角田陽太|「東京浪漫酒場」|第四回 中目黒「藤八」
LOUNGE / EAT
2015年2月18日

角田陽太|「東京浪漫酒場」|第四回 中目黒「藤八」

安定感抜群の37年目の居酒屋。〆は、明太子うどんとのりうどん

第四回 中目黒「藤八」

中目黒駅から徒歩2分、目黒川を越えたところに「藤八」がある。常連客は場所柄なのか、その渋い店構えの大衆酒場にしては老若男女で外国人も多い。

Text by KAKUDA YotaPhotographs by NAKAMICHI Atsushi

常連客の楽しみは……

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暖簾をくぐると、まず35名ほどが座れるテーブル席とカウンター席のスペースがあり、その奥にはふたつの座敷がある。看板女将は毎日19時に丁寧にお客さんへ挨拶と世間話をしながら入店してくる。着席して話し込む場合も多く、常連客はそれを楽しみの一つとして来ている。ぜひ「ママ」に話しかけてみてほしい。

まずは赤星(瓶ビール)を飲みながら、はんぺんとコロッケをいただく。前者の卵白によるフワフワとした食感がおもしろい。つづいて、藤八特製の腸詰は味噌の香り立つ一品で、ビールや日本酒、ワインにもよく合う。これは一夜に二度は頼んでしまう。

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魚料理は刺身や干物もおいしいが、お薦めしたいのは鯛のカブト焼、まぐろのあご焼やカマ焼。

ほじくったりつついたりして食べるそれらの焼き物はとてもリーズナブルな価格で、日本酒との相性は抜群。冬瓜のエビそぼろは箸休めにピッタリな一品。

ほかにもテッパンのマカロニサラダやオクラ・山芋・めかぶ・納豆を合わせたネバネバ寄せをいただく。

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店内の壁中に貼られた札(ふだ)は店の雰囲気を決定づけている。赤枠に黒字のメニューと赤字の値段の繰り返しは、当時の典型的なフェイクっぽい内壁材を臨場感溢れる酒場の雰囲気にがらりと変えた。

ここで使われているとっくりは、誰もが頭に思い浮かべる“The とっくり”の形状で安心感がある。

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〆の明太子うどんとのりうどんをみんなでいただき、満足度が頂点に達したところで店をあとに。

オシャレな新店が多いこの近辺において、安定感抜群の37年目の居酒屋。鎗ヶ崎や中目黒付近でどこにいこうかと迷ったら、藤八に駆け込んでみてほしい。

藤八
東京都目黒区上目黒1-3-16
Tel. 03-3710-8729
営業時間|17:00~23:00
定休日|日曜日・祝日

角田陽太|KAKUDA Yota
デザイナー。1979年宮城県仙台市生まれ。2003年渡英し、さまざまな事務所で経験を積む。2007年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)を修了。2008年に帰国後、無印良品のプロダクトデザイナーを経て、2011年、YOTA KAKUDA DESIGNを設立。
http://www.yotakakuda.com/

中道 淳|NAKAMICHI Atsushi
1957年兵庫県生まれ。79年東京工芸大学短期大学部卒業。同年より仲佐 猛氏に師事し、以来ナカサアンドパートナーズに在籍。建築、インテリアの分野を中心に活躍中。撮影件数は1年に400件を超える。
http://www.nacasa.co.jp/

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