Mountain man(s)|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|Mountain man(s)

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

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……リサーチ 小林節正氏に聞く(2)

これ以上シンプルに戻る場所がない原初のもの

――これまでマウンテンリサーチからリリースされたMountain man(s)シリーズは、ジオラマの本場ドイツの模型と同じ1/22.5スケール(1体約8cm)でした。

小林 自分は子どもの頃からフィギュア好きで、イギリス製の軍隊の人形とか捨てられず、いまだに大量に持っているんです。

タミヤの1/35兵隊シリーズも歩兵から何から全部作って。

Mountain man(s)シリーズも趣味の延長で作っているものですね。最初が山を歩いている4人(The Walker)で、次がキャンプで寝袋に入っている4人(Camp)。それからカヌーに乗っている4人(Canoe)、ドッグパックを背負った犬(GOO)、胸像のセット。

あとはキャンプサイトで実際に使えるソローの頭部型の蚊取り線香スタンドやキャンドルも作りました。

――棚に並んでいる、古いソフトビニール製の毛沢東の人形はなんですか?

小林 これは中国製です。毛沢東が中国の国家主席だった時代、おカネのない山奥の農家に高価な

メディコム・トイ 小林節正氏

メディコム・トイ 小林節正氏

ポーセリン製の肖像は買わせられないので、ソフトビニールの人形を配って置かせたらしいんですけれども、現存しているものはすごく少ないと思います。集め始めて気づいたんですけど、このビニールの毛沢東人形には蓄光素材のものが幾つかあって、どうせなら今回のソローのフィギュアも蓄光で作りたいなと思って。

メディコム・トイ 小林節正氏

そんな話をしていたら知り合いの原型師が作ってくれたんですけれども、あまりに出来が良いので、これはなんとかしたいなと思ってメディコム・トイに相談したらすごく面白がってくれて。そこから実際に発売されるまで、ずいぶん骨を折ってくれました。本当にありがたいです。

――今回のソローのフィギュアは、背負ったバックパックも精巧に立体化されています。

小林 これには元型があるんです。1960年代末にナイロン製バックパックが主流になりつつある頃、綿と革と木材だけでバックパックを作っていたアメリカの「segen pax」っていうブランドがあって。そこのバックパックがすごく好きだったので、それを模してマウンテンリサーチのバックパック部門である「アナルコパックス」 で商品化したのがこのモデルです。

いまは1年半中断してますが、僕らの会社は年に一回、アパラチアン・トレイル(アメリカ南部14州にまたがる総距離約3500km、世界最長の自然歩道)にひとりずつ歩きに行っているんですけれども、その時に必ずこのモデルを持っていくようにしていて。それで今回はアパラチアン・トレイルを歩いていたら、僕たちのバックを持って歩いているソローとすれ違うイメージで作ってもらったんです。

――ちゃんとストーリーがあったんですね。

小林 自分たちのプロダクションで元ネタがあるものは、すべてソローが言っていたようなスピリットがあります。先ほどお話しした「segen pax」はAdvanced Simplicity(最も進化した簡素さ)という謳い文句ですし、何年か前に作った革の山靴も日本のエベレスト遠征隊の靴を手掛けた職人さんに無理を言って彼らが大事にしている型を復刻してもらったもの。両方とも極めてシンプルなもので、これ以上戻る場所がない原初のものなんです。『ウォールデン 森の生活』に綴られている“これ以上ないシンプルさ加減はなんですか?”という話です。

いろいろと調べて分かったんですけれども、1960年代頃までは登山靴用の革って1、2種類しかなかったんです。そのひとつはスイス製で、ドイツも、日本も、イギリスも、アメリカも登山靴ブランドはその革を使っていました。要するに、世界中の人が同じ材料を持って、その国に応じたものを、同じ製法(ノルウィージャン・プロセス)で作っていたんですね。

山上の景色が世界共通だった時代、靴やバックのマテリアルについてもまた最もオーディナリー(原初)なものを、ソローがTシャツ&ショーツ姿で担いでるっていう。

――このフィギュアが部屋にあると、いつでも山に行きたくなるでしょうね。

小林 もう本当に夢みたいです。バックパックも靴も、これだけ実物に忠実なディテールが出ているし。自分たちが先人を真似て作ったプロダクションをソローが装着して歩いているっていうのは本当に夢のよう。

このバックパックのストラップは緩衝材がなく、フエルトだけの設計です。それで20kg程度の荷物を背負うことがどれだけツラいか、マウンテンリサーチのスタッフたちは、皆んな自分の肩で知っています。昨今のモダンギアを手にする時とは違う心づもりや覚悟が必要なものなのですが、利便性ばかりが追求される一方で、こういう原初に戻れるものがあるほうが、僕はいいと思うんです。

Mountain man(s)

メディコム・トイ 小林節正氏
メディコム・トイ 小林節正氏
メディコム・トイ 小林節正氏

全高約400mm。素材:PVC。グローインザダーク(蓄光)素材で暗闇でおぼろげに発光。
メディコム・トイ直営店舗と、……Research GENERAL STORE及びマウンテンリサーチ取扱ショップにて販売。2019年5月下旬発売予定・1万8000円(税別)。
※発売日につきましてはメディコム・トイHP/BLOG等で告知いたします。

問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート

Tel.03-3460-7555