からスポーツ競技に積極的に関わり、特にモータリゼーションの進化を支え続けたブランドとして、レーサーを始めとする多くのアスリートからリスペクトを受けるブランドである。

その前身であるホイヤー社は、1860年、当時弱冠20歳であったエドワード・ホイヤーによって、スイス・サンティミエに創業されている。1868年にリューズ巻き懐中時計の特許を取得、1889年にはパリ万国博覧会でスプリットセコンド・クロノグラフを出品し銀賞を受賞するなど、早い時期から頭角を現していた。

そして、1916年には今なお語り継がれるストップウオッチのマスターピース「マイクログラフ」を発表。この100分の1秒計測が可能という画期的な計測機器で、ホイヤー社はスポーツシーンに欠かすことのでないブランドとして一躍世界的に認知される。

実際、この功績が認められて、1920年のアントワープ大会から続けて、3度のオリンピック公式計時を担当することになる。

すでに1911年の段階で、自動車用のダッシュボード用クロック「タイム・オブ・トリップ」を発表していた同社だが、モータースポーツとの深い関わりは、その後も継続して続けられている。
1964年には伝説のロードレース「カレラ」の名を冠したクロノグラフを発表し、当時多くのレーサーたちに愛用された。

そして、1969年には世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメントを積んだ「モナコ」を発表。ハリウッドスターのスティーブ・マックウィーンが公私共に愛用したことでもよく知られ、その様子は名作フィルム「栄光のル・マン」によって、世界中のレースファンの目に焼きつけられた。

その後、他の多くのブランドが辿るように、1970年代のクオーツショックによって、ホイヤー社も一時経営危機に陥る。しかし、1985年、F1マクラーレン・チームのオーナー会社でもあったタグ・グループの投資によって見事復活を遂げ、現在のタグ・ホイヤーに改称。

従来以上にモータースポーツとの関わりを深めるほか、タイガー・ウッズ、マリア・シャラポワ、ブラッド・ピッド、ユマ・サーマンなどをアンバサダーに迎え、積極的なブランドPRを展開。2004年にはタイミングベルトやインゴットを採用した「V4」のプロトタイプ、2005年には腕時計で初めて100分の1秒計測が可能な自動巻きクロノグラフ「キャリバー360」を発表するなど、メカニズム面でも大いに注目を集めている。

【創業年】1860年
【創業地】スイス、サンティミエ
【主なシリーズ名】グランドカレラ、カレラ、リンク、モナコ、ニューアクアレーサー、フォーミュラ1
【問い合わせ先】LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー ディヴィジョン 03-3613-3951

公式サイト:http://www.tagheuer.com/

           
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