日本のメンズ・ファッションの変遷をたどる 『日本の男服』展を開催
FASHION / NEWS
2015年4月6日

日本のメンズ・ファッションの変遷をたどる 『日本の男服』展を開催

日本のメンズ・ファッションの変遷をたどる展覧会

神戸ファッション美術館にて『日本の男服』展を開催

神戸ファッション美術館は、2013年10月11日(金)から2014年1月7日(火)まで『日本の男服――メンズ・ファッションの源泉──』展を開催。明治時代の勅任官大礼服やメンズ・ファッションの流れを変えた1960年代のブレザーなど、多彩なアイテムを展示する。

Text by KUROMIYA Yuzu

「正装としての洋装」から「メンズファッション」へ

『日本の男服――メンズ・ファッションの源泉――』は、洋装化のはじめから現在のメンズ・ファッションの形成にいたるまでの、日本男性の装いの変遷をたどっていく展覧会だ。

1872年、政府により服制(衣服に関する制度)が洋装に改められた明治初期の文官大礼服にはじまり、大正・昭和期の軍服や平服を展示する。さらに1960年代にアイビー・スタイルを打ち出し、男服の流れを大きく変えた「VAN」や、ヨーロピアン・モードを取り入れた「エドワーズ」などの衣装が、時代を越えて一堂に会す。

『日本の男服』 02

「勅任官大礼服(侍医頭・岡玄卿着用)」 明治時代 一宮市博物館所蔵

『日本の男服』 03

「アイビー・クラブ・ブレザー」1962年 VAN製、くろすとしゆき氏寄贈品

『日本の男服』 04

「サファリ・スーツ」1967年頃 エドワーズ製、畑埜佐武郎氏所蔵

これらを通じて、当初は正装として着用されていた洋装が、お洒落そのものを楽しむ本格的な「メンズ・ファッション」へと変わっていった歴史を探っていく。

また関連企画として、10月12日(土)にはシンポジウム「1960s――メンズ・ファッション黎明期」を開催する。欧米文化に憧れた若者たちがあらたな潮流をつくりはじめた1960年代、言わば、メンズ・ファッションのはじまりともいえるこの時代を、デザイン、メディアなど、さまざまな視点から考察していく。

ファッションは、男性においても自己表現の手段のひとつ。昨今のファッションに至るまでの経緯を知り、理解を深めることで、これからのメンズ・ファッションを見通すヒントが得られるかもしれない。

『日本の男服――メンズ・ファッションの源泉──』展
場所|神戸ファッション美術館
期間|2013年10月11日(金)~2014年1月7日(火)
開館時間|10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日|水曜日、年末年始
入場料|一般 500円、小中高、65歳以上 250円
住所|兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1
Tel. 078-858-0050
http://www.fashionmuseum.or.jp/museum/special.html

Clothing Japan 141シンポジウム「1960s――メンズ・ファッション黎明期」
日時|10月12日(土)
時間|10:00~17:10
場所|神戸ファッション美術館5階 オルビスホール
参加費|参加無料(申込不要)

〈第1部〉 座談会
時間|10:00~11:30
参加者|石津祥介(ファッション・ディレクター)、くろすとしゆき(服飾評論家、元VAN企画本部長)、
白井俊夫(信濃屋 取締役仕入担当)、畑埜佐武郎(元エドワーズ・デザイナー)
進行|百々徹(神戸ファッション美術館)

〈第2部〉 報告
時間|13:00~16:00
・13:00~
『1960年代のファッション』 成実弘至(京都造形芸術大学准教授)
・13:45~
『現代メンズ・ファッションへの軌跡』 石関亮(京都服飾文化研究財団学芸員)
・14:30~
『1960年代のデザイン』 井上雅人(武庫川女子大学専任講師)
・15:15~
『1960年代のメディア環境』 難波功士(関西学院大学教授)

〈第3部〉 ディスカッション
時間|16:20~17:10
パネラー|成実弘至、石関亮、井上雅人、難波功士
進行|百々徹

           
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