連載|藤原美智子|美しい箒で、日本の道具のすばらしさを再発見!

連載|藤原美智子|美しい箒で、日本の道具のすばらしさを再発見!

COUTURE of LIFE:Essay and a story

以前から頭を悩ましていた問題がついに解決!

「美しい箒で、日本の道具のすばらしさを再発見!」(1)

最近、昔ながらの日本の箒(ほうき)を愛用している。きっかけは先日、十年ぶりに自宅を引っ越したこと。あたらしい住居の床がすべてフローリングだったからである。

文・写真=藤原美智子

思案すること十数年。やっと解決方法をみつけた!

いやいや、それが直接のきっかけではあるが、以前から頭を悩ましていた問題を解決するために箒にしたのである。その問題とは飼い犬のこと。いまの愛犬は2代目だが、2匹とも掃除機をかけているあいだじゅう吠えるし、ホースを噛もうとするのだ。それを避けるために、ほかの部屋に犬を隔離してから掃除機をかけ、そこがすんだらまたちがう部屋に追い込んで……、という面倒な思いをしながら、いつも掃除機をかけている。それなら朝、犬が寝ているあいだにすればいいかというと、それでは掃除機の音で犬が目を覚ましてしまい結局、吠えてしまうことになる。

「どうしたら……」と思案すること十数年。やっと解決方法をみつけることができた。今回の引っ越しの準備をしていたある日、和ものの食器や籠(かご)などを売っているお店で箒を見た瞬間、「そうだ! 今度の部屋はフローリングだから、箒でもいいかも!」と閃(ひらめ)いたのだ。これなら音を気にすることなく犬が寝ているあいだに掃除ができるから、吠えと噛み噛み攻撃を避けることができる!

さっそく、どんな箒がいいか調べて購入してみた。思えば、箒を使うのは小学生ぶりぐらいだろうか。なんだか、とても新鮮だ。それに掃くときの感触の優しいこと! 箒が自然の草からできているせいか床に優しく当たるし、使う人間の手にもその優しさが伝わってくる。スーッスーッとなめらかにゴミが掃き集められるのが、なんだか楽しいし清々しい気分になる。それに当たり前かもしれないが、巾木の桟(さん)のほこりも普通に掃けちゃうことにも感激した。掃除機の場合は口の小さなホースに変える手間が要るが、箒ならその手間は要らないのだ(!)

それに掃き集めたごみはちりとりに取って捨てるので、掃除機のようにフィルターのなかのゴミを捨てるときの、ちょっと面倒臭くて気持ちがいいわけでもない工程(最新のものは手を汚さずにポンと捨てられるらしいが)を踏まなくてもいいのがよい。当然、故障もなければ、電気を使わないからエコになる。

なんで、なんで、こんないい道具を忘れていたんだろう。掃除機は便利なものだけど、箒だってこんなにも便利なのに……。なんとなく、いつからか、掃除は掃除機でするものと思い込んでいた。その思い込みが、こうしたよいモノに意識を向けさせなくなっていたのだろう。

ABOUT
FUJIWARA Michiko

ラ・ドンナ主宰。 ヘア・メイクアップアーティスト/ライフスタイルデザイナー 多くの雑誌や広告撮影のヘアメイク、執筆、化粧品やファッション関連のアドバイザー、講演、TV出演などで幅広く活躍している。 また美容だけではなく、 …