非のうち所がないスーパーサルーン「S65AMG」発表|Mercedes-Benz
CAR / MOTOR SHOW
2015年4月3日

非のうち所がないスーパーサルーン「S65AMG」発表|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG
もはや敵は己のみ?

非のうち所がないスーパーサルーン「S 65 AMG」

東京モーターショーでワールドプレミアされたメルセデス・ベンツSクラス」のフラッグシップモデル「S 65 AMG long」。もはや完璧とおもわれたV8モデルの「S 63 AMG long」をさらにこえる、V12エンジン搭載のスーパーサルーンが登場した。

Text by OHTO Yasuhiro

真打となる「S 65 AMG」が登場!

8年ぶりのフルモデルチェンジをおこない、5.5リッターのV8ツインターボを搭載するハイパフォーマンスモデルの「S 63 AMG long」を発表したSクラス。そのすぐれた性能を多くのジャーナリストが称賛したことは記憶にあたらしい。しかし、11月20日より開催された東京モーターショーでは、更なるハイエンドモデル“S65 AMG long”がワールドプレミアされたのだ。


今回発表された「S 65 AMG long」は、現行Sクラス唯一となる6.0リッターのV12ツインターボを搭載。その性能は、最高出力463kW(630ps)、最大トルク1,000Nmという圧倒的なものだ。ボンネットの中に収まるV12エンジンの表面には、このエンジンが特別な存在であることをしめすように、カーボンファイバー製のエンジンカバーが奢られている。これもこのモデル専用アイテムのひとつ。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 32

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 34

このエンジンの性能を引き出すためのトランスミッションは、先代モデルが搭載していた5段ATにかわり、新型7段ATの“AMGスピードシフトプラス 7Gトロニック”となった。

この新型ATは、ギアが増えたことで、よりダイレクトなドライビングを実現しただけでなく、クルージング中はエンジンの回転数を抑えることが可能となるため、燃料消費削減にも貢献してくれる。もちろん、スポーティなドライビングが楽しめるマニュアルモードも備え、ステアリングコラムに取り付けられたアルミニウム製パドルで自由なシフトチェンジが可能だ。

足まわりも、飛躍的な進化を遂げた。新型Sクラス注目の新技術のひとつであるマジックボディコントロール(MBC)も、AMGスポーツサスペンションに組み込まれている。

このマジックボディコントロールとは、車両正面のステレオカメラが路面の凹凸を検知し、その路面状況におうじてあらかじめサスペンションを制御する機構である。これによりボディの衝撃を最小限に抑え、快適な乗り味を実現。

AMGスポーツサスペンションでは、ドライバーの好みで、快適性を重視したいなら「コンフォート」を、運転を楽しみたいときには「スポーツ」と、ふたつのモードを選択できる。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 34

マジックボディコントロールの動作イメージ。2つのカメラが路面の凹凸を三次元でとらえ、サスペンションの設定を瞬時に調整する

その足元に輝くアルミホイールは、専用デザインの20インチAMG鍛造ホイールを装着。これによりバネ下重量は軽減し、ドライブフィールの向上に繋がっている。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG
もはや敵は己のみ?

非のうち所がないスーパーサルーン「S 65 AMG」 (2)

特別をアピールする内外装

迫力あるフォルムを持つエクステリアは、AMGシリーズの「S 63 AMG long」とも仕様がことなっている。フロントマスク中央に輝くラジエーターグリルは、6本のツインルーバーで構成されたハイグロスクローム仕上げの専用品を装着。フロントエプロンも、AMGのAの文字を象ったというエッジの効いたデザインのものが採用されており、フロントマスクをより精悍にみせる。

それ以外にも各部のトリムがハイグロスクローム仕上げとなるほか、“V12BITURBO”や“S 65 AMG”のエンブレムがこのモデルが特別であることを主張する。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 37

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG 37

インテリアもハイエンドモデルにふさわしい、じつに贅沢なものである。ドアトリムやルーフライナーまですべてナッパレザーを使用。装着されるAMGスポーツシートは、ダイヤモンドステッチがほどこされるなどその仕上げも美しいものだが、電動調整機能やシートヒーター、クライメートコントロールなど快適なドライブを楽しめるように、さまざまな機能をそなえる。

ダッシュボード中央には、デザイン性と機能性を兼ね備えるIWCデザインのアナログウォッチがおさまる。新型Sクラスに採用されている特徴的なTFT液晶メーターも、AMG仕様になり、スピードメーターはフルスケールの360km/hに。AMG仕様のメーターでは、エンジンオイルやトランスミッションオイルの温度なども表示可能だ。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG
もはや敵は己のみ?

非のうち所がないスーパーサルーン「S 65 AMG」 (3)

デリバリーは2014年半ば以降

随所が特別なS 65 AMG longだが、これらのほかにも、他モデルに先駆けて導入された「ヘッドアップディスプレイ」と「タッチパッド」もポイントだ。

ヘッドアップディスプレイは、ドライバー前方約2メートルのボンネット上に、コンパクトなカラーディスプレイが浮かんでいるかのように表示されるもの。そのディスプレイ上に、車速やナビゲーションのガイドなどのドライバーが必要とする情報を提供することで、前方から視線をはずすす必要性を低減。これにより安全性と快適性の向上に繋げる。

ハンドレストと一体化されたタッチバッドは、ドライバーが指先のみで、ラジオやオーディオ、ナビゲーション等を操作できるもの。

優れているのは、3次元センサーを内蔵することで、ハンドレストに腕を置いているだけの状況でも誤作動を起こさない点だ。

これらは、S65 AMG longで標準採用され、ほかのメルセデス・ベンツ各モデルにも、順次導入される予定という。

Mercedes-Benz S 65 AMG|メルセデス・ベンツ S 65 AMG

さらなる快適性と圧倒的なパフォーマンスを誇る「S 65 AMG long」は発表と同日に発売となったが、納車は2014年のなかばからとなる模様だ。左ハンドルのみの設定で、価格は3,200万円とアナウンスされている。

           
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