AAF通信│建築家・石上純也氏が語る建築へのアプローチ
LOUNGE / ART
2014年12月4日

AAF通信│建築家・石上純也氏が語る建築へのアプローチ

AAF通信│建築レクチュアシリーズ217

石上純也氏が語る建築へのアプローチ

建築家による芸術と社会環境の発展を目指すAAF(NPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ)が、年に7回開催しているトークセッション、「建築レクチュアシリーズ217」。今年度最初となる今回は、建築界ではまだ若手といわれる世代ながら、すでに世界的な評価を受けている建築家・石上純也氏をゲストに迎える。5月24日(金)午後7時より、大阪心斎橋のインターオフィス大阪店ショウルームにて開催される。

Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)

可能性を提案しつづける

建築のあたらしい可能性について、これまでに独特のアプローチで表現をおこなってきた石上純也氏。2005年のキリンアートプロジェクトでは、建築の構造技術を用いて、紙のように薄いテーブル、「table」を発表した。大きさは9.5m(L)×2.6m(W)×1.1m(H)にして、厚さは3mmと、普通では考えられないスケール感の作品だ。

また2007年の「Space for the Future」展では、東京都現代美術館のアトリウムに、アルミで覆われた、大きさ7m(L)×13m(W)×14m(H)、重さ1トンの、巨大な金属のかたまりにも見える構造物を、まるで重さが存在しないかのように、ふわふわと宙に浮かべた「四角いふうせん」を出展。われわれの既成概念を打ちやぶった。

2010年には自身初の個展を、2会場同時に開催している。銀座資生堂ギャラリーの「石上純也展 建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」展では、来場者の想像力をふくらませる細かな表現の模型、そして、豊田市美術館の「石上純也―建築のあたらしい大きさ」展では、来場者を圧倒させる大規模な模型で、それぞれ、固定観念にとらわれない多数の建築コンセプトを発表し、大きな話題をよんだ。

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建築家・石上純也氏

コンセプトの建築を、実際の建築へ

現在、国内で進行中のプロジェクトには、120m(L)×80m(W)の巨大な建築でありながら、空間内に柱が一本も存在しない作品「大学のカフェテリア」、そして、取り壊し予定となっている家屋の一部を、曳家(ひきや)という手法で日本全国から集め、組み合わせてつくる作品「グループホーム」の、2つがある。これらは、今までに石上氏が模型やグラフィックなどを使い、建築のあたらしい可能性として発表してきたコンセプトを具現化した、注目すべきプロジェクトとなっている。

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「大学のカフェテリア」

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「グループホーム」

そして海外では、ロシア・モスクワの「科学技術博物館 増改築計画」、SANAA出身の建築事務所「MAKS」とタッグを組んだことで話題となったオランダの「Park Groot Vijversburg ビジターセンター計画」など、国際コンペで勝ち取ったプロジェクトが、同時に進行中だ。

世界が注目する建築家の石上純也氏。トークセッションの当日、われわれはどんな話を聴くことができるのか。進行役で、建築家としても近い世代の、芦澤氏、平沼氏との掛け合いにも注目したい。

石上純也|ISHIGAMI Junya
1974年神奈川県生まれ。2000年東京芸術大学大学院を修了。妹島和世建築設計事務所勤務を経て、2004年に石上純也建築設計事務所を設立した。2009年には、自身の国内建築デビュー作「神奈川工科大学KAIT工房」で、国内の建築賞で最も権威のある日本建築学会賞を、史上最年少で受賞。翌年、日本人代表として出展した2010年イタリア ヴェネツィア・ビエンナーレ第12回国際建築展では、「アーキテクチャー・アズ・エアー」で、最高賞の金獅子賞に輝いた。

建築レクチュアシリーズ217
日程│5月24日(金)
時間│開場18:00/開演19:00 終了20:30
レセプション|20:30~21:30
ゲストスピーカー│石上純也
会場│インターオフィス大阪店 ショウルーム
大阪府大阪市西区北堀江1-19-1 八光心斎橋 AIR Bldg 2F
申し込み│ウェブページより受付
www.217.aaf.ac
定員│150人 ※当日の参加も若干名可能 当日18:00から先着順で整理券を発行
特定非営利活動法人(NPO法人)アートアンドアーキテクトフェスタ
www.aaf.khaa.jp/217

           
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