上海モーターショー2019 プロダクションカー編|Auto Shanghai 2019

上海モーターショー2019 プロダクションカー編|Auto Shanghai 2019

Jetta VA3

CAR FEATURES

Auto Shanghai 2019|上海モーターショー 2019

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“白鳥”に変わる瞬間を見た(2)

果敢に取り込むパワー

中国で外資合弁系メーカーが狙う、次なるマーケットを端的に示したくれたのはフォルクスワーゲングループだ。彼らは今回の上海で新ブランド「ジェッタ」を発表した。

詳しい人ならご存じのとおり、ジェッタとは2ボックスの初代ゴルフをベースに1979年に誕生した3ボックスセダンに端を発する。最新の7代目ジェッタは、メキシコと中国で生産されている。

今回のジェッタは、そうした40年の歴史をもつ「フォルクスワーゲン ジェッタ」とは別に、新ブランドとして設定されたかたちだ。フォルクスワーゲンと長年にわたるパートナーである中国第一汽車で製造される。

Jetta VS5

Jetta VS5

マーケットに関して、メーカーは人口100万人以上の中国都市を挙げる。そうした街の多くにおいて、クルマの普及はより規模が大きな北京や上海といった都市よりかなり遅い。だが、同時に着実に増えているミドルクラス層は、個人のモビリティとして、これから自動車を初めて購入する意欲がある。ジェッタは、そうした若いカスタマーたちがターゲットという。

運転席に座ってみると、ドアポケットのプラスチックの縁など、やや粗い加工が目立つ。しかし思えば、初代フォルクスワーゲン ビートルの内装など、たとえ1970年代に入っても同程度のものであった。そうした意味では原点回帰の潔さが感じられる。

Xiaopeng G3

Xiaopeng G3

“テスラ キラー”と称される中国系スタートアップも数々見ることができた。好例は、広州をベースとする新興EVブランド、小鵬(シャオペン)と、彼らがリリースしたSUVタイプの電気自動車「G3」である。

スマートフォンアプリとの高度なコネクティビティ、インタラクティブ式ボイスコマンド、テスラを思わせるセンターコンソールの大画面ディスプレイに加え、PM2.5を意識した空気清浄システムもアピールしている。ベース価格は22万7800元(約378万円)だ。

最高なのは、ルーフ上にポップアップするデバイスだ。何のためかといえば、その答えはカメラ。車両の周囲の映像を撮影し、ネット上でシェアできる。「だから何だ」といえばそれまでのギミックだが、欧米車が考えないエンターテインメントをプロダクションカーへ果敢に盛り込んでしまうパワーには脱帽する。

BYD e2

Zotye A16

デザインも、BYDのヴォルフガング・エッガーにみられるように、外国人デザイナーの重役起用を進めた結果、驚くべき進歩を遂げている。かつて“コピー車”で苦笑を買った衆泰(ゾーティエ)も、MG英国デザインセンターのダイレクターだったアントニー・ウィリアムズ-ケニーを2018年9月にスカウトした。

次に上海で開催される2021年の展示車には、話題の次世代通信規格「5G」が、欧米のショーに先駆けてデフォルトで搭載されているに違いない。

デザインしかり、テクノロジーしかり。中国の自動車産業が、みにくいアヒルの子から白鳥に変わる瞬間を見た——そうしたニュアンスさえ浮かぶ、2019年春の上海であった。

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