連載・藤原美智子 2013年8月|“3つの丸”で身体を緩めて、人生も緩めよう!
BEAUTY / THE EXPERTS
2014年11月13日

連載・藤原美智子 2013年8月|“3つの丸”で身体を緩めて、人生も緩めよう!

2013年8月|こんなに楽チンなエクササイズでいいのかしら!?

「“3つの丸”で身体を緩めて、人生も緩めよう!」

今月は「“3つの丸”で全身を緩めよう!」の提案です。“3つの丸”とはストレッチポール(上写真・下段)、バランスボール(中段)、テニスボール(上段)のこと。この3つを使うと、首から足の裏までの筋肉のコリを緩ませることができるんですよ。ストレッチポールとバランスボールの使い方は、それぞれYouTubeでもたくさん見ることができるけれど、(たぶん)独自の使い方も紹介しますので参考にしてみてください。

Photographs&Text by FUJIWARA Michiko

ストレッチポールを使った私独自の方法は、ちょっとだけハード

ストレッチポールとは細長い円柱形をしたもので、縦に置いたポールの上に背骨が当たるように寝転んでエクササイズをするためのもの。エクササイズといっても簡単だし、とっても気持ちいいの。それにポールの上で手足を広げて寝転んでいるだけでも身体がフワァ~と伸びていくので、身体がすっごく硬いひとにもお薦め。エクササイズの方法はYouTubeで多く紹介されているので、省くとして──。私独自の方法は、ちょっとだけハード。

まずはストレッチポールを縦ではなく横にして背中に当てて寝る。そして両足は膝を曲げて立てる。腕は腹筋をするときのように首の後ろに回して、指を組んで両肘を閉じる。腰を床から浮かす。この状態で膝を曲げたり伸ばしたりしながら、肩甲骨の上下辺りをポールでゴロゴロするのが私流。ポイントは肩甲骨の下側から肩のほうにポールを移動するときは閉じていた両肘を少しずつ開いていき、肩から肩甲骨の下のほうにポールを移動させるときは開いていた肘を徐々に閉じていくこと。肘を開閉するときに肩甲骨の辺りが「ゴリッ、ゴリッ!」と大きな音がするけれど、それは骨の歪みが矯正されている証し。

つまり、このエクササイズは自力整体ということなの。前肩になっているひとや肩甲骨が背中にへばりついているひとほど、大きな音がするのではないかしら。私はこのエクササイズのおかけで長年の肩甲骨のへばりつきが緩み、肩を大きく回せるようになってきたし、最近では矯正されてきたせいか、あまり音がしなくなってきたの(それが少しつまらない……!?)。ただし、これは身体がガチガチに硬いひとにはハード過ぎるので、ストレッチポールで普通のエクササイズをして身体を緩ませてからトライしてみて。

超簡単! ボールを当てて寝ているだけで筋肉が驚異的に緩む!

さて、つぎはバランスボールとテニスボール。この使い方はピラティスの先生に教えてもらった方法で、寝ているだけで筋肉が驚異的に緩むというもの。バランスボールは直径70センチくらいの大きなものもあるけれど、今回、使うのは12センチくらいの小さなボール、そして少し硬めの素材のもの。70センチのボールでエクササイズすると「気持ち良いな~」という緩み方だけど、この小さなボールだと「えー、どうして!?」と不思議に思えるほど緩むの。それに超簡単! 何しろ、ボールを当てて寝転んでいるだけでいいのだから。

まずは寝て足を肩幅くらいに開き、膝を曲げて立てる。そして仙骨、首の付け根の窪んでいるところ(いわゆる“盆の窪”のところ)、肩甲骨の間の3カ所に寝ながらボールを当てる。最後に椅子に座って、お尻の下(骨盤低)にボールを当てる。それぞれ1~3分くらい当てた後、ボールをはずしてみると、あら不思議。ボールを当てていた辺りの筋肉が“ボワァ~ン”と不思議なくらいに力が抜けて緩んでいるのである。

私の仙骨は昔から硬くて出っ張っていて、今までいろいろなエクササイズをしたり整体に行ったりしていてもなかなか改善しなかったのに、初めてしたとき、あまりの緩み方に「今までの努力は何だったの!?」とボーゼンとしたほど。しかも、この背筋に沿った4点を緩めるだけで顔のリフトアップにもつながるらしい。たしかに顔の皮膚とつながっている頭皮をマッサージすると確実にリフトアップするのだから、骨盤に至るまでの背筋全体を緩めたら、顔がリフトアップするのも当然といえるだろう。何しろ、皮膚は身体全体が一枚つづきでできているのだから。

テニスボールでわかった、自然で楽な立ち方

こうして、このボール効果に味を占めた私は今、全身のあらゆる箇所にいろいろ体位を変えながらボールを当てて緩めている。たとえば、腕の付け根の後ろ側や肩の前側の付け根、首筋、首の付け根、骨盤の真横、お尻の内側などなど。とにかく自分で「ここが堅いなー」と思うところに自分の体重がかかるようにボールを当てるだけ。そしてボーッとしているだけで緩むし気持ちもいいのだから、こんなに楽チンなエクササイズはないのではないだろうか。

さて、足裏の担当はテニスボールである。まず、肩幅くらいの幅に足を広げて立つ。そして足の親指の母指球の辺りにテニスボールを置いて、足指をギューッとしながらつかむ。初めてするときは、ちょっと痛いかもしれない。つぎに、かかとの内側と土踏まずの境い目辺りに置いて足指をギューッ。これはもっと痛いかも(!)。でもボールを外すと、これまた不思議。足裏全体に均一に体重が乗っていて、スッと楽に立てるのだ。それに足指が縮んでいるひとは、指が伸びているのも感じられるはず。「今まで無理して立っていたんだなー」ということも実感できるのではないかしら。

最近、私は朝、この“3つの丸”をして身体を緩めてからヨガやストレッチをしている。その方が効率的に、そして深くヨガもストレッチもできる。または、寝付きの悪い夜にはベッドの上でしている。身体が緩むと気持ちも緩むせいか、自然と眠気が襲ってくるのである。

それにしても身体を緩ませることはたとえ、鍛えるのであっても先にすべきことであり大事なことかもしれない。硬くいびつになっている筋肉を鍛えたら、より一層いびつになるだけなのだから。ふ~む、これからの人生のモットーは“緩める”ことにしよう。そのほうが何事も無駄な努力をしなくて済むんだもの……!

           
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