特集|BLUE NOTE NOW!|第1章「ブルーノートが30分でわかるQ&A」

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特集|老舗ジャズレーベル「ブルーノート」のすべて

特集|BLUE NOTE NOW!

創立75周年を控えた老舗レーベル「ブルーノート」の魅力に迫る

第1章|“ミスター・ブルーノート”に訊け!

「ブルーノートが30分でわかるQ&A」(2)

5. 世界中に名が知られるようになったきっかけは?

1960年代の終わり、「ファンキー()」の流れに乗って、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」が世界的な大ヒットになりました。で、まさしくこのとき、ジャズが“世界的音楽”になるんです。ヨーロッパのクラシックの指揮者がジャズメンを絶賛したりとか、大衆音楽として世界中に広がっていったのがこの時期なんですね。

アート・ブレイキー~というバンドが、その名のとおりジャズを世界中に配達して回ったというわけです。それに付随して「ニューヨークにブルーノートあり」という噂も一般に広まっていきました。

※ファンキー=ハードバップ・ジャズのなかで、特に黒人的なブルースやゴスペルの影響を受けたもの。1950年代末から60年代に流行した。アート・ブレイキー、ホレス・シルバーなどが代表的なアーティスト。(出典:小学館「大辞泉」)

6. ブルーノートとほかのレーベルとのちがいは?

「ブルーノートとほかのジャズレーベルとのちがいは、3日間のリハーサルである」と言った人がいました。ジャズというのは即興の音楽だから、別に練習しなくてもできるわけですよ。実際に「そういうところがいいんだ」っていう人もいますしね。

だけど、ブルーノートはきちんと目的を持ってレコーディングに挑むんです。「こういう音楽を生むべきだ」とか、「普段別々に活動している人を集めて、今回はこんな風に音楽を作るんだ」とか。あるいは、ヤク中でライブに出してもらえない人を呼んだり……。ジャズメンの才能を最大限に引き伸ばそうとしていたから、普段の演奏なんて概念がそもそもないんです。

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「ちがいが3日間のリハーサル」という言葉の真意は、3日間リハーサルをしたから立派な音楽ができたわけじゃなくて、目的をもって集めた集団を、しかるべきリハーサルをしたのちに、スタジオに連れてきたということ。レコード作りにかんして、きわめてわがままだったんですね。

それと「もう1テイク」録るんです。ジャズは即興だから、テイクごとに音がちがうんですよ。でも昔のジャズレーベルっていうのは、あまりテープを無駄にしたくないから、ほどほどのところで終わっちゃう(笑)。そこを、ブルーノートはもう1テイク録る。その結果生まれた名曲がたくさんあるんです。

7. ブルーノートのファンに“コレクター”と呼ばれる人が多いのはなぜ?

それにはまず、「ジャズ・ファン」と「レコード・コレクター」のちがいを説明しないといけませんね。ジャズ・ファンはライブを聴いているだけでもジャズ・ファンなんだけど、レコード・コレクターというのは、素晴らしい音楽が素晴らしい形でパッケージされているものが好きなんです。アルフレッド・ライオンも、レコードを心底愛するレコード・コレクターでした。

そんな彼が設立した「レコード作りにこだわる」レーベルだから、すべてを集めたくなる、っていうのはあるとおもいます。音楽や音質はもちろん、ジャケット、印刷に使うインク、解説まで、すべてにこだわっていますからね。音作りを任されていた、ルディ・ヴァン・ゲルダーという有名なエンジニアも、アルフレッドと一緒に作った音に、強いプライドをもっていました。

レコードとしての完成度、つまりモノとしての完成度が非常に高い。だから音を聴くだけなら1000円とか2000円のCDで十分なのに、オリジナル盤を20万円とかで買っちゃうわけです。とくに人気があるのは「1500番台」というシリーズ(1958年以降は「4000番台」につづく)。1956年から58年までに発売された100枚で、モダン・ジャズ黄金時代の有名なミュージシャンのほとんどがここに入っています。「全部集めるぞ」というコレクターが多い理由です。