GREETING CARD│美濃和紙の可能性を届けるグリーティングカード
DESIGN / FEATURES
2015年5月25日

GREETING CARD│美濃和紙の可能性を届けるグリーティングカード

「ISETAN LIVING×HIROCOLEDGE」

GREETING CARD│
美濃和紙の可能性を届けるグリーティングカード

「ISETAN LIVING × HIROCOLEDGE」の特集第9回は、伊勢丹リビングの趣味雑貨担当バイヤーの服部由布子さんが、手漉き和紙”にフォーカスしたカードを紹介する。

人物写真=川本史織文=伊勢丹 リビング営業部 趣味雑貨 服部由布子

日本らしい奥ゆかしさとポップな雰囲気をもちあわせた新しい感覚のカード

メールが当たり前のこの時代に、あえて手書きにこだわっている方は、手紙を「儀礼的行為や通信手段」としてだけではなく、手紙を受け取った先さまが必ず送り手を思い浮かべるということを意識し、「自分を表現する手段」でもあると考えています。だからこそ、便箋や封筒はもちろん、インクの色にまでこだわって選ばれます。

木材パルプでつくられる洋紙が主流になっている今だからこそ、そのようなこだわりのお客さまに向け、日本に1300年以上も前から伝わる世界に誇れる伝統の“手漉き和紙”にフォーカスしたカードをご提案したいと考えました。
ただ、和紙にはどうしても昔ながらの和のイメージが先行しがちであるため、それを打破したいと考えていました。今回、理子さんにデザインをお願いしたことで、日本らしい奥ゆかしさとポップな雰囲気をもちあわせた、これまでにない感覚のカードをつくることができました。

この取り組みでは、家田紙工株式会社さんとともに、美濃和紙の伝統を引き継ぎながらも、最新技術を合わせることで生まれた手透き技法を用いて製作しました。
理子さんのデザインは精度を要する緻密な図柄のため、通常の美濃楮(ミノコウゾ)では表現できず、繊維が短い那須楮に素材を変えるなど、試行錯誤の末に完成した、職人魂が生きた和紙です。また、カードとしての厚みをもたせるために、柄によって枚数を変えて重ねるなど、強いこだわりがたくさん込められています。

そして、透かし模様との相乗効果をねらい、和紙との組み合わせでは珍しい鮮やかな色の封筒を組み合わせたことで、和紙の味わいを十分に生かしながらも、新鮮な印象のグリーティングカードが完成しました。

若い世代がかわいい!!と興味をもってくださるようなカードを……

牧バイヤーとのタオルについて(高橋理子)

服部由布子さん

──高橋理子さんの作品についてどんな印象をおもちですか?

ただ単にご自分のつくりたいと思うものを優先するのではなく、まず伊勢丹が求めているものはなにか、それぞれのアイテムが兼ね備えていなければいけない基本的価値はなにか、それらをつくる職人の技術や想いなど、すべてを把握した上でデザインをされる、その姿勢が素晴らしいと感じています。

この取り組みにおいても、理子さんの柄とカラーによって、伊勢丹の狙いでもあり産地の願いでもある、和紙という伝統的な素材や技術に、若い世代がかわいい!!と興味をもってくださるようなカードをつくることができたことは、大変素晴らしいと感じています。

──今回の「ISETAN LIVING × HIROCOLEDGE」プロジェクトについて

これまで、各バイヤーそれぞれが、さまざまな取り組みをしてきましたが、リビングフロア担当バイヤーが一体となって、1つのテーマで取り組んだ企画は今回が初めてです。
これだけのアイテム数、規模感で1つの世界をご提案できるということは、リビング業界にとってもほかに例がなく、これまで5階のリビングフロアにお越しいただいていなかったお客さまにも喜んでいただけるものになると思います。

──3月4日(水)からいよいよ販売です

私たち伊勢丹が新しいことにトライし、試行錯誤しながら取り組んできた企画です。それが店頭で展開され、お客さまにご覧いただけることが、今からとても楽しみでワクワクしています。バイヤーの想い、つくり手の想い、理子さんの想いを最大限お客さまにお伝えできるよう、展開方法などさらにブラッシュアップさせ、臨みたいと思います。

服部バイヤーとのカードについて(高橋理子)

服部バイヤーとのカードについて(高橋理子)

美濃まで足を運び、このカードができあがる工程を見てきました。

その地に自生する素材を用い、人の手間や時間はかかるとも、少ないエネルギーで生み出すことができる和紙。
楮(コウゾ)から繊維を取り出すための熱エネルギーは必要としますが、その後は、水と太陽の光、そして人の力だけで完成する。自然と共存し、四季に合わせて暮らしてきた、日本ならではのものづくりを目の当たりにしました。

光を通すほどに繊細で小さなプロダクトですが、背景には語り尽くせないほどのストーリーがあります。
ぜひ多くの方に手にとっていただき、和紙の魅力を感じていただけたらうれしいです。

特集│伊勢丹と高橋理子が取り組む、2009年春の「オンリー・アイ」は、毎週金曜日公開更新!

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