INTERVIEW|舞台『シレンシオ』原田知世さんインタビュー

INTERVIEW|舞台『シレンシオ』原田知世さんインタビュー

LOUNGE INTERVIEW

INTERVIEW|女優・原田知世さんインタビュー

『シレンシオ』で30年ぶりの舞台に挑戦

「きっとだれかの心を動かせる作品になる」(2)

アイデアを出し合い、“動く”ことで創られた物語

前作『空白に落ちた男』は原田も観客として鑑賞していた。そのときに受けた感銘が『シレンシオ』の出演に繋がっているという。

2008年上演『空白に落ちた男』(撮影: 青木司)
作・演出|小野寺修二 出演|首藤康之 ほか

「あまりにも衝撃的で、『なんだろう、これ!?』って(笑)。こういう表現があるんだということが驚きで、おもわずもう1回観に行ってしまいました。これまで、舞台の仕事はあまりやってこなかったのですが、そのとき、気持ちだけは単純に参加してみたいとおもったんですよね。まさか本当に実現するとは、まったく想像していませんでしたけど」

首藤と原田の夫は旧知の仲とのこと。その縁を伝って原田の方からそれとなく新作に関して問い合わせたところ、出演依頼に発展し、原田も快諾したという。それを受けて、小野寺は作品の構想を一から練りはじめた。

「けれど、この作品には台本がないんです。ですから、セリフを覚えて稽古して、ではなく、動きながら、みんなで一緒に作っていく共同作業のように感じました。小野寺さんのアイデアに対して、みんなで意見を出し合って、それを小野寺さんが拾い上げて。それぞれのシーンをひとつずつ丁寧に作り、出来上がった、たくさんのシーンをパズルのピースのように組み合わせて、作品に仕立てています。

どのシーンも、身体で多くを表現しなければいけませんから、すごく練習しなければもちろんできないのですが、ただ身体が覚えているだけでもダメで、頭も使う。細かい部分にまで気を配らないと表現できないことが多いんです。ですから、自分で動かすことのできるすべてを使って演じている感じ(笑)。6人全員ができることのすべてをやらないと足りなくて、ずっとみんな、手がいっぱいいっぱい(笑)。だけど、それぞれが責任を持って最善を尽くしている、その一員であることが本当に楽しい」

肉体を酷使した稽古の日々。しかし、悲壮感はなく、嬉々として語る原田が印象的だ。

「この感じを自分なりに考えてみたのですが、バンドが一番近いかなぁと。わたし、pupa(※高橋幸宏、高野寛らが参加するバンド)をやっているのですが、あのバンドも、異なる音楽的キャリアやバックボーンを持ったメンバーが集まって、それぞれがいろんなアイデアを出し合って一枚のアルバムを作っていく。そうやって作品が生み出されていく楽しさがありました。小野寺さんの演出は、それに一番似ている気がします。

ただ、練習量はバンドと比べ物にならないぐらい、すごいですよ(笑)……だって、2分ぐらいのシーンを創るのに、8時間かけるんです。その間、みんな、ほんのちょっとの休憩時間しか取らずに、ものすごい集中して繰り返して。それで出来上がったものを翌日、また変えていったりする。小野寺さんから発せられる言葉を、よく聞いて、その言葉にどれだけ反応できるか、みんな、そこに全神経を使っているんですね。そんな現場って、いままでわたしは経験がありませんでしたから、新鮮でしたし、ここで得たものって今後、女優の仕事にも歌を歌ったりする仕事にも、必ずいい影響を与えるとおもっています」