POGGY’S FILTER|vol.2 ジェリー・ロレンゾさん

POGGY’S FILTER|vol.2 ジェリー・ロレンゾさん

POGGY’S FILTER

Page. 2

スニーカーによって完成したフィア・オブ・ゴッドのストーリー

POGGY いくつかの過去のインタビューで、カニエから影響を受けたと語っていたけど、具体的に彼から何を学びましたか?

ジェリー カニエとは3年間一緒に働きました。彼とはいろんな物事を同じ視点で見ていて、それは例えば普段着も含めたスタイリングに関してもそうだし、自分たちがどう振る舞うべきかっていうことに関しても同じ考えを持っていた。彼のチームの一員として働くのはすごくハードであったけども、そんな3年間を通して彼から何を得たかというと、それは彼のワークエシック(労働倫理)だと思います。

POGGY フィア・オブ・ゴッドのスタイルは、オリジナルシューズを作った事によって全身のバランスが完成されたと思います。そのシューズのデザインにはイタリアのデザインチーム、Search N Design(サーチ・アンド・デザイン)が関わっていると思うけど、彼らとの出会いなどについて教えて欲しい。

ジェリー 家族同士の付き合いもしている友人で、今、BUSCEMI(ブシェミ)というブランドをやっているJon Buscemi(ジョン・ブシェミ)が紹介してくれて。ポギーの言う通り、当時、自分の考えるコンセプトに従って、フィア・オブ・ゴッドのコレクションを完全なものにしなければならかった。3つ目か4つ目のコレクションの時、スタイリングにデザートストームというミリタリーブーツを使った時があって、色合いは好きだったんだけども、形は気に入ってなかった。当時は他に選択肢が無かったから、仕方なくそのブーツを使ったけども、シューズに関して誰か手助けしれくれる人を探す必要性を感じていて。ジョン・ブシェミが自分の周りで唯一、シューズ関連の仕事をしている友人だったから、彼に相談して、サーチ・アンド・デザインを紹介してもらった。サーチ・アンド・デザインと出会ったことで、フィア・オブ・ゴッドの壮大なストーリーが完成したんだ。

POGGY ちなみに今回発表されたナイキとのコレクション「Nike Air Fear of God」のスニーカーのデザインにもサーチ・アンド・デザインは関わっているの?

ジェリー いや、彼らは今回のプロジェクトには参加していないよ。ナイキとのプロジェクトの前に、サーチ・アンド・デザインと一緒にデザインしたものを少し参考にはしているけども、全体的なデザインは自分とナイキとで一緒にやったよ。

POGGY 今のラグジュアリーストリートシーンを語る上で、ナイキやアディダスといった大手のスポーツブランドとの関わりは外せないと思います。多くの大手ファッションブランドが、リスク回避や売上だけを狙った戦略に走る中で、まるでアスリートを発掘するかのように大手スポーツブランドが若手デザイナーをサポートしていますが、そういった流れをジェリーはどのように考えているの?

ジェリー それは、すごく良いポイントに気が付いたと思う。実は大手のファッションブランドが今、何を考えて、何をしているということはそれほど気にしていない。彼らが我々のようなブランドが何をしているかを分かっている必要はあるとは思うけども、自分自身は今、マーケットで何が失われていて、それをどう解決するかということにフォーカスしている。だから自分ではそんなことを考えたことがなかったけど、ポギーは良いところに目を付けたと思う。スポーツ業界は才能あるアスリートを高校生とか大学生の頃から発掘したりして、伝統的にずっと若い才能を見い出してきた。そんな伝統があるから、彼らはラグジュアリーブランドよりも早く、若い才能を認めることが出来るんだと思います。

POGGY 最後の質問。フィア・オブ・ゴッドのようなオーセンティックでラグジュアリーなアメリカンスタイルが、特にあなたの地元でもあるLAで、トレンドとして大いに受け入れられている理由は何だと思う?

ジェリー LAの人たちは、いつも快適に過ごすことを追い求めている。一方でファッションに関しては、快適さとラグジュアリーを同時に実現するのはすごく難しいことでもある。例えば、もし快適さを追求し過ぎたら、それは単にだらしがない格好にしかならないかもしれないし、あるいはすごく頑張りすぎちゃっているようにも見えてしまう。けど、フィア・オブ・ゴッドの服はラグジュアリーかつシックでいながら、同時に快適さも兼ね備えている。そういう意味では、フィア・オブ・ゴッドは新しいことを成し遂げたし、だからLAの人たちに受け入れられたんだと思うよ。