グランツーリスモ6に登場するマシンを実車化|Volkswagen
CAR / NEWS
2015年1月13日

グランツーリスモ6に登場するマシンを実車化|Volkswagen

Volkswagen GTI Roadster |フォルクスワーゲン GTI ロードスター

グランツーリスモ6に登場するマシンを実車化

フォルクスワーゲンは、5月28日から5月31日までオーストリアで開催したファン感謝イベント「ザ レジェンダリー GTI ミート ヴェルターゼ」で、最高速度309km/hを誇るオープンスーパーカー「GTI ロードスター」を公開した。「PlayStation3」用ゲームソフト「グランツーリスモ6」のコラボプロジェクトとなる「ビジョン グランツーリスモ」に登場する夢のマシンの実車化である。

Text by SAKURAI Kenichi

仮想現実と現実世界をリンク

今回フォルクスワーゲンがオーストリアのファン感謝イベントで初公開した「GTI ロードスター」は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが2013年12月5日に発売した「PlayStation3」用のゲームソフト、「グランツーリスモ6」とのコラボプロジェクト、「ビジョン グランツーリスモ」に登場するマシンだ。

ビジョン グランツーリスモは、世界的な自動車メーカーやブランドが誕生15周年となる「グランツーリスモ」のために、ゲーム内でドライブ可能なスペシャルマシンをデザインするという夢のプロジェクトで、これまでにメルセデス・ベンツやBMW、トヨタ、ホンダ、三菱などが車両を公開している。

メルセデスに至っては、映像だけではなく昨年のLAモーターショーいち早く実車を発表し、世界中のグランツーリスモ ファンの度肝を抜いた。フォルクスワーゲンのGTI ロードスターは、それにつづく実車化モデル第2弾で、仮想現実と現実世界を見事にリンクさせた夢のマシンといえるだろう。

注目のボディデザインは、そのネーミングからもわかるように、「ゴルフ GTI」の進化版として位置づけられており、フロントグリルやヘッドライトデザインなど市販をイメージさせるモチーフの多用も見所だ。ただし、そうした「GTI」のDNAを活かしながらも、エクステリアはワイド&ローを強調する極端に短いフロントのウィンドシールドをもつオープンスタイルを採用。コクピットを左右に振り分けたスパルタンな2シーターモデルとして仕上げられている。

一見大きくも見えるが、GTI ロードスターは全長4,158×全幅1,894×全高1,090mmというスリーサイズで、ホイールベースは2,494mm。前後のオーバーハングが極端に短く、否が応でもスポーティな印象を見る者に抱かせる。カーボン製のCピラーは左右を繋ぐウィング形状とされ、これがリアフェンダーにまでつづきボディを構成するというアイデアもユニークだ。

Volkswagen GTI Roadster |フォルクスワーゲン GTI ロードスター

グランツーリスモ6に登場するマシンを実車化 (2)

503psを発揮する3リッターV6エンジンを搭載

気になるパワートレーンは、370kW(503ps)の最高出力と560Nm(57.1kgm)の最大トルクを発生する直噴ガソリン3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンをフロントに搭載。 トランスミッションは、7段デュアルクラッチギアボックス(DSG)を組み合わせ、4輪駆動システム(4MOTION)が採用されている。

ホイールは20インチサイズのトルネードデザインで、ボディ色とコーディネートしたリムや「GTI」のエンブレムを採用したセンターロック式。タイヤが回転すると、赤い円が描かれるのだという。タイヤサイズはフロントが275/30ZR20、リアが235/35ZR20で、フロントは8.5J×20(ET32)、リアは9.5J×20(ET25)サイズのホイールを組み合わせた。ブレーキにはカーボンセラミックディスク採用し、フロントの直径は380mm、リアは356mmという大口径ディスクを備えている。

まるで寝そべるような低めのポジションとるカーボンシェルシート、アルカンターラ製となる4本スポークデザインのステアリングホイールが装備されているコクピットは、V字のフレームが左右座席を振り分け、独特なセパレート空間を生み出す。カーボンとアルミ、そしてアルカンターラのマテリアルを使用し、スパルタンなイメージも申し分ない。このステアリングシャフトは極端に長く、それはまるでGTレースマシンのようだという。ステアリングの左右に備わった7段DSG用のパドルシフト、5点式のシートベルトもレーシーな演出には欠かせないアイテムだ。

ちなみに、わずか1,420kgのウェイトしかないこの2シーター スーパースポーツカーは、静止状態から3.6秒で100km/hに達し、309km/hの最高速度をマークする(想定だ)という。市販や量産の前提がないとはいえ、このアグレッシブなフォルムやスペックからは、フォルクスワーゲンも質実剛健なだけでなく、クルマ好きをじゅうぶんに楽しませるポテンシャルをもっているということがしっかりと伝わってくるはずだ。

           
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