マツダ アテンザに試乗|Mazda

マツダ アテンザに試乗|Mazda

CAR IMPRESSIONS

MAZDA Atenza|マツダ アテンザ

アテンザに試乗

マツダ「アテンザ」。海外では「MAZDA 6」として販売される、マツダのフラッグシップモデルである。世界中で高い評価を受けるアテンザだが、当然日本でも売れゆきは好調だ。特にディーゼルエンジン搭載車は、先に搭載された「CX-5」の評判の高さもあり、ドイツから日本に上陸したBMWのディーゼルエンジンを迎え撃つモデルとして話題にのぼった。そんなアテンザのハンドルを九島辰也氏が握る。

Text by KUSHIMA Tatsuya

クリーンディーゼルは欧州の専売特許ではない

アテンザが売れている。自動車関連のメディアに目を通すかたならそんなニュースが発信されているのをご存知だろう。昨年11月20日に発売したそれは、12月末までに8,500台の受注台数を得た。1ヶ月の販売計画が1,000台だからじつに8ヶ月分に値する。

だが、その程度のニュースなら他メーカーにだってある。日産「ノート」もそうだし、トヨタ「クラウン」もまた、「販売好調」の文字は踊る。がしかし、アテンザにはほかにはない販売特性がある。それが「スカイアクティブ」の目玉のひとつでもあるディーゼルエンジン車。なんとこのクリーンディーゼルを搭載したモデルが全体の8割近くを占めるというから恐れ入る。もはやクリーンディーゼルはヨーロッパメーカーの専売特許ともいえなくなってきた。まさに新機軸の登場といったところだ。

ではそのディーゼル車、なにがそんなに優れているかというと、まずは燃費。日本オリジナルのJC08モードでいうと、6MT車で22.4km/ℓ、6AT車で20.0km/ℓとなる。数値だけでいえばハイブリッド車に迫る勢いだ。というか、つかいかたによってはハイブリッドを凌駕する。

そして次に運転のしやすさ。ディーゼルエンジンの特性でもある低速域の太いトルクがスムーズな運転を約束する。こちらも数値だけを見れば、4リッターV8ガソリンエンジン並み。回転数を上げずに走れるのだから燃費にだって役立つってもんだ。さらにこいつは高回転の伸びも特筆。大小2つのタービンが備わるのだが、それがしっかり高回転域まで過給してくれる。4,500~5,000rpmに入るあたりのディーゼルらしくない? 伸びは感動すら覚えるだろう。

と、ここでおもい出したのが「BMW320d Blue Performance」のディーゼルユニット。

BMWがつくるとディーゼルもこんなにスムーズにまわるのか
と感心させられる。吹け上がりのリニアなフィーリングはピカイチだ。ただし、この2モデルともに6,000回転までしっかりまわるという面ではいい勝負だとおもう。

既存のディーゼルにたいするイメージをガラリとかえるだけの要因は十分にもちあわせている。

またこのときのエンジンサウンドが気持ちいいのも報告しておこう。しっかりチューニングされたそれが加速感を演出する。これがディーゼル? とおもわずニヤけてしまうほどだ。ボーズサウンドシステム搭載車はさらにそれを増幅させる機能が付いているから楽しい。

マニュアルトランスミッションで操る楽しみ

今回そんな高回転領域をつかった走りを試せたのは6MTが用意されていたのも関係する。

各ギアでしっかり上までまわすことでそれを確認した。と同時に、これはうれしい配慮でもある。MTが死滅しそうな日本のマーケットにおいて、こうした日常使いのクルマに設定されるのは重要なことだ。

なぜなら普段からクルマの運転が楽しいとおもえることが、いまの日本のクルマ社会には欠けている。

MAZDA Atenza|マツダ アテンザ

その点ではBMWのディーゼル車にもMTは欲しいところだが、日本仕様はその設定がない。かつてアルピナのディーゼル車をMTで走らせたことをおもい出しても、それがないのは寂しい限りである。パドルでスパスパっとギアを切り返すのもいいが、手のひらでクルマの振動を感じ、手首でギアを操作するあの感覚はやはり特別である。