ART|小山登美夫ギャラリーでローリー・シモンズ展『The Love Doll: Days9-35』
LOUNGE / ART
2014年12月4日

ART|小山登美夫ギャラリーでローリー・シモンズ展『The Love Doll: Days9-35』

ART│等身大のラブドールとの関係を築きあげていく様子を日を綴る

小山登美夫ギャラリーでローリー・シモンズ展『The Love Doll: Days9-35』

人形やおもちゃなどをもちい、さまざまなシーンをつくりだし、写真や映像作品として発表してきたアメリカ人アーティスト、ローリー・シモンズによる展覧会『The Love Doll: Days9-35』が4月20日(土)、江東区清澄の小山登美夫ギャラリーではじまった。5月25日(土)まで、等身大のラブドールを使った新シリーズが展示される。

Text by YANAKA Tomomi

待望の新シリーズ、日本初公開

1949年にアメリカで生まれ、現在もニューヨークを拠点に活動し、コム・デ・ギャルソンやシャネルとのコラボレーションプロジェクトなどでも知られるローリー・シモンズ。1970年代のインテリアのなかに、物思いにふける主婦のようなヴィンテージの人形を配した「Early Color Interiors」(1978-79年)や、人形たちがエッフェル塔やラスベガスのカジノなどを背景に、奇妙な観光を繰り広げる「Tourism」(1983-1984年)などで知られている。

彼女の作品は1つのテーマが完結すると次がはじまるという物語のようなスタイルで制作することで知られ、近年では、舞台装置のように組み立てられた箱のなかで人形たちのリアリズム演劇がおこなわれる「The Boxes(Ardis Vinklers)」(2005年)などがある。

『The Love Doll: Days9-35』 02

そして、『The Love Doll: Days9-35』は、2009年に小山登美夫ギャラリーでの初個展のため来日した際に買い求めた、ラブドールを使用したもの。このシリーズでは、ラブドールとシモンズがお互いの関係を築きあげていく様子が日を追って収められている。シモンズは人形のために洋服を選び、ジュエリーや小道具を用意。リビングや台所、バスルーム、あるいはプールのなか、庭などさまざまな場所でさまざまなポーズのポートレートを撮影している。

写真集『THE LOVE DOLL』として刊行されたこのシリーズはニューヨークやロンドンなどでの個展で好評を博したもので、日本では初公開。限りなく人間に似せてつくられたがゆえに、ひと一人の手では着替えや移動もままならないラブドールと格闘しながら刻一刻と移ろう太陽の光、変わる季節のなかでフィルムに記録していった写真や、映像作品が紹介される。

待望の新作にして、彼女の作品の初の試みとなる等身大の人形を扱ったラブドールシリーズ。人形をとおして人間の存在について考察し、虚と実の境界線を行き来する展示である。

ローリー・シモンズ展『The Love Doll: Days9-35』
会期│4月20日(土)~5月25日(土) ※日曜、月曜、祝日は休業
時間│12:00~19:00
会場│小山登美夫ギャラリー
東京都江東区清澄1-3-2
Tel.03-3642-4090
入場料│無料

           
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