IWC|SIHH 2013 新作ウォッチコレクション
WATCH & JEWELRY / SIHH&BASEL
2015年3月30日

IWC|SIHH 2013 新作ウォッチコレクション

IWC|アイ・ダブリュー・シー

モータースポーツウォッチの究極を追求した

新「インヂュニア」コレクションが誕生

時代に合わせてコレクションを大胆に一新するIWC。今年、完全リニューアルの対象となったのは1955年に“エンジニアのための腕時計”として誕生した「インヂュニア」。フルモデルチェンジは2005年以来、8年ぶりだ。

Text & Event Photographs by SHIBUYA Yasuhito

今回のあたらしいインヂュニアは、クルマを愛する人々のためのドライバーズウォッチ、レーシングウォッチと位置づけられている。IWCはメルセデス・ベンツのハイパフォーマンスカー部門&レーシング部門であるAMGとの間で長らく協力関係にあったが、今回のリニューアルにあたって同社は、あらたにメルセデスのF1チーム、「メルセデスAMG ペトロナス フォーミュラ1」と3年間の公式パートナーシップを締結。

SIHH(ジュネーブサロン)のブースではこの関係をアピールするべく、シュツットガルトのメルセデス・ベンツ ミュージアムから1955年に活躍したF1マシン「300SLR シルバー・アロー」をはじめ、同チームの最新のF1マシンとそのエンジンが展示された。新生インヂュニア・コレクションは、この展示されたF1マシンのように、“RACING”、“HERITAGE”、“TECHNOLOGY”の3つのデザインラインで構成される。

なかでも注目のタイムピースは、歴代インヂュニアのデザインコードを受け継ぐSSケースのモデルと、現代F1マシンで採用される革新的な素材を使用したスポーツモデルのふたつ。うれしいのは、どちらもコレクション全体でコンプリケーションモデルからシンプルなクロノグラフ、スプリットセコンドクロノグラフ、ワールドタイマー、シンプルな3針モデルまで多彩なモデルが用意されていること。だから貴男の求める機能、テイストに近いモデルが必ず見つかるはずだ。

IWC│アイ・ダブリュー・シー 会場

IWC│アイ・ダブリュー・シー 02


Ingenieur Constant Force Tourbillon|
インヂュニア・コンスタントフォース・トゥールビヨン

コレクションの頂点に君臨する、スポーティなコンプリケーションモデル

地球の重力の影響を最小限に留めるトゥールビヨン機構にくわえ、そのテンプの振り角をほぼ一定に保つコンスタントフォース(定力装置)機構を搭載する新作「インヂュニア・コンスタントフォース・トゥールビヨン」。パワーリザーブは96時間、IWC独自開発の高精度ムーブメント、キャリバー94800をプラチナ&セラミック素材のケースに搭載した新コレクションの頂点モデルだ。3Dレーザー技術を駆使して月の表面を緻密に描いたという1時位置にあるダブルムーンフェイズ表示も、このモデルのうれしいディテールのひとつだ。

手巻き、PT&セラミックケース、アリゲーターストラップ、ケースサイズ直径46mm、コンスタンスフォース機構付きトゥールビヨン、パワーリザーブ表示、ダブルムーンフェイズ表示付きのキャリバー94800搭載、12気圧防水、2457万円。2013年末発売予定。


IWC│アイ・ダブリュー・シー 05

Ingenieur Automatic Carbon Performance|
インヂュニア・オートマティック・カーボン・パフォーマンス

F1マシンのカーボンファイバー・モノコック直系のケースを採用

20世紀の時計デザイン史において天才と謳われる、ジェラルド・ジェンタ氏により1976年に誕生した名作「インヂュニアSL」。新作「インヂュニア・オートマティック・カーボン・パフォーマンス」は、その基本デザインを継承しながら、そのアウターケースは「メルセデス AMG ペトロナス フォーミュラ1」チームのF1マシンに使われるモノコックシャーシーとおなじカーボンファイバー素材を採用。エポキシ樹脂に浸して成形し、高温高圧で焼結後に硬化処理をほどこした3層構造で、文字盤もカーボンファイバー製となる。イエローインデックスのモデルとレッドインデックスのモデルの2種類が用意。それぞれ世界で100本、計200本の限定生産。

自動巻き、カーボンケース、布製インレイ付きのラバーストラップ、ケースサイズ直径46mm、IWC特許のペラトン式両方向巻上げシステム、同システムと一体化した耐衝撃システムを搭載したキャリバー80110搭載、日付表示、12気圧防水、223万1250円。レッドインデックスの仕様、イエローインデックスの仕様ともに10月発売予定。


IWC│アイ・ダブリュー・シー 09

Ingenieur Automatic AMG Black Series Ceramic|
インヂュニア・オートマティック“AMG ブラックシリーズ・セラミック”

セラミック素材ケースを採用した男のためのタフウォッチ

「インヂュニア・オートマティック“AMG ブラックシリーズ・セラミック”」は、AMGのトップエンドモデルに採用されるセラミック素材のブレーキディスクから着想を得てデザインされたスポーツモデル。酸化ジルコニウム製セラミックをケース、ベゼル、リューズ、リューズプロテクターに採用した。ブラックの文字盤にホワイトのインデックス、ホワイトのマーキングをほどこした針を組み合わせたタイプと、ブラウン文字盤にベージュのインデックス、ベージュのマーキングをほどこした針のタイプがある。ムーブメントは“カーボン・パフォーマンス”とおなじキャリバー80110。こちらもシースルーバック仕様で、ケース裏からそのメカニズムを目で楽しむことができる。

自動巻き、酸化ジルコニウム系セラミックケース、布製インレイ付きのラバーストラップ、ケースサイズ直径46mm、IWC特許のペラトン式両方向巻上げシステム、同システムと一体化した耐衝撃システムを搭載したキャリバー80110搭載、日付表示、12気圧防水、112万8750円。9月発売予定。


IWC│アイ・ダブリュー・シー 11

Ingenieur Double Chronograph Titanium|
インヂュニア・ダブルクロノグラフ・チタニウム

ラップタイム計測ができるスプリットセコンドクロノ機能を搭載

通常のクロノグラフ針だけでなく、計測中でもリセットすることができるクロノグラフ針をもうひとつそなえることで、スプリットタイムの計測ができる「インヂュニア・ダブルクロノグラフ・チタニウム」。もうひとつのクロノグラフ針のスタート&リセットは10時位置のプッシュボタンでおこなう。文字盤カラーはシルバーダイヤルとブラックダイヤルの2タイプ。

自動巻き、チタニウムケース、ラバーストラップ、ケースサイズ直径45mm、スプリットセコンドクロノグラフ機能をそなえたキャリバー79420搭載、12気圧防水、116万250円。シルバーダイヤルが4月、ブラックダイヤルが2013年秋以降発売予定。


IWC│アイ・ダブリュー・シー 13


Ingenieur Chronograph Silberpfeil|
インヂュニア・クロノグラフ・ジルバープファイル

伝説の「シルバーアロー」ゆかりのペルラージュ装飾が文字盤に

レーシーな新インヂュニア・コレクションの中核を担うモデルとして位置づけられる縦ふたつ目デザインの「インヂュニア・クロノグラフ」。短針と長針をそなえた12時位置のインダイヤルは、まるで時刻を読むようにクロノグラフの経過時間を快適に読み取ることができる。このモデルをベースに、「シルバーアロー」と言われたメルセデスの昔のレーシングカーと同じペルラージュ装飾を文字盤に施したのがこの「インヂュニア・クロノグラフ・ジルバープファイル」だ。なお“ジルバープ”はドイツ語のシルバーをカタカナ表記したもの。また文字盤にくわえてラバーストラップには、シルバーアローのボンネットがブラウンの革製のベルトでロックされていたことにちなんでブラウンのカーフスキンインレイが付く。

自動巻き、SSケース、カーフスキン製インレイ付きラバーストラップ、ケースサイズ直径45mm、文字盤12時位置に時刻表示のようにクロノグラフの積算時間を表示するクロノカウンターを、6時位置にスモールセコンド表示、日付表示をそなえたキャリバー89361搭載、12気圧防水、111万3000円。4月発売予定。同じ仕様でペルラージュ装飾の文字盤ではない通常の「インヂュニア・クロノグラフ・レーサー」は111万3000円。4月発売予定。


IWC│アイ・ダブリュー・シー 15

Ingenieur Dual Time Titanium|
インヂュニア・デュアルタイム・チタニウム

トラベラー、ビジネスマンに便利なデュアルタイムモデル

世界を転戦するF1チームのスタッフや世界と常に仕事をするビジネスマン、世界を旅するワールドトラベラーにピッタリなのが、デュアルタイム機構付きモデルの「インヂュニア・デュアルタイム・チタニウム」だ。文字盤のセンターにある時分秒針にくわえ、24時間で文字盤を一周し、第2時間帯の現在時を表示するデュアルタイム針をそなえている。

自動巻き、チタニウムケース、ラバーストラップ、ケースサイズ直径45mm、時差調整用に時針ジャンピング機能、第2時間帯表示機能、日付表示機能をそなえたキャリバー35720搭載、12気圧防水、74万5500円。5月発売予定。


IWC│アイ・ダブリュー・シー 17

Ingenieur Automatic|
インヂュニア・オートマティック

最大4万アンペア毎メーターの耐磁機能を装備

「インヂュニア・オートマティック」は、“エンジニアのための耐磁性能をそなえた腕時計”という、このコレクションの伝統を継承する、毎時4万アンペア毎メーターの強力な耐磁機能をそなえたシンプルなモデル。ムーブメント全体を軟鉄製のインナーケース、裏蓋、ケースリングでカバー。さらに文字盤も軟鉄製とすることで、機械式ムーブメントにくわわる磁力線の影響と、それが原因で発生するさまざまなトラブルが起こらないように作られている。まさにエンジニアのための特別なタイムピースだ。文字盤はシルバーとブラックの2タイプで、シルバーの文字盤のモデルにはロジウムメッキのシルバー針のほかに、RG針のタイプもある。

自動巻き、SS &ブレスレット、ケースサイズ直径40mm、耐磁機能付き、日付表示付きのキャリバー30110搭載、12気圧防水、52万5000円。4月発売予定。

IWC
03-3288-6359
http://www.iwc.com/ja

           
Photo Gallery