ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏にインタビュー|Renault

ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏にインタビュー|Renault

特集|自動車デザインのトレンドをさぐる

Renault|ルノー

ルノーにデザイン ルネッサンスをもたらす

ローレンス・ヴァン・デン・アッカーにインタビュー

ルノーのデザインが変わった。2010年発表の「De Zir」からはじまったルノー デザイン ルネッサンスは、人生における重要な6つのシーンになぞらえ、それぞれにコンセプトカーを発表する“サイクル オブ ライフ”という発想に基づいている。これらのコンセプト デザインは、そのままプロダクションモデルに反映され、すでに新型「
ルーテシア」「キャプチャー」で結実している。このプロジェクトを推進する、ルノーのチーフデザイナー、ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏に小川フミオ氏が単独インタビューを敢行した。

Interview & Text by OGAWA FumioPhotographs by ARAKAWA Masayuk

クルマの美をつねに念頭に置きながら

──ルノー車はこのところ、魅力が増しているように思えます。パッケージングはきちんと考えられているいっぽう、クルマ好きの眼を惹くエモーショナルな要素が盛り込まれています。ご自分の立ち位置はどのあたりに置いていますか。

ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏(以下、アッカー氏) デザイナーとして意識しているのは、アートに片足、ビジネスに片足、というかんじです。私の兄は建築家で、妹は判事です。私はそのあいだ。いまの仕事でもおなじような位置だと思っています。具体的には、ルノーのラインナップは豊富なので、エモーショナルに振ったモデルもあれば、ファンクショナルなモデルもあり、それがファミリーを形成しています。それで、ルノーデザインの方向性について、どっちに行くのかという印象をもたれるのかもしれませんね。

──前に進んでいくために必要と思われるものは何でしょうか。

アッカー氏 私たちのヘリティッジは、つねに未来を見ていること。革新性にあると考えています。デザイン上でもイノベーションがキーバリューです。私が雇われているのも、未来を考えて仕事をするためであって、過去のためではありません。レトロカーをデザインしないのかとジャーナリストに訊ねられたことがありますが、私は未来をつくるためにルノーデザインにいるのだと答えました。

──クルマのデザインはこのあと大きく変わっていきますか。

アッカー氏 ひとつの可能性ですが、自律走行が完璧になればクルマはクラッシュしなくなります。そうなると現在の安全基準という制約からデザイナーは解放されます。そのときデザインは大きく変わるでしょう。あるいは、技術進化によって携帯電話が初期には百科事典のような大きさでしたが、いまや本のあいだに挟まったら見つからなくなってしまうサイズにまで縮小したように、クルマのデザインにも革新がおきることもありえます。エコロジー、エコノミー、コネクティビティ、これらがいまのクルマを取り巻くキーワードですが、私はクルマの美をつねに念頭に置きながら、スタジオで仕事をしています。