H.MOSER & CIE|H.モーザー|モーザー・パーペチュアル1
Watch & Jewelry
2015年2月26日

H.MOSER & CIE|H.モーザー|モーザー・パーペチュアル1

H.MOSER & CIE|H.モーザー

モーザー・パーペチュアル1

Text by OPENERS

2006年のジュネーブ時計グランプリの読者投票で複雑系部門1位に輝いた、H.モーザーの代表作。

大型の日付表示と、時分秒針と同軸に備えられた極短の月表示針に、約100年もの間、正確な表示を行う永久カレンダー機構が搭載されている。手首に沿うように弧を描くシースルーバックからは閏年表示も確認可能。
また、リューズの誤操作を防ぐ独自機構「ダブル・プル・クラウン」システムを搭載するなど、シンプルな外観でありながら、まったくもって驚くべき複雑機構を多数内蔵している。

手巻き。7日間パワーリザーブ。ケース径40.8mm。18KRGケース。アリゲーターベルト。非防水。428万4000円

BRAND HISTORY

H.モーザーは、スイス・シャフハウゼンの近代化に貢献し、同地に時計産業をもたらしたヨハン・ハインリッヒ・モーザーが、1828年にロシアのサンクト・ペテルスブルクにて設立したブランド。

創業者は1829年、ル・ロックルに時計工房を開設し、ロシア、スイスの2つの拠点における時計ビジネスで順調に業績を伸ばすと、’48年にシャフハウゼンへと帰国。’51年にはライン河を利用した水力発電所の建設をスタートし、’53年には鉄道建設に関わる組織の設立と同時に、ウォッチケースの製造工場を開設している。

その後、アメリカ人時計師、フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが計画していた自身のブランド、IWCの創業に協力するなどしてシャフハウゼンに時計という地場産業をもたらしたことは、時計フリークにとってはあまりに有名な話だろう。

20世紀に入ってもH.モーザーは、ロシアとル・ロックルを拠点に経営を続けるも、1979年に時計界から一時撤退。しかしながら機械式時計の魅力が世界中で再認識され始めた2000年頃からH.モーザーの復活を願う数人の有志による復興プロジェクトがスタート。

独立時計師、アンドレアス・ストレーラーをメインに、きわめて高度な機械式時計の製造を行い、創業者の生誕200年に当たる’06年には特殊な永久カレンダーウォッチ「モーザー パーペチュアル」を始めとした複数の腕時計の開発により、バーゼル・ワールドで再び時計界に復帰。玄人受けするモデルの製造で、一躍世界的名声を取り戻した。

【創業年】1828年
【創業地】ロシア、サンクト・ペテルスブルク
【主なシリーズ名】マユ、モナード、モーザー・パーペチュアル1
【問い合わせ先】東邦時計 03-5807-8162

公式サイト:http://www.h-moser.com/

           
Photo Gallery